宮城、岩手の両県で、森や自然好きな女性たちが「林業女子会」をつくって活動している。全国にある林業女子会と同様、メンバーは林業とは縁もゆかりもない20~30代が中心。女性だけのサークル的感覚で地元の森の現状に目を向け、楽しみながら林業を盛り上げていきたいという。
大崎市鳴子温泉を拠点に活動するのは「宮城きこり女子会」。現地で森林整備に取り組むNPO法人「しんりん」のスタッフ田手扶紀さん(31)が、ことし7月末に立ち上げた。
しんりんが開くチェーンソーや伝統工法の講習会には、毎回、仙台市などから女性が参加するという。田手さんは「森に興味を持つ女性がアイデアを出し合い、過疎化や木材価格の低迷で手入れが行き届かなくなっている森を元気にしていきたい」と言う。
宮城きこり女子会の主なメンバーは現在、8人。しんりんの講習会で伐採を体験した、コメ自然栽培農家や国産材で家造りをする工務店経営者らがいる。林業関連の仕事をしているのは2人だけだ。
田手さんは以前、障害者向け乗馬療法の仕事をしていた。その経験を生かし、馬で木材を運ぶ馬搬(ばはん)を習得して子どもの体験教室や地域おこしに役立てたいと、馬産地の遠野市に通っている。
来年3月に大崎市で開催予定のイベントで、馬搬や国産材を使ったものづくりのワークショップを行い、仲間の輪を広げていきたいという。
岩手県では先月、「いわて〓林業女子会」が発足した。月1回の定例会には、盛岡市周辺から登山愛好者や木材を取り入れた暮らしに関心を持つ女性たちが10人ほど参加している。
設立イベントでは、県産材を使い、まきストーブとまきボイラーで暖房するエコ住宅を見学。女子会らしく、雑穀を使ったスイーツも味わった。
代表の大石倫子さん(34)は大学で木質バイオマスについて学んだ。「岩手県は北海道の次に森林面積が広い。林業に興味がなかったという人にも、女性の視点で楽しく情報発信していきたい」と話す。
林業女子会は2010年に京都で最初に発足し、北海道、東北を除く13都府県に広がっていた。都市生活者の立場から新たな木の需要を掘り起こす、山と街のつなぎ役として期待されている。
馬搬の伝統が残る遠野市で、研修に励む田手さん
2014年12月23日火曜日 河北新報