ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

「2役」で人生に輝き 障害者介助者・プロレスラー 内藤 メアリさん

2014年12月23日 02時19分59秒 | 障害者の自立

 蕨市の住宅街にある女子プロレス団体「アイスリボン」道場のリング。真っ赤な髪を振り乱して、内藤メアリ選手(40)が相手の胸元に強烈なチョップを繰り出す。歓声が上がった満員の客席には障害者支援団体「虹の会」(さいたま市桜区)の障害者らの姿もある。内藤選手は、同会職員として働く兼業レスラーだ。

 子どものときは運動が苦手で、高校時代は吹奏楽部。「プロレスにもまったく興味がなかった」。障害児教育の現場に立ちたいと埼玉大教育学部に入学し、虹の会でボランティアを始めた。卒業後はそのまま会の職員に。親元を離れて一人暮らしする障害者の生活介助と、障害者の働く場として運営するリサイクル店「にじ屋」の店番などが主な仕事だ。

 数年後、同僚職員の勧めで初めて女子プロレスの試合を見た。その後も観戦を重ねるうちに「すごい迫力。一生懸命戦う選手の姿に感動した」とプロレスにのめり込んだ。

一方、虹の会で働く障害者と運動不足の解消のためにジョギングを始めた。少しずつ体を鍛え始め、二〇一〇年一月、アイスリボンの週一回のプロレス教室に入門した。

 最初は「リングの上で体を動かせるのがうれしい」だけだったが、半年もするとデビューを勧められた。「技も少ないけど、後悔したくない」。一一年二月、三十六歳でデビュー戦のリングに上がった。「ライトを浴び、客席からは『頑張ってね』と優しい応援が聞こえた。気持ち良かった」。以来、週一回のペースで試合に出場している。

 選手になって再発見したのは「リングで輝くのは強い人だけじゃない」というプロレスの魅力。新人や負傷した選手でも、それに適した役割や物語があり、十分に試合を盛り上げることができる。一見、障害者支援と無関係なプロレスだが「私の中ではつながっている」と言い切る。

 プロレスには「暴力的なショー」、障害者には「親に世話されて生きるのが当然」との偏見がある。「でも、地域で一人で暮らしている障害者はいる。何でも世話をされるのも、本人の立場になればわずらわしい面だってある」

 兼業レスラーは「障害者もプロレスも楽しくて奥深い。それを分かってもらえたら、きっと世の中が変わる」との思いで続けてきた。だが、両方に十分な時間を割けないもどかしさもあり、年内での引退を決めた。「きちんとやり切って、納得できる終わり方をしたかったから」。大みそかの最後のリングでも、暴れ回るつもりだ。 (谷岡聖史)

 <ないとう・めあり> 春日部市出身。本名・内藤亜希子。リサイクル商品の提供の問い合わせはにじ屋=電048(855)8438=へ。

生活介助者(有給)の応募は虹の会本部=電048(851)7558=へ。31日の引退試合のチケットは完売したが、28日の後楽園ホール(東京都文京区)の大会にも出場する。

正午開始。問い合わせはアイスリボン=電048(452)8895=へ。

2014年12月22日    東京新聞

 


書や工芸品どれも力強く 県障害者作品展

2014年12月23日 02時13分19秒 | 障害者の自立

 県内の障害者の芸術作品を紹介する「佐賀県障害者作品展」が、佐賀市の県立博物館で開かれている。ハンディを乗り越えて創作した手芸や工芸品など6部門約420点を展示している。来年1月12日まで。入場無料。

 会場には、書や絵画といった本格的な芸術作品のほか、木の葉を使いウサギをデザインした衣料や、ひょうたんを材料にしたオブジェなど現代的なアートも並ぶ。知事賞に輝いた鳥栖市の柴里嶽美さんの絵画「秋色の根子岳」には、「紅葉の木々がうまく調和され、静かで清明な秋の空気感が表現されている」と画家の山田直行さんが審査講評を寄せている。

