<夏休みにTRY(トライ)!>
◇気(き)づき、学(まな)びがたくさん
東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)の被災地(ひさいち)でボランティアが活躍(かつやく)しています。「私(わたし)も何(なに)かしてみたい」と思(おも)う人(ひと)も多(おお)いのでは。ボランティアにはいろいろな種類(しゅるい)があります。興味(きょうみ)のあるものを探(さが)し、体験(たいけん)してみてはどうでしょう。
●身近(みぢか)な場所(ばしょ)で
群馬県高崎市(ぐんまけんたかさきし)の清水香理(しみずかおり)さん(14)は、自宅(じたく)で生後(せいご)4カ月(げつ)の犬(いぬ)、ラブラドルレトリバーの「シャイ」を飼(か)っています。ときどき散歩(さんぽ)に行(い)ったり、えさをやったりします。
実(じつ)は、これはれっきとしたボランティア。シャイは将来(しょうらい)、目(め)が不自由(ふじゆう)な人(ひと)のお手伝(てつだ)いをする盲導犬(もうどうけん)になるかもしれない犬(いぬ)で、シャイのような盲導犬候補(もうどうけんこうほ)の子犬(こいぬ)を育(そだ)てるボランティアを「パピーウオーカー」といいます。子犬(こいぬ)が1歳(さい)になるまで、思(おも)いっきりかわいがるのが「任務(にんむ)」なのです。弟(おとうと)の雅康君(まさやすくん)(10)と徳門君(のりゆきくん)(7)はシャイに抱(だ)きつくのが大好(だいす)きです。
香理(かおり)さんは、目(め)の不自由(ふじゆう)な人(ひと)が暮(く)らしやすくなるよう、盲導犬(もうどうけん)の育成(いくせい)などを支援(しえん)する募金活動(ぼきんかつどう)にも参加(さんか)するようになりました。「1年(ねん)で子犬(こいぬ)と別(わか)れるのは寂(さび)しいけれど、目(め)の不自由(ふじゆう)な人(ひと)から『ありがとう』と言(い)われるとうれしい」と話(はな)しています。
「フリー・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京都(とうきょうと)世(せ)田谷(たがや)区(く))という団体(だんたい)では、海外(かいがい)の貧(まず)しい子(こ)どもたちを支援(しえん)するため、使(つか)っていないはがきや切手(きって)を集(あつ)めてお金(かね)に換(か)えたり、文房具(ぶんぼうぐ)を送(おく)ったりします。作業(さぎょう)するのは高校生(こうこうせい)を中心(ちゅうしん)としたメンバーで、小学(しょうがく)1年(ねん)から参加(さんか)できます。フィリピンやインド、モンゴルの子(こ)どもと文通(ぶんつう)する方法(ほうほう)もあります。年(ねん)4回(かい)、手紙(てがみ)をやり取(と)りし、文通(ぶんつう)への参加(さんか)にかかる費用(ひよう)が現地(げんち)の子(こ)どもたちの教育資金(きょういくしきん)になります。
海水浴(かいすいよく)のついでに砂浜(すなはま)でゴミ拾(ひろ)いはどうでしょう。かながわ海岸美化財団(かいがんびかざいだん)(神奈川県茅ケ崎市(かながわけんちがさきし))は、相模(さがみ)湾周辺(わんしゅうへん)の海岸(かいがん)をきれいにする人(ひと)たちにゴミ袋(ぶくろ)や軍手(ぐんて)を貸(か)しています。親子(おやこ)で参加(さんか)してみてもいいですね。
●被災地(ひさいち)で
「被災地(ひさいち)で活動(かつどう)したい」という人(ひと)には、国際救急法研究所(こくさいきゅうきゅうほうけんきゅうじょ)(横浜市(よこはまし))のバスツアーがあります。中学生以上(ちゅうがくせいいじょう)で、保護者(ほごしゃ)などの同伴(どうはん)が条件(じょうけん)です。
