高松市番町の香川県社会福祉総合センター2階で7月にオープンした喫茶店「cafeはばたき」が好評だ。
接客にあたるのは知的障害者3人。障害者が働く機会を広げるため、空いていたスペースを県が無料で提供した。ランチタイムには満席となる日もあり、スタッフは利用客とのふれあいにやりがいを感じている。
はばたきは、社会福祉法人「香川県手をつなぐ育成会」(高松市)が運営。店名には「店での就労体験をステップに、地域で大きく羽ばたいてほしい」との思いがこめられている。
働いているのは、リーダーの安部由美さん(44)と宮武裕一郎さん(42)、川北洋子さん(25)。これまでは就労支援事業所で主に部品の組み立てなどをしており、接客は未知の仕事だった。開店前に1か月間、おしぼりやコップの置き方、注文の取り方などを一から練習したという。
店では次々に来る客に応対し、調理場でプロの料理人が作ったランチをお盆へ載せて運ぶ。客へのアンケートでは「きびきびした動作で気持ちがいい」「仕事をする姿を見て『私もがんばらないと』と思った」などの感想が寄せられている。
2か月がたち、川北さんは「みんなと一緒に働けてうれしい。給料も少し増えた」と手応えを感じている様子。安部さんは「あいさつの声が大きすぎてびっくりされたこともあるけど、お客さんの笑顔を見るのが楽しみ」と語る。
店長の仲西スエ子さん(65)は「まだ気疲れするときもあるようだが、仕事で得られる心地よい達成感を味わい、就職につなげてほしい」と見守る。3人が元気に働く姿は、障害のある子どもを持つ親の希望にもなっているという。
県によると、県内には80以上の就労支援施設があるが、障害者の自立に向けて仕事の幅を広げ、賃金アップを実現するのが課題だ。このため、事業所が共同で仕事を受注する窓口を2011年10月に開設。菓子やオリジナルデザインのバッグを共同生産する取り組みも進めている。「はばたき」もその一環。県有施設を就労支援の場に無料で貸すのは初めてという。
はばたきは平日のみの営業で、午前10時~午後3時。人気の日替わりランチは肉と魚の2種類あり、各600円。
(2013年9月17日 読売新聞)
接客にあたるのは知的障害者3人。障害者が働く機会を広げるため、空いていたスペースを県が無料で提供した。ランチタイムには満席となる日もあり、スタッフは利用客とのふれあいにやりがいを感じている。
はばたきは、社会福祉法人「香川県手をつなぐ育成会」(高松市)が運営。店名には「店での就労体験をステップに、地域で大きく羽ばたいてほしい」との思いがこめられている。
働いているのは、リーダーの安部由美さん(44)と宮武裕一郎さん(42)、川北洋子さん(25)。これまでは就労支援事業所で主に部品の組み立てなどをしており、接客は未知の仕事だった。開店前に1か月間、おしぼりやコップの置き方、注文の取り方などを一から練習したという。
店では次々に来る客に応対し、調理場でプロの料理人が作ったランチをお盆へ載せて運ぶ。客へのアンケートでは「きびきびした動作で気持ちがいい」「仕事をする姿を見て『私もがんばらないと』と思った」などの感想が寄せられている。
2か月がたち、川北さんは「みんなと一緒に働けてうれしい。給料も少し増えた」と手応えを感じている様子。安部さんは「あいさつの声が大きすぎてびっくりされたこともあるけど、お客さんの笑顔を見るのが楽しみ」と語る。
店長の仲西スエ子さん(65)は「まだ気疲れするときもあるようだが、仕事で得られる心地よい達成感を味わい、就職につなげてほしい」と見守る。3人が元気に働く姿は、障害のある子どもを持つ親の希望にもなっているという。
県によると、県内には80以上の就労支援施設があるが、障害者の自立に向けて仕事の幅を広げ、賃金アップを実現するのが課題だ。このため、事業所が共同で仕事を受注する窓口を2011年10月に開設。菓子やオリジナルデザインのバッグを共同生産する取り組みも進めている。「はばたき」もその一環。県有施設を就労支援の場に無料で貸すのは初めてという。
はばたきは平日のみの営業で、午前10時~午後3時。人気の日替わりランチは肉と魚の2種類あり、各600円。
(2013年9月17日 読売新聞)