ゴエモンのつぶやき

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真面目なあの子がなぜ殺人を…?

2018年06月06日 12時12分31秒 | 障害者の自立

発達障害者を少年犯罪に走らせないために

 発達障害と少年犯罪との間に直接的な因果関係はない。それは、数多くの心理学者や精神科医が訴え続けている事実である。しかし、発達障害が少年犯罪に結びつく可能性があるのだとしたら、両者の間には何が存在するのだろうか。そんな疑問を投げかけているのが『発達障害と少年犯罪』(田淵俊彦、NNNドキュメント取材班/新潮社)だ。

 本書は豊川市主婦殺人事件や佐世保女子高生殺害事件などといった未成年の凶悪犯罪に携わってきた臨床心理士や精神科医が、医療少年院へ直接取材を行い、少年たちの生の声から発達障害者が凶悪犯罪を起こしてしまう「プラスα」の原因を探っている。

 そもそも発達障害とは、「自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その障害が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されており、アスペルガー症候群は、近年自閉症スペクトラム障害と呼ばれるようにもなった。

自閉症スペクトラム障害は「対人関係(社会性)の特異性」という特性があるため、孤立しやすく、友人との間にトラブルが生じることも多いのだといわれている。

 そして、精神科医・杉山登志郎氏の論文によれば、あいち小児保健医療総合センターで自閉症スペクトラム障害治療を受けている265人(平均年齢9歳±6歳)を調査した結果、行為障害と診断された者や犯罪で警察に逮捕されたことがある少年は2016年の「犯罪白書」に記されている10歳以上の少年10万人あたりの刑法犯検挙人員(少年の人口比)と比べて、約12倍も多かったのだそう。

 こうしたデータをもとに田淵氏は、自閉症スペクトラム障害にきちんとした医療的・教育的な対応がなされないと、極端な少年犯罪に結びつく可能性があるのではないかとの仮説を立てている。

 その参考データとしてあげられているのが、三重県立子ども心身発達医療センター長である西田寿美医師が当時勤務していた県立小児心療センターあすなろ学園で調査した、虐待に関する調査である。それによれば、虐待によってあすなろ学園へ入院治療していた子ども36人のうち、注意欠陥障害や多動性障害、自閉症スペクトラム障害のある子どもは53%にも上ったのだという。

 このデータから分かるのは、発達障害は虐待のリスク要因になっており、発達障害を持つ子どもはいわれのない暴力や虐待を受けている可能性が高いということだ。そして、我が国は児童精神医療においては後進国であるため、虐待で心に傷を負った子どもに対して、適切な対処ができているとは言いがたい。こうした悪循環こそが、発達障害と少年犯罪の間にある「プラスα」なのではないかと田淵氏は指摘している。

「ごく普通の真面目な生徒」による凶悪殺人。それはいわば、彼らの心の悲鳴であるともいえるのだ。

■矯正施設で聴いた孤独の叫び

 田淵氏が考えた仮説は三重県伊勢市にある宮川少年院に収容されている少年たちの生の声により、さらに真実味を増す。

 ここに収容されており、自閉症スペクトラム障害の可能性がある少年たちはみな、事件前に友達からのいじめや親による虐待を受けていたり、居場所がないと感じたりしていたのだ。そして、どの子も田淵氏に自分の過去を話し終えた後は、安堵の表情を浮かべていたのだそう。

 こうした取材から読み取れるのは、自閉症スペクトラム障害を持っている子どもたちが抱えている孤独の深さだ。自閉症スペクトラム障害の子は、ある一定のことに強くこだわったり、他者とのコミュニケーションがうまく行えなかったりすることも多い。そのため、彼らは「分かってもらえない」、「気持ちをどう伝えればいいのか分からない」と悩んでしまう。こうした彼らの苦しみこそが、発達障害と犯罪を結びつけてしまうのではないだろうか。