4月中旬(がつちゅうじゅん)に参加(さんか)した都内(とない)の森田舞華(もりたまいか)さん(17)は、宮城県(みやぎけん)石巻(いしのまき)市内(しない)の民家(みんか)で泥(どろ)をかき出(だ)す重労働(じゅうろうどう)をこなしました。「大変(たいへん)でしたが、みんなで協力(きょうりょく)すればできました。復興(ふっこう)には時間(じかん)がかかるので、私(わたし)たち若(わか)い世代(せだい)が継続的(けいぞくてき)にボランティアに行(い)って頑張(がんば)らなければと強(つよ)く思(おも)いました」と話(はな)します。夏休(なつやす)みに再(ふたた)び被災地(ひさいち)に行(い)くそうです。
全国(ぜんこく)の高齢者(こうれいしゃ)や障害者(しょうがいしゃ)の施設(しせつ)で、夏休(なつやす)みに「体験(たいけん)ボランティア」を実施(じっし)するところもあります。各施設(かくしせつ)や地元(じもと)の社会福祉協議会(しゃかいふくしきょうぎかい)に尋(たず)ねてみてください。
世(せ)田谷(たがや)ボランティアセンターの宮崎紘子(みやざきひろこ)さんは「泳(およ)ぎ方(かた)は水(みず)に入(はい)らなくては分(わ)からないように、実際(じっさい)にボランティア体験(たいけん)をすることで初(はじ)めて気(き)づいたり学(まな)んだりすることがあります」と話(はな)します。
活動(かつどう)の注意点(ちゅういてん)として、宮崎(みやざき)さんは▽プライバシーを守(まも)り、写真撮影(しゃしんさつえい)やメール交換(こうかん)をしない▽訪問(ほうもん)する相手(あいて)に合(あ)わせた服装(ふくそう)を▽あいさつ・返事(へんじ)をする▽やることを勝手(かって)に判断(はんだん)せず、施設(しせつ)の人(ひと)に聞(き)く--などを心(こころ)がけて、と呼(よ)びかけています。
毎日新聞 2011年7月24日 東京朝刊
◇気(き)づき、学(まな)びがたくさん
東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)の被災地(ひさいち)でボランティアが活躍(かつやく)しています。「私(わたし)も何(なに)かしてみたい」と思(おも)う人(ひと)も多(おお)いのでは。ボランティアにはいろいろな種類(しゅるい)があります。興味(きょうみ)のあるものを探(さが)し、体験(たいけん)してみてはどうでしょう。
●身近(みぢか)な場所(ばしょ)で
群馬県高崎市(ぐんまけんたかさきし)の清水香理(しみずかおり)さん(14)は、自宅(じたく)で生後(せいご)4カ月(げつ)の犬(いぬ)、ラブラドルレトリバーの「シャイ」を飼(か)っています。ときどき散歩(さんぽ)に行(い)ったり、えさをやったりします。
実(じつ)は、これはれっきとしたボランティア。シャイは将来(しょうらい)、目(め)が不自由(ふじゆう)な人(ひと)のお手伝(てつだ)いをする盲導犬(もうどうけん)になるかもしれない犬(いぬ)で、シャイのような盲導犬候補(もうどうけんこうほ)の子犬(こいぬ)を育(そだ)てるボランティアを「パピーウオーカー」といいます。子犬(こいぬ)が1歳(さい)になるまで、思(おも)いっきりかわいがるのが「任務(にんむ)」なのです。弟(おとうと)の雅康君(まさやすくん)(10)と徳門君(のりゆきくん)(7)はシャイに抱(だ)きつくのが大好(だいす)きです。
香理(かおり)さんは、目(め)の不自由(ふじゆう)な人(ひと)が暮(く)らしやすくなるよう、盲導犬(もうどうけん)の育成(いくせい)などを支援(しえん)する募金活動(ぼきんかつどう)にも参加(さんか)するようになりました。「1年(ねん)で子犬(こいぬ)と別(わか)れるのは寂(さび)しいけれど、目(め)の不自由(ふじゆう)な人(ひと)から『ありがとう』と言(い)われるとうれしい」と話(はな)しています。
