ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

思うようにならない〝ウルトラマンポーズ〟…体動かし「不器用」克服し再犯防止 認知作業トレーニング

2014年12月29日 11時19分21秒 | 障害者の自立

 緑の刑務服を着た30~40人の男性たちが作業台に向かい、布団用の大型洗濯ばさみを黙々と組み立てていた。腰を浮かせて上体をかがませたり、腕を力ませて不自然に交差させたりしている姿もみられる。

 民間が運営に参加するPFI刑務所、播磨社会復帰促進センター(兵庫県加古川市)の「特化ユニット」。知的障害のある受刑者は、単純な刑務作業でもスムーズにこなせないことが多い。

 作業療法士で、精神科病棟での勤務経験がある民間スタッフの男性(38)は、このことが気になっていた。「不器用なまま社会に復帰して、本当に仕事ができるのか。適応できずに犯罪を繰り返してしまうのではないか」

 身体をうまく使うには、動かし方や力加減を覚え、どう動かすかを判断することが必要だ。スポーツと同じで、無意識にできる人もいれば、いくら教わってもできない人もいる。

 障害が犯罪の原因では決してない。が、不器用さが周囲の理解を妨げ、再犯を誘発する恐れはある。男性は国側の了承を得て、身体感覚を改善させる教育プログラム「認知作業トレーニング」を導入した。

ほめて伸ばす

 「あきらめないで」「ナーイス!」。刑務所内の体育館に、民間スタッフの明るい声が響く。

 先生役は、導入した作業療法士の男性。ウルトラマンのように、胸の前で腕をL字に構えている。受刑者8人はポーズをまねるよう指示されるが、左右の手が逆だったり傾いたりと、思い通りの形にならない。

 背中合わせで床に座った3~5人が、押しくらまんじゅうの要領で立ち上がる練習もある。リンゴの皮むきのように、新聞紙をどれだけ細長くちぎれるかという競争もある。90分間の授業中、先生役を補佐する臨床心理士の男性(30)が笑顔で、こまめに話しかけていた。

 「彼らは人生でほめられた経験が極端に少ない。障害者で犯罪者という二重苦を背負うからこそ、自信を持たせ、社会の一員としての自覚を促したい」。そんな願いが通じているのだろうか。受刑者たちの表情は明るく、失敗しても挑戦を繰り返していた。

犯罪避ける力

 認知作業トレーニングは、週1回の矯正指導日に行われている。刑務作業の代わりに、講義を受け、読書や自習などの課題が与えられる日だ。「改善指導」という刑罰の一環なのだが、社会復帰を目標にした自立支援という性質は、限りなく福祉に近い。

 プログラムはほかにもある。動物と触れ合って自尊心の回復につなげるアニマルセラピー。道化役を演じて自分自身の欠点をさらけ出すクラウニング。対人関係で直面する問題を想定した社会生活技能訓練(SST)。総数は5講座7種類にのぼるという。

 センターは、知能テストなどの調査結果から綿密な処遇計画を立て、障害の特性や健康状態を見極めながら、受刑者一人一人にメニューを組んでいる。

 なぜこうも手厚いのか。

 センターによると、特化ユニットの収容者は全員が初めての服役で、約4割は窃盗などの比較的軽い罪を繰り返してきた。「累犯障害者」として刑務所と社会を行き来させないために、自ら犯罪を回避できる力を養うという考え方なのだ。

 教育担当の山田浩平統括矯正処遇官(32)は言う。「犯罪の元になった問題を解決して、再犯防止につなげる。むやみに『反省しろ』と言うだけでは、彼らにとって意味がない」

2014.12.28 10:00       産経ニュース


視覚障がい者の雇用、就労を支援する連続講座を開催

2014年12月29日 11時15分24秒 | 障害者の自立
視覚障がい者の就労、仕事を支援

視覚障害者就労生涯学習支援センターは、視覚障がい者へのIT関連技能の浸透、向上と、生涯学習を通して社会や経済の変化に対応できるような共生のシステム作りを目的とした事業を行っている。

視覚障がい者雇用・就労支援講座を開催

同センターでは2015年2月に視覚障がい者雇用・就労支援連続講座を開催する。テーマは「職場で視覚障害者が能力を発揮するために 視覚障がいのロービジョンケアと就労準備」。

この連続講座は眼科医からのロービジョンケアと就労において必要な準備などの説明と、新人の視覚障がい社員、経験豊かな中途視覚障がい社員が置かれている就労の実情を意見交換し、企業で視覚障がい者がスムーズに仕事を行えるには何が必要なのか考えるもの。

