カフェを拠点に、障害越えた地域交流を―。今年5月、弘前市安原3丁目にオープンした「コミュニティカフェらみぃ」は、障害者2人とその家族たちがスタッフを務めるカフェだ。自閉症を抱える2人は接客や一部のメニューの調理を担当し、来店客をもてなしている。家族の「地域の中で子どもに働く場所、集まる場所を作ってあげたい」との強い思いから始まったカフェ。今後は、店を拠点にした地域のサークル活動などを考えており、店名の通り、地域の人と人をつなぐ“コミュニティカフェ”を目指し、地道に努力を重ねている。
白と茶色を基調としたアットホームな店内に入ると「いらっしゃいませ!」と元気よく出迎えてくれるのは、自閉症を抱える齋藤雄太さん(21)。人と接することが好きで、人の名前は一度覚えたら忘れないという特技の持ち主だ。もう1人の齊藤剛志さん(22)は調理が得意な“職人気質”。まかない料理も剛志さんが作っており、その味はスタッフたちも太鼓判を押している。
オープンから約4カ月。初めは不慣れな接客だったが、最近では自分から来店客に水のお代わりを聞いたりと、スタッフが指示する前に自主的に来店客に関わっていくように。
スタッフの北川由美子さんは「何もできないのではなく、何かできる。働く場所があることで(障害者自ら)学ぶことができることを自分も学んだし、周りの人たちにも分かってほしい」と話す。
カフェの場所は弘前市安原3の2の17で、営業時間は午前10時~午後4時。定休日は日曜、月曜、祝日。
2014/9/21 日曜日 陸奥新報