佐賀市が職員採用試験に合格した身体障害者の男性(20歳代)を最終的に不採用にした問題で、秀島敏行市長は「反省すべき点はある」として採用方法の見直しを検討する考えを示した。
佐賀市は昨年12月、身体障害者枠の正職員として男性に合格を通知したが、4月から非常勤職員として2か月間雇用したうえで、「業務が遂行できない」として採用を見送った。
佐賀市が職員採用試験に合格した身体障害者の男性(20歳代)を最終的に不採用にした問題で、秀島敏行市長は「反省すべき点はある」として採用方法の見直しを検討する考えを示した。
佐賀市は昨年12月、身体障害者枠の正職員として男性に合格を通知したが、4月から非常勤職員として2か月間雇用したうえで、「業務が遂行できない」として採用を見送った。
◇大津の作業所メンバーが上演 ありのまま全身で表現
「やれることは少ないけど、誇り持って生きてるねん!」――。障害者の等身大の思いを舞台で表現している劇団が大津市大萱にある。作業所「まちかどプロジェクト」の約20人でつくる「まちプロ一座」だ。恋や一人暮らし、健常者とのトラブルといったメンバー自身の悩みが題材。人権や福祉のあり方などの本質的な問いを、コミカルな演劇で投げかけている。9月は、障害者雇用支援月間。(生田ちひろ)
まちかどプロジェクトは、社会福祉法人「共生シンフォニー」が2000年に設立。生活や就労の支援、障害者に対する理解の啓発などに取り組んでいる。
劇団は、3歳で日本脳炎にかかって左半身がまひしている太田好信さん(64)が01年に約10人で旗揚げした。利用者らが悩みを打ち明け合い、印象的な話をメンバーやスタッフが脚本にしている。「障害者が何かするからすごいのではなく、ありのままの自分たちを見てほしい」と、全身で表現できる演劇にたどり着いた。県内外の学校、自治体の研修などで上演している。
テーマは、一人暮らしをしたい主人公と施設に入れたい兄との葛藤、同級生への恋心、障害のある者同士の結婚のドタバタなどで、演目は約20まで増え、年に数回上演している。
ハッピーエンドを基調にしつつ、リアルな掛け合いが多くの笑いを誘う。演じる方法も様々で、発話ができなければ字幕を掲げる。身ぶりで感情を十分に表現できない場合は、電動車いすを回転させたり、動きに緩急をつけたりして表す。
18日に甲良町で演じるのは、電動車いすに乗った女子高生の探偵が、障害者と周囲のいざこざを解決する短編連作「バリアフリー探偵―レン―」だ。
ある一幕では、電動車いすの女性が、通りすがりの男性2人にお金を手渡され、「哀れみが悔しかった」と探偵のレンに相談する。男性たちが「自由に動けず、仕事もできない」「どう見てもかわいそう」と言い、女性が「働く場は少ないけど、働いてる」「酒も飲むし恋もする。楽しいことも多い。かわいそうとちゃうわ!」と叫び返すうちに、理解と共感が生まれる、という次第だ。
主演の橋本あささんは筋肉が衰えていく難病「筋ジストロフィー」を抱える。「舞台ではみんな輝いている。私も自分の思いを表現でき、何より演じていて楽しい」と稽古に励んでいる。作業所のスタッフ、河原林龍二さんも「セリフは包み隠さない本音だから面白く、気づかされることが多いはず」と来場を呼びかけている。
18日は午後7時半、甲良町在士の町公民館で開演。無料。問い合わせはまちかどプロジェクト(077・543・2844)。
障害者の就職に追い風が吹いている。
障害者の法定雇用率が昨年4月1・8%から2・0%に引き上げられたことに加え、景気回復に伴う人手不足も理由だ。人材紹介大手は専門部署も設立した。専門家は、景気にかかわらず安定的な雇用が求められると指摘する。
住宅設備大手「LIXIL(リクシル)」(東京)は今年7月、障害者が働く場「WING NIJI」を開設した。身体、知的、精神障害者の社員29人が名刺作成や書類の電子データ化などを担当している。多くは正社員だ。
