ゴエモンのつぶやき

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治安的観点の保護観察制度に「断固反対」

2016年09月08日 02時34分55秒 | 障害者の自立

日本精神神経学会が見解

 日本精神神経学会の法委員会は、神奈川県相模原市の障害者支援施設の入所者殺傷事件に伴い、精神医療が「保安のための道具」になることを懸念する見解をホームページに掲載した。治安的な観点に基づく保護観察制度や強制通院制度の導入に「断固として反対」としている。

 この殺傷事件については、厚生労働省が先月、検証・再発防止策検討チームを設置。事件の前に容疑者を入院させた「措置入院」の判断などを検証して課題を明らかにした上で、今秋にも再発防止策を取りまとめる方針を示している。

 見解では、今回の事件によって精神保健福祉法が患者管理のための法律として強化されることを懸念。精神医療が特殊な医療に逆戻りすることや、精神障害者の差別が助長されることは「許されない」としている。

 また、措置入院を含めた精神保健福祉法については「犯罪予防のためにあるのではないことを明確にしなければならない」と指摘。制度面で措置入院が解除されて数カ月後の犯罪を予測することまでは要求されていないことや、犯罪の予測は医学的に不可能なことを挙げ、「この事件が措置入院制度の不備によって起きたと断ずることはできない」と説明している。

 措置入院の経験者についても「治安対策の対象者ではなく、地域社会の一員として平穏に生活する権利を持つ市民」と説明。「その支援策は治安的観点ではなく、医療による支援と住民福祉の考え方に基づいて講じられるべき」としている。

(2016年9月6日 新井哉・CBnews)


「星の王子さま」朗読と「星形サブレ」いかが 障害者施設が協力販売

2016年09月08日 02時28分30秒 | 障害者の自立

 三鷹市在住の朗読家・原きよさん(49)が十四日に市芸術文化センター星のホールで開くお話コンサート「星の王子さま」で、地元の障害者就労支援施設「工房時(とき)」が協力し、オリジナルの星やハート形のサブレを販売する。原さんは「障害のある人もない人も一緒に交流を」と準備に奔走している。 (鈴木貴彦)

 原さんは元アナウンサーで、太宰治作品など小説や童話の朗読を続けている。今回はサンテグジュペリの「星の王子さま」。スクリーンに絵を映しながら、ハープの演奏に合わせて作品を読む。

 「今回の会場は星のホール。星形のサブレを作っている福祉施設があると聞き、星つながりで一緒にやれたらと、工房に協力をお願いしました」と原さん。これまで、小さな朗読会などで市内福祉施設の菓子類を販売してきたが、大きな会場では初めてだという。

 原さんからの依頼にこたえ、「工房時」は星形サブレに加えて新作を考案した。「『星の王子さま』のイメージに合わせて、新たにハート形とバラの花のサブレを作り、星形と合わせて袋に詰めます」と製菓担当の職員庄子恵子さん(49)。通所者たちは丁寧に生地を作り、型を抜き、オーブンで焼く。「最低でも百袋を用意するつもりなので、毎日、みんなで頑張っています」と庄司さん。

 販売はホールのロビーで行う。一袋二百円。袋には原さん手作りの「星の王子さまシール」が貼られる。工房の作業風景を紹介するパネルも展示される。

 「工房時」施設長の立野信行さん(50)は「障害者と健常者が分かれて暮らす現状を変えようと、地域にどんどん出て行くことにしている。今度の朗読会もそうした機会の一つ。質の高い、おいしいお菓子をお届けします」と話す。

 公演は午後二時からと同六時半からの二回。前売り二千五百円、当日三千円。問い合わせは原きよ事務所=電070(5559)2428=へ。

原きよさん(中央)と「工房時」の所員や職員たち

2016年9月7日   東京新聞


東京大会見据え、パラアスリートに広がる企業支援…さらなる浸透には課題も「スポーツ機に相互理解を」 

2016年09月08日 02時18分15秒 | 障害者の自立

7日に開幕するリオデジャネイロパラリンピックで、障害者選手に対する支援制度が軌道に乗り始め、門戸を広げる企業が増えている。企業側の狙いは、4年後の東京大会での宣伝効果。関係者は「(競技を通し)健常者と障害者が理解し合えれば、社会のかたちも変えられるのでは」などと指摘している。