 もちろん、犯罪を起こすのはいけないことであり、発達障害と付き合いながらまっとうに生きている方もたくさんいる。しかし、少年犯罪という形でしか、心の涙やSOSを表せなかった子どもたちがいることも事実だ。だからこそ、私たちは罪を犯さなくてもいいよう、彼らに温かい視線を向けたり、頼れる場所を与えてあげたりする必要がある。

 好き好んで犯罪者になる人は、この世のどこにもいない。「たくさん笑って生きたい」――それは犯罪を起こしてしまった少年も抱いていた願いなのではないだろうか。

 悲惨な殺人を起こしてしまった子どもたちは、「人を殺してみたかった」という言葉を口にすることも多い。この言葉はただの狂気として受け取られることが多いが、彼らの心の奥には彼らなりの苦しみが詰まっていることもある。本書の論はあくまでも田淵氏による仮説であるが、発達障害を正しく理解し、受け止めていくことは、凶悪な犯罪を食い止める第一歩になるのではないだろうか。

文=古川諭香   2018/6/5   ダ・ヴィンチニュース


障害者性的虐待損賠訴訟  原告側が控訴 /長野

2018年06月06日 12時05分42秒 | 障害者の自立

 入所していた障害者施設の男性職員(当時)から性的虐待を受けて精神的、肉体的苦痛を受けたとし、知的障害がある塩尻市の20代女性が男性らに慰謝料など約1190万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告側は4日までに、男性らに330万円の支払いを命じた長野地裁松本支部の1審判決を不服として東京高裁に控訴した。

  判決では、男性職員の行為が障害者虐待防止法の不法行為に当たるとし、社会福祉法人の使用者責任も認めた。一方、調査監督権限のある塩尻市などへの請求は棄却した。

 原告代理人は「性的虐待があったと裁判所が認め、賠償を命じたのは画期的」と評価しながらも、塩尻市や法人理事長の責任が認められなかったのは不当だと主張。330万円の賠償額も不十分とし、控訴したという。

毎日新聞   2018年6月5日 


落語で学ぶ障害者への偏見差別と「笑い」の心理学

2018年06月06日 11時58分15秒 | 障害者の自立

■6月5日は落語の日

6月5日は、語呂合わせから「落語の日」だそうでございます。今、落語は大ブーム中。現在の落語家の数は、ざっと800人。これは、人類史上最大の数でございます。いつか、落語家が増えて増えて、そのうち人類を征服するのではないかと、私も日々心配しております。

■落語に登場する愛すべき変人達

さて、落語にはさまざまな人が登場いたします。熊さん(熊五郎)、 八っつぁん(八五郎)に長屋のご隠居、それに与太郎。どれもユニークな人たちでございまして、今風に言えば、何か「診断名」がついてもおかしくないほどの、おっちょこちょい、世間知らず、あわてんぼうに、ぼーとしていて、毎日「チコちゃん」(NHK)に叱られているんじゃないかという人たちでございます。

落語なんてものは、大昔の話でございますから、遠慮ってものがございません。「この、ばかたれ!」「甲斐性なし!」「豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ!」と、それはもう罵詈雑言(ばりぞうごん)の嵐。当時は、不快用語やら、不適切発言なんてものは、なかったのでございましょう。

(昔、寄席には、その人のお客様を見て、たとえば「今日は足の悪いお客様がお見えです」といった張り紙が楽屋に張られていて、そうするとその人が不快に思う話はやめようと落語家のみなさんは考えたそうです。)

もちろん、人を馬鹿にしちゃぁいけませんが、熊さんも 八っつぁんも与太郎も、みんなに愛されながら、ツッこまれているのが、落語なのでございましょう。

落語はなかなか心理学的話題が満載でして、たとえば古典落語『天災』の中では、短気でけんかっ早い八五郎にご隠居さんが諭す、今で言えばアンガーコントロールの話が滑稽噺として描かれています(「やられてもやり返さずに勝つ方法:古典落語と心理学から学ぶ人間関係」Y!ニュース有料)。

