因果関係証明が本格化
宮城県と仙台市は7日、震災後に持病が悪化したり、ストレスや疲労がたまったりして死亡した「震災関連死」の認定を行う審査会を設置する方針を明らかにした。
関連死と認定されると、災害弔慰金250万~500万円が遺族に支給される。審査会が出来ることで、阪神大震災などで震災との因果関係を証明する難しさが問題になった関連死の審査が本格化する見通しだ。
県の審査会は、県内10市町から対象者の審査を受託する。今月下旬に設置し、来月から審査を始める。県震災援護室によると、南三陸町や利府町などが県に審査を委託する意向を示している。既に41件が審査待ちだという。
一方、仙台市は月内に「判定委員会」を設置し、開催する。同市は県には委託せず、独自に関連死を審査する。石巻市や気仙沼市など12市町も独自に審査会を設置する意向だ。また、すでに名取市、亘理町、柴田町、女川町の4市町(9月1日現在)では独自の審査、認定が始まっている。
県の審査会は、医師2人、弁護士、障害者団体代表、県保健福祉部長の5人で構成。実際の審査は11月初旬に始める見通しだ。同室によると、中越地震など過去の震災では〈1〉病院の機能停止で、初期治療ができなかった〈2〉避難所生活のストレスで体調を崩した――などで死亡したケースも関連死と認定されたという。
仙台市の委員会は、医師3人、弁護士1人、大学教授1人の5人で構成する。同市には6日現在、関連死に関する申請が152件寄せられている。委員会は月に2回程度開かれ、1回で約20件審査できる見込みだ。
7月から審査会を2度開催している亘理町では21件を審査し、約半数の10件を関連死と認定した。このうち、83歳の女性は震災当日にヘリで救助された後、避難所で体調を崩し、病院に運ばれたが、4月に入って死亡したという。
同町の審査会では、因果関係の判断がつかず「継続審査」となったケースや、因果関係が見つからず、申請取り下げとなったケースもあったという。同町担当者は「遺族には『震災さえなければ、こんなことにならなかった』いう心情もある。審査が困難なケースも多い」と話す。
(2011年10月8日 読売新聞)
宮城県と仙台市は7日、震災後に持病が悪化したり、ストレスや疲労がたまったりして死亡した「震災関連死」の認定を行う審査会を設置する方針を明らかにした。
関連死と認定されると、災害弔慰金250万~500万円が遺族に支給される。審査会が出来ることで、阪神大震災などで震災との因果関係を証明する難しさが問題になった関連死の審査が本格化する見通しだ。
県の審査会は、県内10市町から対象者の審査を受託する。今月下旬に設置し、来月から審査を始める。県震災援護室によると、南三陸町や利府町などが県に審査を委託する意向を示している。既に41件が審査待ちだという。
一方、仙台市は月内に「判定委員会」を設置し、開催する。同市は県には委託せず、独自に関連死を審査する。石巻市や気仙沼市など12市町も独自に審査会を設置する意向だ。また、すでに名取市、亘理町、柴田町、女川町の4市町(9月1日現在)では独自の審査、認定が始まっている。
県の審査会は、医師2人、弁護士、障害者団体代表、県保健福祉部長の5人で構成。実際の審査は11月初旬に始める見通しだ。同室によると、中越地震など過去の震災では〈1〉病院の機能停止で、初期治療ができなかった〈2〉避難所生活のストレスで体調を崩した――などで死亡したケースも関連死と認定されたという。
仙台市の委員会は、医師3人、弁護士1人、大学教授1人の5人で構成する。同市には6日現在、関連死に関する申請が152件寄せられている。委員会は月に2回程度開かれ、1回で約20件審査できる見込みだ。
7月から審査会を2度開催している亘理町では21件を審査し、約半数の10件を関連死と認定した。このうち、83歳の女性は震災当日にヘリで救助された後、避難所で体調を崩し、病院に運ばれたが、4月に入って死亡したという。
同町の審査会では、因果関係の判断がつかず「継続審査」となったケースや、因果関係が見つからず、申請取り下げとなったケースもあったという。同町担当者は「遺族には『震災さえなければ、こんなことにならなかった』いう心情もある。審査が困難なケースも多い」と話す。
(2011年10月8日 読売新聞)