 リオのパラパワーリフティングに出場する西崎哲男(39)は、5年前に競技から身を引いたが、東京大会開催が決まり、復活の道を選んだ。しかし当時の勤務先は、自治体の水道局。再び競技の場に戻ったものの、「趣味」の延長で、海外遠征には有給休暇を使うしかなかった。練習も勤務を終えた午後5時半以降。「このままでは世界には届かない」と、平成26年6月に退職を決断した。

 ただ、障害者選手の場合、トップ選手にはスポンサーが付くが、それ以外の選手へのチャンスは少ない。西崎が頼ったのが、日本オリンピック委員会(JOC)が進める就職支援のマッチング事業「アスナビ」だった。

 アスナビは、就職を希望する選手の競技歴や障害歴、自己PRなどをJOCのホームページ上に掲載するなどし、連絡してきた企業と選手をつなぐ事業。23年に始まり、23、24年の実績はなかったが、25年は1人、26年は4人、27年は5人と就職・支援につなげ、リオ大会開催年の28年は9人に増えた。

 西崎も展示ディスプレー大手「乃村工芸社」(東京)から声がかかり、契約社員として採用された。週2日勤務のほかは練習に専念する環境を整えてもらい、引退後は社員登用という保証も得た。

  西崎は注目選手ではなかったが、同社は東京大会を見据えた選手らのマスコミなどへの露出増を見越し、宣伝につながると採用に踏み切ったが、約2年たった現在は「応援を通し社内の横のつながりが増えた」(担当者)としている。

 ソフトウエア会社「セールスフォース・ドットコム」(東京)には、東京大会から正式採用されるパラテコンドーの伊藤力らが所属する。伊藤もアスナビで採用された。同社は、多様な人材確保をねらったといい、「(障害者が)頑張る姿が社員らに勇気を与える」と話す。

 ただ、懸念もある。アスナビは健常者の選手らの企業とのマッチングも行っており、その採用実績は91人。パラは19人にとどまる。JOCのアスナビ担当、鶴田政隆さん(34)は「東京大会後に(再び支援が)下火にならないか懸念もある」と語る。

 実際、アスナビで就職に成功した選手への意識調査でも5割強が引退後への不安を示唆している。

 十数年前にウィルチェアラグビーの選手として、大手メーカーからの支援を受けていた兵庫県伊丹市立障害者福祉センター所長の吉野真旨さん(48)は、競技の認知度の低さや高額な車いすのメンテナンス費用などを理由に3年で契約を打ち切られた。吉野さんは「企業だけが努力するのではなく国のイニシアチブも必要。これから社会をどう変えていくかが問われている」と訴えている。

 試合会場での練習を終え、円陣を組む車いすバスケットボール男子の選手たち=リオデジャネイロ(共同)

試合会場での練習を終え、円陣を組む車いすバスケットボール男子の選手たち=リオデジャネイロ

2016.9.6   産経ニュース


「勝たないと」V2宣言 パラ柔道・正木選手

2016年09月08日 02時07分42秒 | 障害者の自立

 7日(日本時間8日)開幕のリオデジャネイロ・パラリンピック視覚障害者柔道男子100キロ超級に、兵庫県南あわじ市出身の正木健人選手(29)=エイベックス=が出場し、前回ロンドン大会に続く2連覇を目指す。全階級でメダルを獲得したリオ五輪での日本男子柔道勢の活躍を励みに、障害者スポーツの裾野を広げるためにも「勝たないと意味がない」と宣言。王者が2度目の大舞台に挑む。

 正木選手は南あわじ市の南淡中学校、育英高校(神戸市)で全国レベルの成績を残し、先天性弱視のため、視覚障害者柔道の道に進んだ。4年前のロンドン大会で日本柔道唯一の金メダルを獲得し、「柔道に対する意識、勝つことへの執念が強くなった」と話す。

 競技に専念できる環境に感謝し、メダルが期待される柔道での活躍が障害者スポーツ全体の発展につながる-。そう考えるからこそ、「結果がすべて。勝たないと何も得られない」と言い切る。

