ことし4月から「障害者差別解消法」が施行されるのを前に、札幌市で障害者を対象に、法律の内容や市の対応についての説明会が開かれました。
札幌市の担当者からは、法の施行をうけて、相談窓口の充実や障害者との接し方について職員研修を強化するなど、今後の市の取り組みについて説明がありました。4月から施行される障害者差別解消法では、障害を理由にアパートを貸さなかったり、車いすでの入店を拒否したりするなど、障害者の権利を不当に侵害することが禁止されます。参加した障害者からは、区役所の職員が筆談や手話での対応をきちんとしてくれないなど、改善してほしい点についての意見が出されていました。
イラストや文字で「声」を記す
ボランティア団体、豊橋手話通訳学習者の会(豊通会)と豊橋市聴覚障害者協会(豊聴協)は昨年末、耳の不自由な市民が災害時に意思疎通を図る「避難所絵カード」と「コミュニケーションボード」などを市へ寄贈した。両団体は一昨年、第1次指定避難所への配置用に寄付。今回は2次避難所への寄贈を行い、聴覚障害者が全ての避難所で支援を受けられる体制を整えている。
ボードやカードには絵や文字で「体調の悪い人はいませんか?」などの内容を記載。聴覚障害者が、避難所の状況を一見して理解できる工夫をしている。両団体は障害者の意思や要望が伝えられるよう「支援ボード」を作製。「電話してほしい」「トイレに行きたい」など、障害者側からの声を記したボードも1次、2次避難所用に贈った。
大災害が起きた被災地では、混乱した状況下で障害者への支援が後回しになる事例が報告されている。両団体はボードなどを手作りし、障害者へのサポート体制を構築。聴覚障害者でつくる豊聴協の防災担当、浅倉基雄さんは「視覚で分かるカードなどがあることで、障害者が避難所で安心して過ごせる」と意義を語る。
市は12日、避難所を運営する立場となる学校用務員を対象とした「避難所要員研修会」を開催。小学校などの指定避難所を開設した際の役割などを周知した。両団体は、聴覚障害者への対応法などを知らせ、絵カードやボードの使用法も伝えた。豊通会の平松靖一郎会長は「寄贈品が有効に利用されるよう、避難訓練などで使用してほしい。障害者への災害支援の輪を広めていきたい」と自助や共助の意識を高める重要性を語った。
聴覚障害者の要望を伝える 「支援ボード」
2016/01/13 東海日日新聞
阪神・淡路大震災の被災者に国や自治体が貸し付けた「災害援護資金」で、神戸市は12日、返済免除要件の拡大で新たに調査対象となった6千件(約95億8千万円)の貸し付けのうち、少額返済者約640件を含む約1300件(約21億1千万円)を免除する方針を発表した。残る約4700件は資力調査や国との協議の途中で、要件に該当すると判断すれば随時免除とする。
国は昨年4月、「借り主が死亡または重度障害者で、保証人も返せない場合」に限られていた免除要件を拡大。破産者や生活保護受給者のほか、月額千円ずつなどの返済を続ける少額返済者も自治体の判断で対象に加えられるようになった。
要件拡大後、同市による正式な免除決定は初めて。少額返済者=約640件(約9億5千万円)▽破産者=約450件(約7億6千万円)▽生活保護受給者=約190件(約3億6千万円)-などで、今月末に決定通知を送る。
未返済額の約7割を占める少額返済者に対しては、同市は昨年5月分から返済をいったん止め、借り主、保証人の順で段階的に資力調査を実施。同市によると、保証人の調査で返済能力があると判断された場合も、借り主本人は所得の急増などを除いて支払いの全額猶予が続くため、実質的な免除となる可能性が高いという。
久元喜造市長は「震災で残された課題の一つ。できるだけ早く手続きを進め、問題に終止符を打ちたい」と話した。
【災害援護資金】 災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯などに上限350万円を貸す制度。原資は国が3分の2、都道府県か政令市が残りを負担し、市町村が貸し付ける。返済期限は10年。阪神・淡路大震災では未返済が多額に上り、国は期限を延長し続けている。2015年4月には、免除要件の拡大を通知。返済期限から10年が過ぎた場合、一定の条件を満たせば、少額返済者らも自治体の判断で免除できることになった。
2016/1/12 神戸新聞NEXT
郡上市大和町の障害者福祉サービス事業所「ぶなの木学園共働社」が、熊本県の農園からサツマイモを干し芋に加工する業務を初めて受託した。生産から加工販売までの六次産業化を目指す農園側に、共働社の加工法が認められた形。業務受託を野田美鈴・ぶなの木学園長は「やっていることが評価された」と喜ぶ。
共働社は三年前から、自前や委託の畑で作ったサツマイモ「紅はるか」を、まき釜でゆでて干し芋に加工している。県の補助を受け約一千万円で整備した減圧低温乾燥機を使い、一般的な歯応えのある干し芋と違って、しっとりと仕上がるのが特長だ。
委託した熊本県大津町の「なかせ農園」は、減農薬有機栽培と収穫後の熟成による甘いサツマイモの生産で知られる。干し芋作りに乗り出したものの、目指す軟らかい製品は水分が多いため、加工はカビが生えやすく難しかったという。問題解決のため、減圧低温乾燥ができる業者をインターネットで探す中で共働社に行き着いた。昨年末に試作を依頼し、風味も食味も条件にかなったため、本格的に加工を委託した。
熊本産百キロの芋は七日に共働社に届き、利用者や職員が水洗いしてまき釜でゆでた。一週間ほどで干し芋に仕上げる。
熊本産のサツマイモをまき釜でゆでる 利用者=郡上市大和町で |
受託加工のため、共働社で熊本産は販売できないが、野田園長は「福祉の観点でなく商品の良しあしで受託できたことがうれしい。仕事が安定したら利用者の工賃も上げられる」。なかせ農園の中瀬靖幸営業担当は「干し芋は台湾に輸出し、日本の安全安心な芋を海外にアピールする足掛かりにしたい」と意気込んでいる。
2016年1月13日 中日新聞
洲本市下加茂の県立淡路病院跡地に建設する特別養護老人ホームが今秋にオープンすることが決まり、県社会福祉事業団は名称を募集している。施設は鉄骨2階建て、延べ床面積約6300平方メートルで10月に完成予定。2月から入所申し込みが始まる。
昭和31年に建設された県立淡路病院は老朽化のため、平成23年5月に同市塩屋の県立淡路医療センターに移転した。跡地約1万6700平方メートルのうち約9600平方メートルに約17億円の整備費で特養が建設されるほか、今後、障害者施設や洲本市の施設整備が検討されており、複合型福祉拠点となる。
今秋完成する施設は全室個室(約13平方メートル)でグループごとにキッチンやリビングが確保されるユニット型特別養護老人ホーム(定員90人)、ショートステイ(定員10人)、認知症対応デイサービス(定員12人)、居宅介護支援事業所が設けられる。同事業団では施設で勤務する職員の募集も行っている。
施設の名称募集は同事業団ホームページなどにある応募用紙に施設の名称、意味・理由と氏名、年齢、性別、住所、電話番号を書いてFAX(078・929・5688)か郵送(〒651-2134 神戸市西区曙町1070 兵庫県社会福祉事業団事務局「県立淡路病院跡地施設開設準備室 名称募集係」)する。最優秀賞には3万円相当のクオカードが贈られる。2月10日締め切り。問い合わせは同準備室((電)078・929・5655)。
洲本市下加茂の県立淡路病院跡地に作られる特別養護老人ホームのイメージ図
2016.1.13 産経ニュース