ゴエモンのつぶやき

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日本で増え続ける「摂食障害」。なぜ起こる? どう向き合う?

2016年09月28日 02時58分51秒 | 障害者の自立

 学生時代の専攻が縁で、養護教諭の知人が複数います。講演会などで顔を合わせると、近況報告をしながら、対応にあたっている子どもたちの話を聞くことがあるのですが、そこで時々話題に上るのが、摂食障害を患う生徒さんについてです。地元にも評判のいい専門医が居るそうなのですが、問い合わせてみたら初診が最短で5年待ちだとかで…。心療内科や専門外来など、摂食障害の対応にあたられるお医者さんは、相当多くの患者さんを抱えていらっしゃるようです。

『「食べない心」と「親の心」 摂食障害から回復、自立する女性たち』(小野瀬 健人/主婦と生活社)は、岡山県にある女性のための摂食障害者向け回復施設「なのはなファミリー」での実践について解説された書籍です。著者である小野瀬健人氏は、ジャーナリストとして活動する傍ら、2004年にこの「なのはなファミリー」を設立。2003年には著書『「食べない心」と「吐く心」』(小野瀬 健人/主婦と生活社)を発表しており、本書はその続編にあたります。

 摂食障害とは、長期にわたりやけ食いや食欲不振が続くなど、食行動を自分でコントロールできなくなってしまう心の病で、日本では、10~20代の女性に多く発症しているようです。摂食障害の症状は、食べ物を口にすること自体が難しくなる「拒食症」と、極端に多くの食べ物を摂ってしまう「過食症」という2つに分けられます。そして、拒食症・過食症それぞれにおいて、下剤や利尿剤を利用したり、意図的な嘔吐をおこなったりと、強制的な排泄を伴うケースもあります。

 著者である小野瀬氏は摂食障害の原因について、幼少期の心の傷であると考えています。具体的には、4~6歳頃に受けた精神的ショックが大脳の視床下部にプログラムミスを引き起こし、このひずみが思春期になると、空腹・満腹中枢を過剰に刺激して、食行動に問題を引き起こすのだそうです。

 本書では、摂食障害のしくみについて解説するほか、摂食障害を患う女性たちへの取材をもと に、幼少期のつらい経験からの立ち直り方について考察しています。自身の体験を語ってくれたのは、所謂「毒親」に追い詰められてきた人や、家族間の小さないさかいに深く傷つき、不安定な心持ちのまま、日々を生き延びてきた人たちです。こうした心の傷に対して、「なのはなファミリー」では次のようなアプローチをおこなっていると、小野瀬氏は話しています。

人が生きていく上では、いやな思い出やつらかったことは折々に出てきます。しかし、いやな思い出と「心の傷」は大きく異なります。
普通の思い出は、つらいことも、楽しいことも、時間と共に薄れていきます。つらかったことから四年も五年も経てば、新鮮には思い出せません。
それに対して、心の傷はずっと同じつらさが心の底で続いているという違いがあります。
(中略)
心身の状況を踏まえ、環境や条件を整えた上で、その人の心の傷になっている出来事を探し出し、傷となった心配がもう解決されていることを自覚してもらう。そういう方法で、心の傷に解決を与えます。

「なのはなファミリー」に入居した女性たちは、疑似家族として共同生活を送りながら、グループミーティングを軸とした独自プログラムに参加することで、心の傷を癒し、自立をめざします。本書の最終章には、この施設の卒業生による体験記が掲載されているのですが、そこには当たり前のように、「なのはなのお父さん」「なのはなのお母さん」という言葉が登場します。これには少し唐突な印象も受けますが、しかしそのエピソードを読んでいくと、幼少期に家族との関係に悩んだ入居者たちが、確かにこの場所で「家族」を再構築し、精神的な安定を得ることができたのだろうと感じさせられます。

 同書は、摂食障害の確実な「治し方」を指南する本ではありません。しかし、十数年前まで摂食障害のことを、過剰なダイエットの延長だろうと軽視していたこの日本社会において、その認識を改めるとともに、根本原因となりうる「親」のあり方について問いかける、大きな役割を果たす1冊であると思います。

 2016年09月27日   ダ・ヴィンチニュース


盲導犬の献身「すごい」高校生が理解深める

2016年09月28日 02時52分33秒 | 障害者の自立

 村田町の村田高で、盲導犬や視覚障害者への理解を深める体験学習があり、2年生107人が参加した。日本盲導犬協会仙台訓練センター(仙台市)の職員奥沢優花さん(27)は「盲導犬は利用者に曲がり角と段差を教え、障害物をよけることが大事な仕事」と強調した。
 14日の体験学習では、奥沢さんと一緒に歩いた盲導犬が曲がり角で止まったり、赤いコーン標識をよけたりする様子を観察。生徒たちから「すごい」と驚きの声が上がった。盲導犬利用者の経験談の披露や、生徒が目隠しをして盲導犬を連れて歩く体験もあった。
 聴講した平間汐那(せな)さん(16)は「盲導犬と信頼関係を築くのは大変だと思った。貴重な話を聞くことができて勉強になった」と感想を語った。
 体験学習の機会を利用し、福祉教科を選択した生徒と野球部員が校内で集めた募金を同協会に寄付した。