「フリー・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京都(とうきょうと)世(せ)田谷(たがや)区(く))という団体(だんたい)では、海外(かいがい)の貧(まず)しい子(こ)どもたちを支援(しえん)するため、使(つか)っていないはがきや切手(きって)を集(あつ)めてお金(かね)に換(か)えたり、文房具(ぶんぼうぐ)を送(おく)ったりします。作業(さぎょう)するのは高校生(こうこうせい)を中心(ちゅうしん)としたメンバーで、小学(しょうがく)1年(ねん)から参加(さんか)できます。フィリピンやインド、モンゴルの子(こ)どもと文通(ぶんつう)する方法(ほうほう)もあります。年(ねん)4回(かい)、手紙(てがみ)をやり取(と)りし、文通(ぶんつう)への参加(さんか)にかかる費用(ひよう)が現地(げんち)の子(こ)どもたちの教育資金(きょういくしきん)になります。
海水浴(かいすいよく)のついでに砂浜(すなはま)でゴミ拾(ひろ)いはどうでしょう。かながわ海岸美化財団(かいがんびかざいだん)(神奈川県茅ケ崎市(かながわけんちがさきし))は、相模(さがみ)湾周辺(わんしゅうへん)の海岸(かいがん)をきれいにする人(ひと)たちにゴミ袋(ぶくろ)や軍手(ぐんて)を貸(か)しています。親子(おやこ)で参加(さんか)してみてもいいですね。
●被災地(ひさいち)で
「被災地(ひさいち)で活動(かつどう)したい」という人(ひと)には、国際救急法研究所(こくさいきゅうきゅうほうけんきゅうじょ)(横浜市(よこはまし))のバスツアーがあります。中学生以上(ちゅうがくせいいじょう)で、保護者(ほごしゃ)などの同伴(どうはん)が条件(じょうけん)です。
4月中旬(がつちゅうじゅん)に参加(さんか)した都内(とない)の森田舞華(もりたまいか)さん(17)は、宮城県(みやぎけん)石巻(いしのまき)市内(しない)の民家(みんか)で泥(どろ)をかき出(だ)す重労働(じゅうろうどう)をこなしました。「大変(たいへん)でしたが、みんなで協力(きょうりょく)すればできました。復興(ふっこう)には時間(じかん)がかかるので、私(わたし)たち若(わか)い世代(せだい)が継続的(けいぞくてき)にボランティアに行(い)って頑張(がんば)らなければと強(つよ)く思(おも)いました」と話(はな)します。夏休(なつやす)みに再(ふたた)び被災地(ひさいち)に行(い)くそうです。
全国(ぜんこく)の高齢者(こうれいしゃ)や障害者(しょうがいしゃ)の施設(しせつ)で、夏休(なつやす)みに「体験(たいけん)ボランティア」を実施(じっし)するところもあります。各施設(かくしせつ)や地元(じもと)の社会福祉協議会(しゃかいふくしきょうぎかい)に尋(たず)ねてみてください。
世(せ)田谷(たがや)ボランティアセンターの宮崎紘子(みやざきひろこ)さんは「泳(およ)ぎ方(かた)は水(みず)に入(はい)らなくては分(わ)からないように、実際(じっさい)にボランティア体験(たいけん)をすることで初(はじ)めて気(き)づいたり学(まな)んだりすることがあります」と話(はな)します。
活動(かつどう)の注意点(ちゅういてん)として、宮崎(みやざき)さんは▽プライバシーを守(まも)り、写真撮影(しゃしんさつえい)やメール交換(こうかん)をしない▽訪問(ほうもん)する相手(あいて)に合(あ)わせた服装(ふくそう)を▽あいさつ・返事(へんじ)をする▽やることを勝手(かって)に判断(はんだん)せず、施設(しせつ)の人(ひと)に聞(き)く--などを心(こころ)がけて、と呼(よ)びかけています。
毎日新聞 2011年7月24日 東京朝刊