 稽古を重ねる一方、食事にも気を配るようになった。疲労回復に効く高タンパク、低カロリーの料理を中心に、油物は控え、白米の代わりに十六穀米を食べる。メンタルコントロールも取り入れ、心身ともに成長を遂げたという。

 「パラ4連覇」という大きな夢を掲げ、4年後の東京にも視線を向ける。「東京大会を盛り上げ、スポーツで生きがいを見つけられる社会づくりに貢献したい」。競技は10日(日本時間10~11日)。慢心することなく、畳の上で進化した姿を見せるつもりだ。

 正木健人(まさき・けんと)1987年、旧南淡町(現南あわじ市)生まれ。北阿万小学校時代に相撲の兵庫県大会で優勝。柔道を始めた南淡中学校で全国中学校大会2位、育英高校では全国高校総体3位と活躍し、天理大学へ進んだ。徳島県立盲学校で視覚障害者柔道に転じ、男子100キロ超級で2011年の世界大会と12年のロンドン・パラリンピックを制した。190センチ、150キロ。

母校・天理大学で稽古に励んできた正木健人選手。「パラ4連覇」に向け、勝ち続けるつもりだ

2016/9/7   神戸新聞NEXT


未来担う貧民街の子へ激励 パラ五輪、砲丸投げ・フェヘイラ選手

2016年09月08日 01時54分34秒 | 障害者の自立

 七日(日本時間八日)開幕のリオデジャネイロ・パラリンピックに出場する陸上女子砲丸投げのホジアニ・サントス・フェヘイラ選手(44)は、母国ブラジルで「現役最後の投てき」に臨む。貧しい家庭で育ち、ひき逃げ事故に遭って十代で左脚を失ったが、シドニー大会で金メダルを獲得し母親に新しい家を贈ることができた。「あなたも夢をかなえられる」。貧困や障害にくじけそうな子どもたちへ、大切なメッセージを伝えるために。

◆競技人生20年、母国ブラジルで集大成

 生まれ育ったのは、ブラジル北東部の街レシフェ。母はタピオカの粉を丸めて売り、女手一つで八人を育てた。フェヘイラ選手は、家計を助けるために家政婦をしていた十八歳の時、歩道に突っ込んできたトラックにはねられた。運転席から降りてきた男は明らかに酒に酔っていた。通行人に銃を向け「近づいたら殺す」と叫んで逃げ去った。男はいまも捕まっていないという。

 車いすや松葉づえなしでは動けなくなり、引きこもっていた二十代前半。障害者スポーツの存在すら知らなかったが、地元のコーチから「練習を見学してみないか」と誘われ、障害者がプロを目指して特訓する姿を目の当たりにした。気持ちが動き、アスリートとして踏みだした。

 下半身に障害がある選手の投てき種目は、椅子に下半身を固定し、座ったまま投げる。上半身の強さに恵まれたフェヘイラ選手は二〇〇〇年のシドニー・パラリンピックの砲丸投げと円盤投げの金メダリストに。複数のスポンサーから支援を受けるようになり、〇七年、母親がずっと欲しがっていた新しい家を急逝する直前にプレゼントした。「それは私にとっての夢でもあった」と振り返る。

 現在のトレーニング場所は、リオ市のスポーツ教室「ビラ・オリンピカ」。貧民街の子どもの健全育成を目的に、市が設けた施設だ。生徒四千人が通い、このうち百三十八人は生まれつきや病気、事故による障害がある。

 「彼女はいつも子どもに声を掛け、私ができるならあなたもできる、と励ましてきた」と教室長のヘナト・オアゼンさん(64)は目を細める。

 フェヘイラ選手は「これより先はもう体が持たない。だからパラリンピック出場は今回で最後」。引退後は、二年前に自ら立ち上げた、障害者に運動を指導する支援団体の活動に力を入れながら、児童養護施設の設立を目指す。

 リオ大会では砲丸投げと円盤投げの二種目に出場予定。約二十年間の競技人生を締めくくる競技場では「目をつぶり、支えてくれた人たちを思い浮かべる」。そして力を出し切る姿を、未来を担う子どもたちに見せたいという。

    

スポーツ施設で笑顔を見せるフェヘイラ選手=本人提供         教室に飾られたフェヘイラ選手の写真を指すヘナト・オアゼンさん=リオデジャネイロで

2016年9月6日    中日新聞