衆議院議員総選挙投票日だ。先日は少子化対策・家族政策としての配偶者控除についての公約を見てみたが、今回は「グローバル人材育成」についての公約を詳しく確認し、総選挙後、同政策がどのように展開されていくかを占ってみたい。
というのも、与党自民党の公約政策集J-ファイル2014と、最大野党民主党の公約政策集2014を読み比べると、明らかに自民党は他党よりも、グローバル人材育成や留学推進、英語教育の強化に力を入れていくことを掲げているからだ。
「成長戦略に資するグローバル人材の育成」という項目で、
「成長戦略の実現のためには、世界で活躍できる人材の育成が急務です。実用的な英語教育やイノベーションを生む理数教育、ICTの積極的な活用などグローバル人材育成に資する教育を抜本的に拡充するため、『グローバル人材育成推進法(仮称)』を制定し、集中投資を行います。」
と謳い、以下の多数の施策が挙げられている。
・教師の資質向上
・留学支援
・小学校の英語教育早期化
・中学校での英語による英語授業
・高校での発表、討論の充実
・JETプログラム(ネイティヴ青年の英語補助教師としての招聘)の充実
・スーパーグローバルハイスクール充実
・日本の伝統、歴史、文化教育の充実
・大学入試におけるTOEFL等の活用
・国際バカロレア認定校の増加
・スーパーグローバル大学の重点支援
また、これとは別に『「留学生30万人計画」と学生・研究者の国際交流の積極的推進』という項目も掲げ、日本の大学への留学生30万人の受け入れと、官民協力した留学支援制度を運用することで日本人の海外留学を2020年まで倍増すると公約している。
一方、民主党の政策集には
「グローバル人材と高度技能人材の育成には、産官学の連携の強化を図ります。」
と書かれているのみで、留学や英語教育に関する具体的な政策については触れられていない。
選挙の結果はまだ分からないが、各メデイアの予測通り自公が大勝ちすれば、グローバル人材育成政策や英語教育は強化される方向に進むだろう。個人的には、「スーパーグローバル」の呼称をどうにかしてほしいといった詳細点で思うところはあるが、この大きな方向性は間違っていないと考えている。むしろ、またまだ生ぬるいくらいなので、特に大学生や官僚などには徹底的にやってもらいたい。
私自身も、勤め先で「日本財団国際フェローシップ」を立ち上げ、研究者や実務家、行政官などのミッドキャリア人材を海外の教育・研究機関、シンクタンクに派遣するプログラムを運営して3年になった。今回その最初のフェローたちが帰国したのを機に12月19日、日本財団で帰国報告会を開催する。宣伝になるが、以下案内を掲載するので、関心のある方にはぜひお越しいただきたい。