北海道初のブラインドサッカーチームとして昨年8月に誕生した「ナマーラ北海道」が11、12日、初めての公式戦として東京都調布市で開かれる日本選手権に臨む。夏季パラリンピックの正式競技で、2020年の東京大会に向けて北海道から代表選手の輩出を目指す第一歩となる。主将の戸谷隆之介選手(20)は「まずは1点、1勝を」と意気込む。
ナマーラ北海道は、北海道弁で「非常に」「すごく」を意味する「なまら」にちなんで付けられた。Jリーグのコンサドーレ札幌で主将を務めた芳賀博信さん(32)が理事長を務めるNPO法人「セカンドサポート」(札幌市)が運営。同法人はスポーツ選手の引退後の再就職支援やスポーツ振興に取り組んでいるが、昨年5月、戸谷選手が通う道高等盲学校(現・道札幌視覚支援学校)でサッカー体験教室を開いたのが縁で、チームを作ることになった。選手はキーパー(GK)を務める芳賀さんを含め、19〜52歳の男女10人。芳賀さん以外は視覚障害者で、月2回、札幌市内で練習している。
戸谷選手は幼稚園からサッカーをしていたが、小学生から視力が下がり、中学2年の時に網膜色素変性症のために著しく視力が下がってプレーを断念した。しかし、芳賀さんと出会ったことをきっかけに昨年からブラインドサッカーを始めた。「見えないだけで、ブラインドサッカーはサッカーと違いはない。耳からの情報が頼りで、仲間と信頼感を高め合うところが魅力」と話す。まったく見えない状態でプレーすることから、恐怖感の克服が課題という。
今回の日本選手権には全国14チームが出場する。芳賀さんは「サッカーをやってきた経験を生かしたい。僕自身もパラリンピック出場を目指している」と語った。
◇ことば【ブラインドサッカー】
視覚障害者のスポーツで、1チーム5人で構成。GK以外の4人は視力を公平にするためにアイマスクをつけ、鈴の入ったボールを音を頼りに追う。5人のほかに相手ゴール裏で指示を出す「コーラー(ガイド)」がいる。日本ブラインドサッカー協会によると、競技人口は全国で約400人。約15チームが活動。昨年11月に日本で初開催された世界選手権で日本は過去最高の6位に。夏季パラリンピックでは2004年アテネ大会から正式競技となったが、日本は一度も出場していない。
練習試合で日本代表の落合啓士選手(中央右、10番)と競り合うナマーラ北海道の戸谷隆之介選手(中央左、9番)=北海道教育大岩見沢校で2015年6月27日
毎日新聞 2015年07月05日