当事者の技能発表やグループディスカッションなど

内容は2月16日(月)が当事者による技能発表。厚生労働省主任障害者雇用専門官の特別講演「障がい者雇用の現状と今後の動向」。視覚障がい者の雇用、就労事例についての意見交換、北九州市立総合療育センター眼科部長の講演「視覚障がい者のロービジョンケア」。

2月17日(火)は当事者による技能発表。高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発課長による特別講演「視覚障がい者を雇用する事業主への支援の制度」。その後、求職活動や新入社員の業務、継続就労、育児休暇からの復職などのテーマ別にグループディスカッションを行う。

時間は両日とも13時から17時まで。会場は東京体育館サブアリーナ第1会議室。定員は1日100名で参加費無料。参加希望者は1月31日(土)までに事前申し込みを。問い合わせは視覚障害者就労生涯学習支援センターまで。

2014年12月27日       障害者雇用インフォメーション


点字ブロックが危ない 浜松市に補修要望

2014年12月29日 11時08分43秒 | 障害者の自立

 JR浜松駅周辺の点字ブロックが擦り切れたり、一部剥がれたりし、全盲や弱視の人が歩きにくい状態になっている。浜松市の障害者団体は、補修が必要な箇所を実際に歩いて調べ、市に要望する活動を始めた。市はすでに一部を補修し、「できる限り対応したい」と話している。

 浜松市は、浜松駅の半径〇・五~一キロで、官公庁や福祉施設がある範囲を点字ブロックなどの「重点整備地区」に指定。駅から施設までの徒歩ルートを「特定経路」「準特定経路」とし、点字ブロックの設置を進めてきた。

 ただ、点字ブロックは設置から年月がたって老朽化したものもあり、地面に貼り付けるタイプは埋め込むタイプより剥がれやすい。駅周辺は人通りが多く、重い台車を引いたりすれば摩擦で擦り切れてしまう。

 市視覚障害者福祉協会の市川健悟代表(65)は、これまでも壊れた点字ブロックがあるとその都度、市に補修を要望してきた。「それでも歩きづらいと外出をためらう人がいる。一度しっかり調査する必要があると考えていた」と話す。

一部が剥がれたり、途切れたりしている点字ブロック=26日、浜松市中区鍛冶町で

 調査はことし十月に開始。全盲の市川代表とボランティアの健常者が二回に分けて、駅周辺の点字ブロックがある道を歩いた。ブロックは設置されていても擦り切れて分かりにくい所もあり、補修してほしい箇所を書きだして市に伝えた。来年一月に三回目を予定しており、駅周辺や市福祉交流センター、県西部障害者マルチメディア情報センターの入るザザシティ浜松への道など、会員がよく利用する範囲の調査を終えるという。

 市川代表は「点字ブロックが途切れていると、その先のブロックを見失って方向が分からなくなる。付き添いがあれば大丈夫だけど、一人で外出するときは点字ブロックが頼り。安心して歩けるようにしてほしい」と訴えている。

2014年12月28日       中日新聞


高校生作文コンテスト:「共に生きる社会」めざして 支える思い、胸に刻む

2014年12月29日 11時03分40秒 | 障害者の自立

 高校生が医療や福祉に関する体験などをつづる「第5回『共に生きる社会』めざして 高校生作文コンテスト」(国際医療福祉大学、毎日新聞社主催、文部科学省など後援)の表彰式が11月22日、栃木県大田原市の同大学キャンパスで開催された。最優秀賞の鈴木美紀(みのり)さん(宮城県仙台二華(にか)高校1年)らに、北島政樹学長から賞状などが贈られた。

  鈴木さんは受賞作「心のバリアフリー−−優しさの輪を広げたい−−」を朗読した。鈴木さんの兄は重度の自閉症児で、妹は発達障害児。鈴木さんは2人の存在を疎ましく思った。だが、大学の障害児兄弟支援サークルで、兄や妹、他の障害児らの生き生きした姿を見て、障害者への偏見や差別をなくす「心のバリアフリー」について考えるようになった。「二人が少しでも生きやすい世の中になるよう、社会に働きかけていくこと」を自覚し、障害者と関わっていくとした鈴木さんは「社会に彼らの笑顔をアピールしていくことで、優しさの輪を広げていきたい」と結んだ。会場には大きな拍手が響いた。