盲導犬を間近で見る生徒たち

2016年09月27日   河北新報

 


手話への理解深め共生社会の実現へ 神奈川県が冊子配布

2016年09月28日 02時48分53秒 | 障害者の自立

 神奈川県教委は、県内の公立小・中・高校生に向けたリーフレット「手話を楽しく学ぼう!」を作成。このほど全小学校4年生、全中学校1年生、全県立高校生徒に配布した。手話による簡単な自己紹介やあいさつなどを分かりやすく図解した内容。各学校の実践に応じた自由な活用を願い、児童生徒の障害者理解や共生社会に向けた意識を育む。

冊子は、3ページ構成。手話の基礎的なコミュニケーションを豊富なイラストを使って解説。「知っておくと便利」な手話では、指文字50音の示し方、「私の名前は~です」という自己紹介、「危ないです。一緒に逃げましょう」の緊急メッセージに使う手話方法を挙げている。

「手話であいさつ」の項目では、▽こんにちは▽こんばんは▽よろしくお願いします――などの基本的な表現を説明。「おはよう」は、右手のこぶしを枕に見立て、頭から枕を外すように下ろす動作を示す。「話しかけてみよう」では、▽どうしましたか▽何かお手伝いしましょうか▽大丈夫ですか――といった日常生活で基本となるやりとりを図解する。一方で、手話は、動作と表情を上手に使って表現するのが大切とも指摘する。

同教委では、冊子の活用を通じて、単に「手話スキル」の習得を目指すのではなく、障害者の立場や手話言語文化の理解につながればと願っている。各学校の道徳や特別活動などで自由に利用してもらい、子どもたちに多言語共生社会の一員として広い視野を養ってほしいと期待する。

同県では、手話普及によって、さまざまな県民が相互理解を深め、支え合う社会の実現を目指す。そのため、昨年4月に「県手話言語条例」を施行。今年度から5年間で「県手話推進計画」を策定した。同計画では、県全体で、手話の▽普及▽教育や学習の振興▽使用しやすい環境整備――をうたっている。

2016年9月26日   教育新聞


認知症患者への対処法DVDに 姫路のNPO法人

2016年09月28日 02時43分08秒 | 障害者の自立

 障害者や高齢者らの在宅福祉サービスを行うNPO法人「はなのいえ」(兵庫県姫路市青山北3)は、認知症患者らが行方不明になった場合の対処法などをまとめたDVDを作成した。徘徊(はいかい)による事故防止のほか、認知症の理解を深めてもらう啓発活動に活用する。

 同法人は姫路市の助成を受けて、認知症患者に対応する模擬訓練を初めて行い、その様子をDVDに収録した。

 訓練には市内外から福祉施設の職員ら約35人が参加。驚かせたり急がせたりせず、普段通り対応するなど、認知症患者に接するこつを学んだ。

 「どうされましたか?」。続く模擬訓練では、捜索担当の参加者が患者役の職員を見つけて声を掛けた。所持品や会話などで得た情報を本部に素早く連絡し、保護するまでの流れを体験した。

 こうした訓練の機会は少ないといい、太子町の福祉施設で働く男性(45)は「接し方のポイントなど初めて知ることも多く、大変勉強になった」。同法人の内海正子理事長(51)は「地域ぐるみで認知症患者を支える仕組みを作りたい」と話した。

 市によると、市内の認知症患者は推計約2万人。市は警察や協力企業と連携し、患者が行方不明になった際、写真や特徴などの情報を共有するシステムの構築を進めている。

行方不明になった認知症患者を捜す模擬訓練に取り組む参加者ら

2016/9/27  神戸新聞NEXT


災害時の役割など紹介 考えるシンポに300人 /奈良

2016年09月28日 02時24分32秒 | 障害者の自立

 地域密着の情報を発信するラジオ放送「コミュニティFM」の役割を考えるシンポジウム「地域の声 ラジオの力」が24日夜、奈良市のならまちセンターで開かれた。5人のパネリストらが約300人を前にコミュニティFMの魅力や未来について語り合った。

  シンポジウムは災害時の役割、視覚障害者にとっての有用性などをテーマに進行。「熊本シティエフエム」の長生修・営業部長は、4月の熊本地震の際に避難所やガソリンスタンドの位置、電気やガスの復旧状況などの生活情報を発信し、被災者の役に立ったことを紹介した。奈良市視覚障害者協会の内藤恒史会長は「ラジオの耳からの情報は緊急時にとてもありがたい」と語った。

 一方、日本コミュニティ放送協会の井関悟理事は、FM局の厳しい経営環境に触れながら「近畿地区でもここ数年で3局が廃局した。業界全体で運営の安定化を考える必要がある」と指摘した。

 シンポジウムを主催した「ならどっとFM」の中川直子社長は「コミュニティFMは地域の方が参加し、一緒に作っていける放送局。多くの皆さんにぜひ活用してほしい」と呼びかけていた。

毎日新聞   2016年9月26日