■孝行糖:知的障害者の商売物語

古典落語『孝行糖』(こうこうとう)。この落語の主人公は、うすぼんやりしている若者、与太郎です(上方では吉兵衛)。なかなか人並みの仕事はできません。ところが、この若者はとても親孝行だったということで、奉行所から報奨金を頂戴します。お奉行様の中には、人情味のある方もいたものです。

さて、長屋のみんなは喜んで、この金で一杯やろうなどとも思うのですが、大家さんは違います。さすが、年の功です。「何言ってんだ。この金で、一人暮らしのこいつの身が立つように小商いでもさせよう」と提案いたします。

そこでみんなで考えて、この報奨金をもとに、与太郎に行商の「飴屋」を始めさせます。みんなで一生懸命面倒をみ、アイデアを出し、飴を「孝行糖」と名づけ、与太郎に楽器を持たせ珍妙なかっこうをさせて面白おかしい売り声と踊りを教えます。

与太郎は、毎日毎日商いに励みます。「孝行糖、孝行糖」と売り歩く与太郎の飴は、いつか評判になり、この飴を子供に食べさせると親孝行になるという評判と共に、商売は大繁盛したのでございました。

ところが、あるお屋敷の前を通りかかったとき。あまりに珍妙でうるさかったために、門番に叱られてしまいます。上手に弁解できれば良いのですが、与太郎にはそんな器用さはなく、むしろ面白おかしいかけ合いが始まってしまいます。とうとう怒った門番は、六尺棒で与太郎のことをポカ、ポカ!

そこへ、与太郎のことを知る人が現れて事情を説明し、門番を止めてくれます。そして与太郎をいたわり、

「どれ、どこを殴られたか言ってみろ」

すると飴売りの与太郎は、泣きながら体を指差して、

「こぉこぉとぉ(=ここと)、こぉこぉとぉ……」。

お後がよろしいようで。

(最近ワイドショウーにもよく出演する立川志らくさんは「数ある落語の中で他に類を見ないほど馬鹿馬鹿しいオチである。」と述べているそうです。)

■障害者に対する態度

現代なら、障害を持っている人を侮辱するようなことを言えば、叱られます。それは良い社会です。でも、うっかりすると、だから関わるのをやめようと思う人もいるかもしれません。

それでも、身体障害に対する偏見差別は少しずつ改善されているのでしょうか。けれども、知的障害、精神障害に対する偏見差別は、根強く残っていることでしょう。

道路の向こうから車椅子の人が来れば、まともな現代人は不快な顔などしません。けれども、向こうからへらへら笑いながら誰かが来たら、露骨に嫌な顔をして、避けて通る人もいることでしょう。

街角に不審者がいると通報されて、警察が行ってみたら、実は障害を持った人だったといった話は、マスコミ報道はされませんが、実はけっこうよくある話です。

心理学の研究によれば、私たちの表面的な偏見差別の態度に改善は見られても、簡単に表面化しない「潜在態度」の中には、まだまだ偏見差別の心が残っていると言われています。

落語の「与太郎」も、おっちょこちょいの熊さん、 八っつぁんも、みんなに迷惑をかけて叱られたりもしますが、排除はされません。みんな長屋の仲間です。落語の登場人物たちは、福祉もバリアフリーも人権もインクルージョンもボランティアも、何にも知りませんが、みんなで一緒に生きています。

長屋のみんなは、彼らを愛し、個性を認め、自立できるように支援しています。そしてその落語の世界を、私達は楽しみ続けてきました。

■おもしろい話と障害者への偏見差別と

ユーモアや笑いは、とても高度で複雑です。笑うのは人間だけです。そのため、心理学の研究もなかなか進みません。ある心理学者は、緊張がとぎれたときに笑いが起こると言います。あるいは、アンバランスが笑いを生みます。

