障害者などがスポーツを観戦しやすい環境をつくるため、国際パラリンピック委員会はプロスポーツなどの会場についても観客席に占める車いす席の割合をガイドラインで定めていますが、NHKがプロ野球とJリーグのあわせて30のホームスタジアムを調べたところ、基準を満たしているのは4つの施設にとどまることがわかりました。
国際パラリンピック委員会は障害者や高齢者がスポーツを観戦しやすいよう、観客席に占める車いす席の割合をガイドラインで定めていて、オリンピックの会場は0.75%以上、パラリンピックは1%以上、プロスポーツなどは0.5%以上としています。
NHKは、プロ野球とJリーグ・J1のあわせて30のホームスタジアムを対象に、車いす席の割合についてアンケート調査を行いました。
その結果、0.5%以上とする基準を満たしていたのは広島市のマツダスタジアムと東京・調布市の味の素スタジアム、愛知県豊田市の豊田スタジアム、それに仙台市のユアテックスタジアム仙台の、あわせて4つの施設にとどまることがわかりました。
ほかの26の施設は基準を下回り、平均で見るとプロ野球では0.1%、Jリーグでは0.3%でした。
スポーツ施設のバリアフリー化に詳しい東洋大学ライフデザイン学部の川内美彦教授は「アメリカやイギリスでは障害者などがスポーツ観戦を楽しむ権利を保障するため、法律で車いす席の数などを定めている。日本でも、オリンピック・パラリンピックの開催をきっかけに法整備も含めた検討を進めるべきだ」と話しています。
07月17日 NHK