聴覚障害者らにワサビの臭いで火災を知らせる装置を開発し、まじめなのにどこかおかしい研究をたたえる「イグ・ノーベル賞」を受賞した東京都江東区の「シームス」(青海2)に、全国の消防本部から問い合わせが相次いでいる。
同社は「受賞を機に売れ行きが伸びればコストダウンも可能になる」と期待を寄せている。
同社が火災警報機の信号をもとに、ワサビの強い香りを発生させる装置を発売したのは2009年。アロマオイルやマスタード、人間の体臭など数十種類の臭いで試し、速効性や安全性などの理由でワサビに行き着いた。
現在の価格は火災報知機込みで1台5万2500円。ホテルや聴覚障害者を雇用する会社の従業員寮などで導入されているものの、価格が通常の火災報知機の10倍以上するため、累計販売は200台以内にとどまる。
受賞後に全国の消防本部から製品の価格や性能に関する問い合わせが相次いでいるのを受け、同社は国内の高齢者施設などだけでなく、海外にも売り込みをはかる考え。現在、火災感知部分と、臭気発生部分を無線で接続する新機種の開発を進めている。将来の緊急地震速報や津波警報への応用も視野に入れている。
同社は2000年11月に千代田区で創業し、香り関連製品の開発を手がける。業務拡大に伴い昨年12月、江東区のオフィスビルに移転した。臭気発生装置のほか、臭いでがんを探知する研究などを行っている。
(2011年10月15日16時57分 読売新聞)
同社は「受賞を機に売れ行きが伸びればコストダウンも可能になる」と期待を寄せている。
同社が火災警報機の信号をもとに、ワサビの強い香りを発生させる装置を発売したのは2009年。アロマオイルやマスタード、人間の体臭など数十種類の臭いで試し、速効性や安全性などの理由でワサビに行き着いた。
現在の価格は火災報知機込みで1台5万2500円。ホテルや聴覚障害者を雇用する会社の従業員寮などで導入されているものの、価格が通常の火災報知機の10倍以上するため、累計販売は200台以内にとどまる。
受賞後に全国の消防本部から製品の価格や性能に関する問い合わせが相次いでいるのを受け、同社は国内の高齢者施設などだけでなく、海外にも売り込みをはかる考え。現在、火災感知部分と、臭気発生部分を無線で接続する新機種の開発を進めている。将来の緊急地震速報や津波警報への応用も視野に入れている。
同社は2000年11月に千代田区で創業し、香り関連製品の開発を手がける。業務拡大に伴い昨年12月、江東区のオフィスビルに移転した。臭気発生装置のほか、臭いでがんを探知する研究などを行っている。
(2011年10月15日16時57分 読売新聞)