金沢の団体が 摂食障害に苦しむ人の心の声を聞いて-。過食症や拒食症の元患者らでつくる金沢市の団体「あかりプロジェクト」が、摂食障害の人にありがちな言動とその時の本人の気持ちや状況をまとめた「辞典」を作った。医師やカウンセラーによる治療の解説本が多い中、患者の視点から百を超える事例を紹介する。 (奥野斐)
辞典はiPhone(アイフォーン)で閲覧できる「摂食障害あいうえお辞典」で、七日にも四百五十円で発売される。患者や経験者三十人余の事例を百十のキーワードに整理し五十音順に掲載。「隠れて食べる」「身体を痛めつける」という状況や態度から「ごめんなさい」「消えてしまいたい」など患者がよく使う言葉が並ぶ。
摂食障害は、精神疾患の一つとされ、過食や嘔吐(おうと)、絶食を繰り返す。食べ方の問題だけでなく、精神的な苦しさからくる極端な言動が周囲に理解されないことも少なくない。無理なダイエットや人間関係のストレスが引き金で発症する人も多く、特に若い女性で目立つ。
iPhone版 言動理解の助けに
団体の村田いづ実代表(35)=金沢市=も中学生のころから十五年間、過食に苦しんだ。帰宅後、冷蔵庫の中身を食べ尽くす毎日。ファストフード店を回って五~六人前をたいらげ、罪悪感から吐いたことも。家族に当たり過食はエスカレートして体重も急増。自分を責める日々が続いた。仕事を辞め入院生活も経験。「自分の意志では食べることを止められず、つらかった」
団体が開く親子茶話会で「摂食障害の子の気持ちを知りたい」との声があり、当事者に成り代わって気持ちを伝える「辞典」を企画。経験を踏まえながら作った。
「隠れて食べる」の項目では「こんなに食べていることがばれたら、おかしいと思われる」との思いを紹介。「ごめんなさい」では「過食や入院費でお金を無駄に使ってごめんなさい。期待に沿えなくてごめんなさい…」など患者特有の多様な心情を伝えている。
村田代表は「摂食障害では自分を肯定する気持ちを持てない患者が多い。回復には周囲に受け入れてもらうことが重要なので、家族や医療、学校関係者にぜひ読んでほしい」と話す。
中日新聞
辞典はiPhone(アイフォーン)で閲覧できる「摂食障害あいうえお辞典」で、七日にも四百五十円で発売される。患者や経験者三十人余の事例を百十のキーワードに整理し五十音順に掲載。「隠れて食べる」「身体を痛めつける」という状況や態度から「ごめんなさい」「消えてしまいたい」など患者がよく使う言葉が並ぶ。
摂食障害は、精神疾患の一つとされ、過食や嘔吐(おうと)、絶食を繰り返す。食べ方の問題だけでなく、精神的な苦しさからくる極端な言動が周囲に理解されないことも少なくない。無理なダイエットや人間関係のストレスが引き金で発症する人も多く、特に若い女性で目立つ。
iPhone版 言動理解の助けに
団体の村田いづ実代表(35)=金沢市=も中学生のころから十五年間、過食に苦しんだ。帰宅後、冷蔵庫の中身を食べ尽くす毎日。ファストフード店を回って五~六人前をたいらげ、罪悪感から吐いたことも。家族に当たり過食はエスカレートして体重も急増。自分を責める日々が続いた。仕事を辞め入院生活も経験。「自分の意志では食べることを止められず、つらかった」
団体が開く親子茶話会で「摂食障害の子の気持ちを知りたい」との声があり、当事者に成り代わって気持ちを伝える「辞典」を企画。経験を踏まえながら作った。
「隠れて食べる」の項目では「こんなに食べていることがばれたら、おかしいと思われる」との思いを紹介。「ごめんなさい」では「過食や入院費でお金を無駄に使ってごめんなさい。期待に沿えなくてごめんなさい…」など患者特有の多様な心情を伝えている。
村田代表は「摂食障害では自分を肯定する気持ちを持てない患者が多い。回復には周囲に受け入れてもらうことが重要なので、家族や医療、学校関係者にぜひ読んでほしい」と話す。
中日新聞