2020年東京パラリンピック競技に向け、静岡県内でも障害者スポーツ支援の機運が高まっている。16年には県障害者スポーツ協会が障害者の運動能力を測るイベントを初めて開催する予定。同協会は障害者スポーツ指導員の養成にも取り組み「競技人口拡大のために裾野を広げることはもちろん、トップ選手を目指す層を支援する体制をつくっていきたい」と環境づくりに力を入れる。
運動能力測定などのイベント(県障害者スポーツ指導者協議会、県理学療法士会共催)を31日、静岡市葵区の市中央体育館で開く。文部科学省の新体力テストや体組成測定を通じ、障害者に気軽にスポーツを親しんでもらう。
関係者によると、障害者の健康や安全管理に配慮し、知識や経験に基づいた指導ができる県内の指導員の登録人数は現在、計685人。本県で開かれる初級の指導員養成講習会には毎年約80人が参加しているが、資格を取得しても実際に活動している指導員は少ないのが現状という。
同協会の担当者は「現場で活動する自信がない人も少なくない」と指摘し、「指導員の活動が競技人口拡大につながる。障害者スポーツ全体を支える一員になってほしい」と望む。
15年の指導員講習会には、医師や看護師など医療従事者や健常者のスポーツ関係者の姿もあった。11月には日本障がい者スポーツ協会主催の中級障害者スポーツ指導員養成講習会が静岡市で開かれ、全国から指導員を目指す人々が集まった。
同協会の杉山寿一事務局長は「障害者スポーツへの関心の高まりを感じる。パラリンピック開催をきっかけに体制を一歩ずつ整えていきたい」と話した。
<メモ>障害者スポーツ指導者資格 日本障がい者スポーツ協会が国内の障害者スポーツの普及と発展を目指して定めた資格制度。初級、中級、上級の障害者スポーツ指導員をはじめ、スポーツコーチ、スポーツ医、スポーツトレーナーと6種の指導者資格を設ける。資格取得者がスポーツ指導や、大会、教室、イベントのサポートなどさまざまな役割を担う。
障害者スポーツの知識や指導法を学ぶ講習会の参加者
2016/1/4 @S[アットエス] by 静岡新聞