 作品を鑑賞した佐賀市の主婦(50)は「ハンディを感じさせない、力強い作品ばかり」と感心した様子で、作品一つ一つに見入っていた。

ハンディを乗り越えた力作が集まった「県障害者作品展」=佐賀市の県立博物館

2014年12月22日     佐賀新聞


障害持つ人へ応援のラン、防府読売マラソン

2014年12月23日 02時07分49秒 | 障害者の自立

 山口県防府市で21日に開かれた第45回防府読売マラソン大会では、障害を持つランナーらも出場し、自己ベストを更新する力走を見せた。聴覚障害者の黒川大樹さん(25)(大阪府東大阪市)は、走る喜びをかみしめながら完走。視覚障害者の道下美里さん(福岡県太宰府市)も、支えてくれた人々への感謝を胸にゴールした。

 ◆黒川さん「限界決めない」

 「苦しくなった時、応援の太鼓の振動を感じた。力をもらえた」。昨年に続いて2回目の出場で、自己記録を7分以上更新する3時間7分26秒(速報タイム)でゴールした黒川さんは、外していた補聴器を耳に付け、ほっとしたような表情で語った。

 黒川さんは幼少時に「感音性難聴」になり、聴覚障害で最も重い2級(両耳全ろう)の手帳を持つ。小学3年の時には、両足に力が入らず立てなくなり、筋肉が壊死えしして血中に溶け出す「横紋筋融解症」と診断された。運動は制限され、体育の授業も見学。「好きな運動ができない」。葛藤を抱え、多感な時期に悩む日々が続いた。

 中学2年で病が治り、徐々に運動の楽しさを思い出した。大学に入ってフルマラソンに挑戦。銀行員になってからも帰宅後などに時間を作り、練習を重ねた。「病気で不安を抱えている人に勇気を与えたい」。そんな思いを胸に走り続け、今回を含めて20の大会に出場、すべて完走してきた。

 次の目標は聴覚障害者の国際競技大会「デフリンピック」。「自分で自分の限界を決めてはいけない。今後も走り続け、2時間台を目指します」と力強く語った。

 ◆道下さん「最高に楽しい」

 山口県下関市出身で、視覚障害者のトップランナーの道下さんは、昨年の大会で出した自己記録を7分以上縮める2時間59分21秒(速報タイム)で快走し、初めて3時間を切った。

 沿道やランナーの「みっちゃん頑張れ!」という大声援を背に、3時間を切るために設定したペースを最後まで貫いた。「みんなが最後まで背中を押してくれた。最高に楽しかった」と喜びをかみしめた。

 4月のロンドンマラソンの視覚障害者部門で銀メダルを獲得したが、「3時間を切らなければ世界で勝てない」と痛感し、仲間と毎月300~400キロを走り込んできた。

 伴走者として道下さんを支えた堀内規生のりたかさん(34)と樋口敬洋さん(39)は「目標を達成するという気持ちの強さが原動力。本当に素晴らしい」と口をそろえる。

 今大会は来春開催される国際パラリンピック委員会の世界大会の選考も兼ねており、年明けにも出場が正式決定する。「世界の舞台で、もっと良い結果を残したい」。大きな自信をつけ、さらなる活躍を誓った。

2014年12月22日      読売新聞

“肥満は障害と見なせる”欧州裁の判決が物議 “本当の障害者に侮辱的”との批判も

2014年12月23日 02時03分42秒 | 障害者の自立

 欧州司法裁判所は、肥満を理由に解雇されたとする男性の訴えを検討し、肥満が「十分かつ効果的な就労」を妨げているなら、障害と見なされる、との判決を下した。

 男性の体重は約160kgで、保育士として15年間就労していたデンマークの地元自治体から肥満を理由に解雇され、雇用差別を受けたとして訴えていた。欧州司法裁判所は、肥満自体は障害ではないものの、身体的、感情的もしくは精神的問題をきたし就業能力に影響を与えるなら、障害と見なせると判断した(フィナンシャル・タイムズ紙(FT))。

 本判決はEU全体に適用されるが、肥満者を雇用する側である企業は戦々恐々としている。

◆特大サイズの椅子や駐車場の確保
 企業は、特別仕様の椅子や駐車場を確保するなどの調整を行い、言葉によるハラスメントから肥満者を保護する必要もある、とBBCは分析している。

 肥満者のための食事相談や、ジム年間費、在宅勤務などに巨額のコストがかかる可能性もある、とデイリー・メール(DM)は指摘している。体重を理由に従業員を解雇すれば雇用差別と見なされ、企業は多額の賠償金を要求される。

