仙台市若林区かすみ町の防災士菊池健一さん(59)が、地元の七郷地区の町内会に車いすを配備する活動に取り組んでいる。災害時に狭い場所を通れる車いすの利点を生かし、高齢者や障害者ら要援護者の避難に役立ててもらう。東日本大震災では多くの要援護者が犠牲になっており、菊池さんは「悲劇を防ぎたい」と訴え、支援を呼び掛けている。
取り組みの第1弾として4月22日、かすみ町中部町内会に車いす1台を届けた。菊池さんの防災士仲間が役員を務める松山市の義足製作会社「オルツ本田」が趣旨に賛同し、贈呈した。
同町内会の吉田敏男会長(65)は「この地域は高齢化が進み、車いすは役に立つ。集会所に置いて防災訓練で使いたい」と感謝の言葉を述べた。
菊池さんは元自衛隊員。2007年春の退官と同時に防災士の活動を始め、市内の町内会や企業向けに講話を行っている。震災では自宅が半壊し、地元の蒲町小で避難所の運営に携わった。民生委員も務める。
震災時、家族や介護施設職員らの車で避難しようとした要援護者の中には、道路が渋滞したため車に乗ったまま津波に流され、犠牲になる人が多くいた。
「車いすなら狭い道を通れるし、道路が混んでも素早く避難できる。各町内会が数台ずつ備えておけば便利だ」と思い立った菊池さん。昨年9月、インターネットの交流サイト「フェイスブック」や講話を通じ、協力の呼び掛けを始めた。
これまでにオルツ本田のほか、熊本市の健康食品販売会社、東北福祉大(仙台市)や神戸学院大(神戸市)などによる「社会貢献学会」が支援を申し出ているという。
七郷地区には約20の町内会があり、菊池さんは「全町内会が車いすを備えるまで活動を続けたい」と話している。連絡先は菊池さん022(286)3824。
車いすを贈られたかすみ町中部町内会の吉田会長(左)と菊池さん
河北新報 - 2012年05月28日月曜日
取り組みの第1弾として4月22日、かすみ町中部町内会に車いす1台を届けた。菊池さんの防災士仲間が役員を務める松山市の義足製作会社「オルツ本田」が趣旨に賛同し、贈呈した。
同町内会の吉田敏男会長(65)は「この地域は高齢化が進み、車いすは役に立つ。集会所に置いて防災訓練で使いたい」と感謝の言葉を述べた。
菊池さんは元自衛隊員。2007年春の退官と同時に防災士の活動を始め、市内の町内会や企業向けに講話を行っている。震災では自宅が半壊し、地元の蒲町小で避難所の運営に携わった。民生委員も務める。
震災時、家族や介護施設職員らの車で避難しようとした要援護者の中には、道路が渋滞したため車に乗ったまま津波に流され、犠牲になる人が多くいた。
「車いすなら狭い道を通れるし、道路が混んでも素早く避難できる。各町内会が数台ずつ備えておけば便利だ」と思い立った菊池さん。昨年9月、インターネットの交流サイト「フェイスブック」や講話を通じ、協力の呼び掛けを始めた。
これまでにオルツ本田のほか、熊本市の健康食品販売会社、東北福祉大(仙台市)や神戸学院大(神戸市)などによる「社会貢献学会」が支援を申し出ているという。
七郷地区には約20の町内会があり、菊池さんは「全町内会が車いすを備えるまで活動を続けたい」と話している。連絡先は菊池さん022(286)3824。
車いすを贈られたかすみ町中部町内会の吉田会長(左)と菊池さん
河北新報 - 2012年05月28日月曜日