 式に先立ち、桃井眞里子副学長が「よい脳をつくる〜遺伝か環境か」と題して特別講演を行った。

 ◆講評

 ◇北島政樹・国際医療福祉大学学長

 今年で5回目を迎えた作文コンテストは、1689作品と昨年に比べて応募数も増え、高校生にその理念が定着したと言っても過言ではありません。この中で1次審査通過の30作品は審査の全基準を満たし、本年も甲乙つけ難い力作ばかりでした。特に最優秀、優秀作品では、自己の実体験から周囲の障害を持つ人々に対し「心のバリア」を排除し、素直にその人々を見つめ直すことにより、従来の拒絶反応ではなく、むしろ親愛と誇りにさえ思うようになったと述べています。感性豊かな高校生が周囲の諸環境にどのように順応していくのか、人間としての成長を垣間見た気がしました。

 さらにその他の作品においても、介護を通して、障害を持つ人々と自己の絆を鋭い洞察力により表現したり、病弱な家族との生活の中で自然と相手の気持ちを理解し、コミュニケーション能力の重要性を学んでいたりします。その実体験の中から明確に将来、自分が医療福祉の専門職に就くことを決心しており、改めて感受性の強い高校生時代の諸体験がいかに重要であるかを再認識しました。

 また、高校生自身の受傷経験やいじめなどを誠実な気持ちで表現し、生命の重要性を語ってくれた作品もあり、純粋な気持ちと勇気をうかがうことができ、感銘を受けました。

 ◆特別講演

 ◇よい脳をつくる 〜遺伝か環境か−−桃井眞里子副学長

 脳はどのように作られるのでしょうか。古くから言われる「三つ子の魂百まで」(=幼児期早期までに決まる「脳の基本的反応性」は生涯不変)や、「氏より育ち」(=遺伝子より環境)は本当なのか、最新の脳科学を交えてお話しします。

 線虫とヒトでは、遺伝子の数はどちらも約2万個でさほど変わりません。しかし、DNAのサイズは、9700万塩基対と32億塩基対で、山ほど違います。これは遺伝子が働く調節部分の差で、遺伝子は種々の付箋のような修飾がつけられて作動します。遺伝子(ゲノム)に付箋がたくさんついて働く直前の形になったものを「エピゲノム」と呼びます。このエピゲノム形成に重要な役割を果たすのが環境であり、食事、運動、ストレス、環境汚染物質などがさまざまに作用します。

 脳では、出生時に神経細胞の数は決まり、生後は、神経細胞をつなぐコンセントの「シナプス」が増加し成熟します。シナプスは使われないと消滅するので、ゲームばかりなどの単一の脳の使い方をすると、成長期にはシナプスの形成に問題が生じるかもしれません。

 英国の研究では、生涯の知能の変化については76%が環境の影響と考えられました。遺伝子の影響が強いのは「空間性知能」「論理的推論能力」などで、環境の影響が強いのは「調和性」「新奇性追求」「言語性知能」などであるとの報告もあります。

 神経細胞は生後不変なのではなく、生涯新生されることが分かってきました。神経細胞新生には、睡眠▽運動▽脳をよく使うこと−−が重要であり、「不眠不休で受験勉強」などは脳にはよくありません。バランスの良い食事▽運動▽睡眠▽広い場所でたくさん遊ぶ▽多くの交流−−が脳のシナプスや神経細胞発達にプラスに影響することが解明されてきています。

 以上のように、よい脳をつくるには、環境がとても重要なのです。

 ■最優秀賞 仙台二華高校1年・鈴木美紀さん

 ◆「心のバリアフリー −−優しさの輪を広げたい−−」

 ◇テーマ「やさしさと社会、そしてわたし」

 私には四歳上の姉と三歳上の兄、それに年子の妹がいます。兄は重度の自閉症児、妹は自閉的傾向のある広汎(こうはん)性発達障害児です。

 自閉症という障害は、総じて人との交わりが苦手で多少のこだわりを持っています。兄の場合は好奇心旺盛で活発なのですが、言葉が出ないもどかしさから時には大声でわめきます。妹は思い通りにいかないと地団駄(じだんだ)を踏んで暴れ、時には自傷行為にも及びます。