◆食べ過ぎで肥満になっても障害者扱い
 今回の判決で重要なのは、食べ過ぎで肥満になったとしても、障害者として認定されることだ、とDMは指摘している。FTも、「判決が強調しているのは、就業能力を阻んでいる医療事実であり、その原因が肥満であるかどうかは関係ない」と雇用問題専門の弁護士の意見を紹介している。

 自身も肥満であるジャーナリストのHelen Leahey氏は、ワシントン・ポストの寄稿記事の中で、BMIが40以上の病的肥満は、原因が何であれ障害であると述べている。不注意な行動で腰の骨を折った人が障害者として認定されることに誰も意義を唱えない。病的肥満の人も、同様の福祉を享受できるようにすべき、と同氏は主張している。

◆怠惰が障害に認定される?
 欧州裁判所の判決には、海外のネットユーザーからも大きな反響があった(FT、WP、DM)。

・欧州裁判所の判決は、本当の障害を持っている人にとって侮辱的だ
・愚かなことをして腰を痛めた人は自分の状況を変えることはできないが、病的肥満の人はできる
などの意見に多くの人が賛同していた。

 さらに、
・ジャンクフードを食べすぎました、お金ください
・次は怠惰が障害認定されるかも
といった皮肉にも多く共感が寄せられた。

 食事療法や運動で改善できる肥満を、回復の見込みがない他の障害と同列に扱うべきでない、というのが大半の意見のようである。

2014年12月22日    ニュースフィア


レアメタル再生で自立

2014年12月23日 01時59分58秒 | 障害者の自立

 ◇堺の「つつじ」など3施設

堺市美原区の障害者施設など府内の3施設が、不用になったパソコンなどを回収・解体し、レアメタル(希少金属)や貴金属を取り出すリサイクル事業を始める。障害者の自立と資源の再生に役立てる取り組みで、回収した希少金属などを24日、初めて出荷する。今後、回収・解体の輪を広げ、「基板ネットワーク」づくりを模索するとしている。(山崎茂)

 知的障害者の通所施設「ワークセンターつつじ」で、20~50歳代の利用者8人が企業や個人から集めたノートパソコンや小型家電などに向き合っていた。手袋とゴーグルを着け、ドライバーやペンチを使って内部の基板などを取り出し、金や銀の貴金属やパラジウムなどの希少金属が含まれた基板のほか、プラスチックや鉄などに分別した。

 作業は月曜から金曜で、1日4時間。個人情報などを含むハードディスクはデータを破壊するなど情報管理も徹底している。

 同施設の技術マネジャー、川田康弘さん(35)が2月、新潟市内の障害者施設で同様のリサイクル事業を見学したのがきっかけだった。「環境保護に役立つうえ、障害者の経済的自立につながるのでは」と考え、交流があった東大阪市の「アクティビティーセンターひびき きずり」と、松原市のNPO法人ユーカリ友の会「さんらいず松原」に協力を依頼。6月から企業や大学、病院を回り、パソコンなどの小型家電の寄付を募ってきた。

 不用になった小型家電は解体が面倒なため、使われている希少金属などが海外へ流れたり、不法に投棄されたりする問題が指摘されている。

 基板などの買い取りは重さ300キロからで、価格は1キロあたり700~800円が相場。3施設が共同で取り組むことで目標の300キロのめどが立ち、大阪市の資源リサイクル会社が買い取り、新たな製品に再生されるという。

 作業グループ班長の永原憲治さん(40)は「小さなネジを丁寧に取り除くのは難しいが、うまく解体できると楽しくなる」と話す。川田さんは「安定的に出荷するには回収や解体をするネットワークを築く必要がある。障害者の収入アップを目指したい」としている。

 問い合わせは、ワークセンターつつじ(072・369・7224)へ。

 ◆基板ネットワーク 全国に先駆けて新潟県内では、20か所以上の障害者施設が加盟する「同県基板ネットワーク」が昨年1月に発足。1施設で解体できる量には限界があり、少量では買い取ってくれない場合が多い。そのため、ネットワーク化し、まとまった量の基板を直接納入することで事業の発展を目指している。

2014年12月22日     読売新聞