福知山市岡ノ三町の隣接する市の遊休2施設を借り受けて、NPO法人人権の会しあわせネットワークは、障害者が働くバイキング(ビュッフェ)レストランと土産品直売所「四季の味 勇気」を15日にオープンさせる。8、9両日に試食会を開き、訪れた100人以上を豊富なメニューで喜ばせた。
2施設は、レストランで使う旧「おかの里」と、直売所で使う旧「岡ノ三こども会館」。福知山城下の集客施設ゆらのガーデンから南に約100メートル、線路高架下を過ぎて左手にある。近年は使われておらず、市が福祉施設として活用する方針を打ち出し、しあわせネットワークの事業提案が採択された。約500万円で厨房整備など内部を改装した。
メニューは、目玉品のおからハンバーグとサバの煮つけのほか、酢豚、唐揚げなどの肉類、カレーライス、ちらしずし、季節の食材を生かしたサラダや煮物、フルーツ寒天やケーキのデザートなどで30品以上を並べる。できるだけ地元の食材を使ってヘルシーメニューを中心にしたいという。
栄養士を中心に職員4人、障害者3人態勢で切り盛りする。味は何度も改良を重ね、お辞儀やあいさつの接客研修も2カ月間みっちりとやってきた。
試食会には多くの人が訪れて「(品目が)たくさんあって迷う」「どれもおいしい」と声を弾ませた。8日に約50人から取ったアンケートでは8割以上が満足と答え、手ごたえを感じている。
営業はランチタイムのみで、一日の来客目標は50人。非雇用型のB型事業所からのスタートだが、ゆくゆくは企業性が高く、最低賃金を保障するA型事業所にして、障害者がより元気に働ける場所を目指す。
山口正孝理事長は「利用者(障害者)の考え方が前向きになってきているのがわかります。店の名前もみんなでアイデアを出し合って考えました。良いスタートが切れそうです」と力を込めた。
■土産品直売所は「ゆらのガーデン」と相乗効果を狙う■
レストラン横の土産品・新鮮野菜直売所は、ゆらのガーデンに土産店がないことを補う形で観光ポイントとしてのつながりをつくり、市外からの観光客を引き込む相乗効果を狙う。
福知山の特産品を取りそろえ、しあわせネットワークでつくる小豆、やくの高原市生産者の野菜も並べる。
■15日に記念式典■
15日は市、府などの来賓を招き、午前10時から「四季の味 勇気」オープン式典を開いたあと、11時に開店する。
営業時間は、レストランが午前11時から午後2時まで、直売所が午後4時まで。いずれも水曜日休み。レストランはフリードリンク付きで1人1050円。子どもや高齢者は割引料金を設定する。
写真=レストランと同時オープンさせる直売所
両丹日日新聞2013年11月 9日のニュース