山梨県の障害者雇用支援運動期間が今月スタートし、県などは2日、甲府市のJR甲府駅前で「障害者雇用啓発キャンペーン」を行った。
障害者に対する理解を求め、雇用の場を増やそうと、県産業人材課職員や障害者団体の職員など12人が、通勤客らに啓発用のポケットティッシュ700個を配った。
山梨労働局によると、従業員に占める障害者の割合を表す「法定雇用率」は今年4月、民間企業が1・8%から2・0%に、官公庁が2・1%から2・3%に引き上げられた。だが、同局によると、昨年6月時点の県内の企業の障害者雇用率は1・69%、官公庁は1・93%で、法定雇用率まで届いていないのが現状だ。
県産業人材課の担当者は「障害を持っていると仕事ができないと思っている人はまだ多い」と指摘。事故で下半身不随になった県身体障害者連合福祉会の石合千年(ちとし)会長(77)は「障害者雇用に理解のある企業が少しでも増えてほしい。一方で障害者自身も、特技を身につける必要がある」と話している。
◇
転落事故が原因で車いす生活を送る笛吹市境川町三椚の久保田一武さん(39)は今年4月、価格比較サイト大手の「カカクコム」に正式採用された。自宅のパソコンで週5日、自社と顧客のホームページなどをチェックしている。「移動が困難なので、在宅勤務は助かる。パソコンは最初、戸惑ったが、今ではお客さんに喜んでもらえることにやりがいを感じる」と話す。
久保田さんは造園会社に勤めていた3年前、高さ20メートルののり面で除草作業を行っていた時に命綱が切れて転落。背骨を折る大けがで下半身不随となった。
元の職場へ復帰したかったが、車いすでは難しかった。しかし、特段の知識や技術もない。何か技術を身につけないとどこにも雇ってもらえないと考え、必死でパソコンを覚えたという。
久保田さんは「給料をもらった時は『自分もまだ働けるんだ』と思って、うれしかった。障害者も働ける場を多く作ってほしい」と訴えている。
(2013年9月3日 読売新聞)
障害者に対する理解を求め、雇用の場を増やそうと、県産業人材課職員や障害者団体の職員など12人が、通勤客らに啓発用のポケットティッシュ700個を配った。
山梨労働局によると、従業員に占める障害者の割合を表す「法定雇用率」は今年4月、民間企業が1・8%から2・0%に、官公庁が2・1%から2・3%に引き上げられた。だが、同局によると、昨年6月時点の県内の企業の障害者雇用率は1・69%、官公庁は1・93%で、法定雇用率まで届いていないのが現状だ。
県産業人材課の担当者は「障害を持っていると仕事ができないと思っている人はまだ多い」と指摘。事故で下半身不随になった県身体障害者連合福祉会の石合千年(ちとし)会長(77)は「障害者雇用に理解のある企業が少しでも増えてほしい。一方で障害者自身も、特技を身につける必要がある」と話している。
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転落事故が原因で車いす生活を送る笛吹市境川町三椚の久保田一武さん(39)は今年4月、価格比較サイト大手の「カカクコム」に正式採用された。自宅のパソコンで週5日、自社と顧客のホームページなどをチェックしている。「移動が困難なので、在宅勤務は助かる。パソコンは最初、戸惑ったが、今ではお客さんに喜んでもらえることにやりがいを感じる」と話す。
久保田さんは造園会社に勤めていた3年前、高さ20メートルののり面で除草作業を行っていた時に命綱が切れて転落。背骨を折る大けがで下半身不随となった。
元の職場へ復帰したかったが、車いすでは難しかった。しかし、特段の知識や技術もない。何か技術を身につけないとどこにも雇ってもらえないと考え、必死でパソコンを覚えたという。
久保田さんは「給料をもらった時は『自分もまだ働けるんだ』と思って、うれしかった。障害者も働ける場を多く作ってほしい」と訴えている。
(2013年9月3日 読売新聞)