国際障害者デーに合わせて国連本部では、自然災害のときに障害者をどう保護すべきかを考える会合が開かれ、目と耳が共に不自由で「多発性硬化症」という神経の難病のために全身も自由に動かせない日本人の女性が、大地震や津波から身を守る難しさを訴えました。
ニューヨークの国連本部では、国際障害者デーに当たる3日、各国の障害者やNGOの代表も参加して、自然災害のときに厳しい立場に置かれる障害者をいかに守っていくかについて協議する会合が開かれました。
来年3月には仙台で国連防災世界会議が開かれ、障害者の保護も重要なテーマとなることから、参加者からは国際社会の意識を一層高めていくべきだといった意見が出されました。
このうち、日本からは、世界盲ろう者連盟の事務局長を務める福田暁子さん(37)が参加して英語でスピーチを行い、「目も見えず耳も聞こえない状態で大地震や大津波が迫ってきたらいったいどうすればよいのでしょうか」と訴え、会場の共感を呼んでいました。
目と耳が共に不自由で「多発性硬化症」という神経の難病のため、全身も自由に動かせないという福田さんは、人工呼吸器をつけ、電動車いすを使って国連を訪れ、「世界にはたくさんの盲ろう者がいますが、自分で声を上げることができない人たちが多くいます。その人々の思いを少しでも伝えたい」と話していました。