 これまで、私たち家族は肩身の狭い思いをたくさんしてきました。冷たい視線を浴びせられるのは当たり前。二人が幼い頃は、「しつけが悪い」「迷惑だ」とキツイ言葉を投げられたことも多々ありました。当然、地域の中でも当時は理解者が少なかったので、姉は「お前の弟バカじゃん」「お前の弟から病気がうつる」などの悪口を言われていました。気丈な姉はその場では「私のかわいい弟だからよろしく」と言ってのけたそうですが、家ではわんわん泣いていました。母はそんな姉を抱き寄せ、何度も涙を拭っていました。

 この光景は、幼い私の心も痛めました。私は、兄と妹の存在を疎ましく思うようになったのです。傷つきたくなくて、二人のことは何が何でも隠したい気持ちでいっぱいでした。

 そのような中、私は母の勧めで大学の障害児兄弟支援サークルに入会しました。障害児を兄弟に持つ小中学生・高校生が、学生さんに支えられながら楽しい活動をしていく、という趣旨の会です。兄弟に障害児がいることで我慢を強いられることも多い私たち兄弟、そして家族をサポートする会です。

 そのサークルでは、当然ながらいろいろな障害を持つ子とその家族が集まっています。知的障害や情緒障害がある子、車椅子利用の身体に障害がある子。学生さんは障害のあるなしに関係なく、私を含めて相手に応じて上手に接していました。

 ふと、兄や妹、そして障害のある友だちの生き生きした姿が目に入ってきました。同時に、私はその笑顔に一つ一つの命の重みを感じていました。みんな違う人生ですが、私と同じ今を生きているのです。私は、自分の尺度で障害者を見ていたことに気づいたのです。

 私は、このサークルとの出会いで生まれ変わることができました。それからというもの、私は様々な場面で「心のバリアフリー」について考えるようになりました。心のバリアフリーとは、主に障害者に対する偏見や差別をなくすこと。しかし、「いじめ問題」を考えると、全ての人に当てはまると思うのです。

 人は「みんなちがって、みんないい」存在です。思いやりがあり、誰に対しても自然に手を貸せる世の中。そういう温かい心が根付いている社会が、障害者に限らず万人に優しい社会になるのです。ありのままを受け入れ、認め合う社会こそが「共に生きる社会」につながっていくのではないでしょうか。

 さて、今現在も私はサークルに在籍中です。兄は、この春より通所施設で生活介護を受けながら働いています。残念ながら発語はありませんが、多動で行方不明になったこともある兄が集中して仕事をしています。妹はやっと二語文が出て、簡単なやりとりが可能になりました。あれだけのかんしゃく持ちが影を潜め、細かい作業を器用にこなしています。

 そうです、私にはこんなに素晴らしい能力を持った兄と妹がいるのです。そんな二人に、姉として妹としてやってあげたいこと。それは二人が少しでも生きやすい世の中になるよう、社会に働きかけていくことです。

 それには、強い気持ちで今もなお人々の心にあるバリアを壊していかねばなりません。そのために、私は二人の存在を隠さず、兄弟仲良く堂々と生きていきます。その上で、これからも障害のある人と積極的に関わっていくつもりです。社会に彼らの笑顔をアピールしていくことで、優しさの輪を広げていきたいと思っています。

毎日新聞 2014年12月28日 東京朝刊


国体の募金・協賛、3億円間近 企業依頼は「2巡目」

2014年12月29日 11時01分19秒 | 障害者の自立

 2016年岩手国体・全国障害者スポーツ大会の運営経費とするため県実行委が行っている募金と企業協賛は年内にも計3億円に達する。14年度末(15年3月末)時点で計4億3千万円の目標に照らせば遅れ気味だが、一度は協力を見送った1万超の県内企業・団体に「2巡目」の協力要請を今月行うなど呼び掛けを強化。15年1月には冬季大会、秋には本大会まで1年となり、高まる機運と連動して最終目標の計10億円を目指す。

 県は現時点で、開催費用を本大会が100億円、冬季大会が11億円、障害者大会が20億円の計131億円と見込んでいる。国補助、日本体協交付金などが主だが、募金を含む「県国体・障害者大会運営基金」の役割も大きく、目標額に届かない場合は運営規模縮小か県一般財源(税金)の追加投入が迫られる可能性もある。

 岩手国体をめぐっては復興途上での人的・経済的負担の大きさから辞退に傾きながら、官民挙げた協力を前提に開催を決断した経緯があり、先催県の2倍の「計10億円」と目標設定した。これまでの計約3億円は、先催県と比較すると早いペースと言えるという。

(2014/12/28)        岩手日報