障害がある人や家族、支援者ら約3千人が全国から集まる「きょうされん全国大会inひょうご」が10月9、10の両日、神戸・ポートアイランドの神戸国際展示場で開かれる。参加者は暮らしや労働などをテーマにした分科会で学び合い、交流を深める。阪神・淡路大震災20年に合わせ、「神戸から、東日本の被災地や未来にエールを送る大会にしたい」(実行委員会)という。
障害者が働く事業所などでつくる全国組織「きょうされん」(本部・東京都)は年1回、各地で大会を開き、兵庫では10年ぶり。今回は「とどけたい20年のありがとう-わすれない震災を つたえよう私たちの今を 未来につなぐ権利条約と平和」を大会テーマに掲げ、兵庫県立リハビリテーション中央病院の澤村誠志名誉院長が実行委員長を務める。
9日のオープニングでは、県内の障害者が朗読などで震災の経験を伝えるほか、クラウン(道化師)に扮(ふん)したり、和太鼓を演奏したりして盛り上げる。
分科会や交流会などは、両日で計17を予定する。日本が昨年、批准した国連の「障害者権利条約」を学んだり、「働きがいのある労働」やお金の問題、アート活動について考えたりするほか、「ゆたかに老いる」「障害がある人の恋愛や結婚」などもテーマに据えた。
また、阪神・淡路大震災と東日本大震災、戦後70年を扱う特別分科会も用意。阪神・淡路で自宅が被災し、直後に夫を亡くした視覚障害者の女性や、震災で全壊した作業所の元施設長が経験を語り、福島県からの参加もある。障害者への理解が不十分だった戦時中についても、兵庫県内の事例をもとに考える。
2日間の参加費は、障害者6千円、そのほか1万2千円。8月7日締め切り。ボランティアや協賛金も募集している。きょうされん兵庫支部TEL078・582・4016
◇歓迎伝える垂れ幕作り
10月9、10日に開かれる「きょうされん全国大会」に向け、兵庫県内の障害者らが、全国から仲間を迎える準備を進めている。
月1回、県内10カ所の事業所に通う知的障害や身体障害、精神障害がある約30人と、職員約10人が神戸市内に集合。「いらっしゃ~い!兵庫」などのメッセージを伝える垂れ幕(縦1・5メートル、横4メートル)を貼り絵で作ったり、9日夜の「大交流会」で披露する出し物の内容を話し合ったりしている。
集まりの部会長で、目や足などに障害がある勝田歩さん(25)=神戸市中央区=は「全国の皆さんに楽しんでもらえる大会にしたい。どんなことがあってもみんなで一緒に乗り越えよう、というメッセージを伝えたい」と力を込める。
副部会長の巽(たつみ)勇太さん(26)=尼崎市=も「元気やパワーをぜひ感じてほしい」。脳性まひのため車いすで生活し、「自分の目線だからこそ伝えられることがある。障害者が住みやすいより良い社会になるよう、大会で発信したい」と話している。
垂れ幕を手作りするメンバーら=神戸市中央区
2015/7/15 神戸新聞