岡山県内の視覚障害者と伴走者でつくるランニングクラブ「ももたろうパートナーズ」の活動の輪が広がっている。2006年に3人でスタートし、現在は約50人にまで増加。大会にも出場し、フルマラソンのホノルルマラソン(米・ハワイ)を完走したメンバーもいるなど、ランニングを通じて視覚障害者が多くの人と出会い、社会参加を広げる場にもなってい
視覚障害者がランニングを楽しむ場合、安全面で大きな不安がつきまとう。その解消を担うのが併走者だ。2人をつなぐのは輪になったロープ。これを握ることで一心同体となり、伴走者はランナーが違和感なく走れるよう息を合わせる一方、カーブや危険物があれば声を掛けるなど、安全に配慮しながらゴールへ導く。
「ももたろうパートナーズ」は京都市のランニングクラブで視覚障害者のサポートを続けていた主婦の貝畑和子さん(59)=倉敷市倉敷ハイツ=が、知人から「岡山にも運動できる場をつくってほしい」と相談を受けたのを機に設立した。
メンバーは駅伝大会に参加したり、岡山市で開かれる「百間川ふれあい健康マラソン」や「山陽女子ロードレース大会」などに出場。11年にはホノルルマラソンに3人が挑戦し、全員完走するまでになった。
貝畑さんは、一層の安全のためにも2人が障害者ランナーをサポートし、伴走と指示を分担できる練習環境が理想といい、「視覚障害者が社会への一歩を踏み出し、出会いを楽しめる場にしたい。ぜひ協力を」と話す。問い合わせは、メール(bansou@corredor.jp)。
ランニング前に全員で体操やストレッチをするももたろうパートナーズのメンバーら
山陽新聞-(2013/1/3 15:00)