聴覚障害者の袴田容代(やすよ)さんは「作業スペースも広く、仕事がしやすくなった」と笑顔を見せる。
同社障がい者雇用促進グループの川本慎一・グループリーダーは「今後の人材獲得でもセールスポイントになる施設」と胸を張る。
深刻な人手不足の飲食業界で、うどん店「つるとんたん」をチェーン展開する「カトープレジャーグループ」(東京)は、障害者を積極的に採用し、現在37人が働いている。人事を担当する松下大輔部長は「求人広告を出しても、人手不足で問い合わせが3分の1に減った」と採用増の理由を話す。
障害者雇用促進法で義務づけられた障害者の法定雇用率の引き上げも、雇用を底上げしている。厚生労働省の調査によると、民間企業の従業員に占める障害者の割合(2013年6月1日現在)は過去最高の1・76%。特に精神障害者については、18年度に雇用が義務化されることを見越して前年比で33・8%増えた。
マンション管理などの「日本ハウズイング」(東京)の障害者雇用率は6月1日現在で2・35%(149人)。桜井善文・人事グループ課長は「障害者も重要な戦力」と指摘する。
香川県内の障害者が体力や技術を競う「県障害者スポーツ大会」(同大会実行委主催)が13日、香川県丸亀市金倉町の県立丸亀競技場であり、「君の夢 はばたけ未来」のスローガンのもと、2020年の東京パラリンピックを目指す選手から89歳の高齢者まで約800人が、持てる力を存分に発揮して熱い戦いを繰り広げた。
大会は、障害者がスポーツ競技を通じて心身両面の力を伸ばすとともに、自立と社会参加を促進しようと2000年から毎年開催し、今年で15回目。開会式では県盲学校の和木茉奈海さん(15)と障害福祉サービス事業所「あゆみ園」の植野春由さん(42)が、「日ごろ鍛えた力と技を十分に発揮して競技することを誓います」と力強く宣誓した。
選手たちは、50メートル走や400メートルリレーをはじめ、車いすで障害物をよけながら速さを競う「スラローム」、プラスチック製の円盤を投げて飛距離などを競う「フライングディスク」など計17種目で熱戦を展開。50メートル走などには盲学校の生徒たちも出場。先導者の声や音を頼りにゴールを目指す力いっぱいの走りに、スタンドからは盛んな声援が送られた。
大会は、地元の中学生やボーイスカウト、ガールスカウトなど約400人がボランティアとしてサポート。県内の養護学校や支援学級の子どもらでつくるよさこいグループ「でけでけ隊」や地元中学生のよさこい連「京極発幸舞連」のステージもあり、会場を盛り上げた。
力いっぱいの走りをみせる選手たち=香川県丸亀市金倉町、県立丸亀競技場
2014/09/14 09:31 四国新聞
豊岡市で11月に開幕する「第3回世界身体障害者野球大会」(日本身体障害者野球連盟主催)に出場する日本代表チームの結団式が13日、神戸市北区のしあわせの村であった。JAPANのユニホームに袖を通したメンバーは「3連覇を目指す」と意気込んだ。 4年ごとに開かれる大会は「もうひとつのWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」と呼ばれ、県立但馬ドーム(豊岡市)では初めての開催となる。日本、米国、韓国、台湾、プエルトリコの5カ国・地域が世界一を争う。
日本代表チームは、全国の強豪から選出された10〜40代の20人。身体障害者野球の草分け、「神戸コスモス」(神戸市)所属の選手が中心で若さと守備力が重視された。
結団式で、佐々木良樹主将(36)=伊丹市=は「歴代最高のチームを作ろう」とあいさつ。岩崎廣司監督(64)からユニホームを受け取った選手たちは、誇らしげな表情を見せていた。神戸コスモスから初代表入りの宮上親康(ちかやす)さん(46)=明石市=は「子供や孫に自慢できるよう、若手と一緒に新鮮な気持ちで世界一を目指したい」と抱負を語った。チームは2回の県内合宿で連携を深め、11月1、2両日の大会に臨む。
毎日新聞 2014年09月14日 地方版