聴覚障害者の支援活動を続ける徳島中央高校教諭の大西鉄男さん(54)=小松島市立江町=が、緊急時などに聴覚障害者に役立ててもらおうと、音を拾うと発光する装置を独自に開発した。防災無線や携帯電話などのそばに置き、音が出れば光で知らせる。1台あたりの制作費用は1000円以下と安価で、持ち運びも簡単だ。大西さんは「装置で災害時の逃げ遅れなどが防げれば」と話す。
大西さんは、家族が少しずつ音が聞こえなくなる聴覚障害を抱えており、同じような境遇にある人らと支援団体「県難聴者と支援者の会(ナシの会)」を07年8月に設立し、会長を務める。
会は、耳が不自由なことを表す「耳マーク」の普及や要約筆記のボランティア養成講座の開催などを続けるが、ここ数年、災害時の対策がメンバーの間で課題に挙がり、話し合ってきたという。
聴覚障害者は、緊急を知らせるサイレンが鳴った場合など、異常に気付かない可能性がある。特に、旅行先など慣れない場所ではリスクが大きくなる。大西さんは「少しでもリスクを軽減したい」と、長年趣味にする無線作りの知識を生かして装置の開発を決意。今夏、約1カ月かけて完成させ、「知らせ太郎」と命名した。
名刺ほどの大きさの基盤に、音を拾うマイクを接続。一定の音量を拾うと、LED(発光ダイオード)灯が点灯し、音が鳴り終わっても数秒間、光り続ける。LED灯や装置の土台は100円ショップなどでそろえ、費用は800円ほど。コンセントがある場所ならどこでも利用できる。
完成したのはまだ1台だが、要望があれば新たに製作する。充電式や電池式に改良することも検討しているという。大西さんは「災害時以外でもさまざまな使い方ができるので、利用する人が思ったように使ってもらえれば」と話している。
毎日新聞 2011年9月30日 地方版
大西さんは、家族が少しずつ音が聞こえなくなる聴覚障害を抱えており、同じような境遇にある人らと支援団体「県難聴者と支援者の会(ナシの会)」を07年8月に設立し、会長を務める。
会は、耳が不自由なことを表す「耳マーク」の普及や要約筆記のボランティア養成講座の開催などを続けるが、ここ数年、災害時の対策がメンバーの間で課題に挙がり、話し合ってきたという。
聴覚障害者は、緊急を知らせるサイレンが鳴った場合など、異常に気付かない可能性がある。特に、旅行先など慣れない場所ではリスクが大きくなる。大西さんは「少しでもリスクを軽減したい」と、長年趣味にする無線作りの知識を生かして装置の開発を決意。今夏、約1カ月かけて完成させ、「知らせ太郎」と命名した。
名刺ほどの大きさの基盤に、音を拾うマイクを接続。一定の音量を拾うと、LED(発光ダイオード)灯が点灯し、音が鳴り終わっても数秒間、光り続ける。LED灯や装置の土台は100円ショップなどでそろえ、費用は800円ほど。コンセントがある場所ならどこでも利用できる。
完成したのはまだ1台だが、要望があれば新たに製作する。充電式や電池式に改良することも検討しているという。大西さんは「災害時以外でもさまざまな使い方ができるので、利用する人が思ったように使ってもらえれば」と話している。
毎日新聞 2011年9月30日 地方版