子供や年寄りが転んでも笑えませんが、偉そうなお侍がいばって歩いているところで、すってんころりと転べば、笑いが起きるわけです。

ある心理学者は、「なぞかけ」の研究をしました。面白いなぞかけの特徴はなかなか分からなかったのですが、面白くないなぞかけの特徴は見えてきました。

面白くないなぞかけとは、

1当たり前

たとえば、「消しゴムとかけて修正液と解く。その心は、どちらも文字を消すでしょう」。

2わからない

たとえば、「リンゴとかけて自動車と解く。その心は、どちらもネコでしょう」。

3笑えない

笑えないとは、倫理道徳に反するようなことです。それは、どこからか文句が来るというよりも、客自信が楽しくない、笑えないと感じてしまうないようです。

こう考えると難しいものです。

現代においては、偏見差別はいけないといったことは当たり前で、そのまま直球で表現しても人は興味を示さないもしれません。学者さんが難しい話をしても、伝わらなければ意味がありません。一方、ウケを狙っただけの独りよがりは、周囲の反感を買うかもしれません。

触らぬ神にたたりなしで、ただ触れなければよいわけではないでしょう。障害者スポーツや、障害者ダンスや、障害者のお笑いや、みんなで本当に楽しめるようになれれば良いですね(NHKの「バリバラ」も攻めています。

 <「感動ポルノ」はダメなの?:24時間テレビとバリバラの間で:無意識の差別と障害者の教材化

以前、スペシャルオリンピックス(知的障害者のオリンピック)日本の大会が当地新潟で開催されたとき、私も見に行ったのですが、スピードスケート競技に参加したある少年が途中で止まってしいました。すると、客席から大きな声がかかりました。

「休むな! 最後まで行け!」。やさしい声援とか「そのままでいいんだよ」メッセージというよりも、だみ声の叱咤激励です。でも、それは侮辱でもなく、非人道的でもなく、彼はまたがんばって滑り始め、会場は温かでユーモラスな雰囲気と楽しい笑い声であふれました。

今はもう長屋はありませんが、落語が描き続けてきた長屋の心を失わず、その心を21世紀にも活用していきたいものです。

碓井真史 新潟青陵大学教授(社会心理学)/ スクールカウンセラー

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。

Yahoo!ニュース    6/5(火)


障害者への対応確認 文化ホール職員ら研修

2018年06月06日 11時48分17秒 | 障害者の自立

 都城市総合文化ホールの指定管理者、同市文化振興財団・MAST共同事業体は5月30日、職員ら26人が障害者のサポートを学ぶ研修会を開いた。同ホールの催しなどに障害者が来館した際の対応を専門家が指導。運営上気を付けるべき点を確認した。

【写真】視覚障害者の座席への誘導を学ぶ都城市文化振興財団の職員ら

2018年6月5日   宮崎日日新聞


障害者が賃料滞納した際に気をつけたいこと

2018年06月06日 11時42分03秒 | 障害者の自立

障害や病気の症状が悪化して、入院や浪費などのために、家賃を支払えず滞納してしまうことがあるかもしれません。今回は障害者の方が賃料滞納した時の注意すべき点等についてお伝えしたいと思います。

賃料支払期日を1日でも過ぎれば滞納

民法419条(金銭債務の督促)により、金銭は、必ず市場に存在し、調達が不可能になることはないから、金銭債務(賃料支払い)は債務不履行(約束を果たさないこと)になることはなく、天災等の不可抗力すら抗弁(口答えすること)とすることができず、損害賠償の請求をされます。簡単に言い換えれば、1日でも賃料の支払いが遅れる事は、一切の事情や言い訳も出来ず、遅延損害金等の支払い義務が発生する約束違反の状態です。相手に対して迷惑をかけているという自覚と、「申し訳ない」という気持ちを持って出来るだけ早く遅れている賃料を支払う事が大切です。

電気、ガス、水道、クレジットカード、携帯電話等は滞納が続けば、利用が出来なくなりますが、賃借人としての地位は民法や借地借家法で厚く保護されており、賃料滞納を理由に賃貸借契約書が簡単に解除出来るわけではありません。

賃料滞納が続けば合意解約を要求されます

賃貸人(物件オーナー)又は、賃借人に支払い能力がないと判断すれば、連帯保証人へ請求する等の措置を実施します。それでも解決出来ない場合には、賃貸借契約書の合意解除に向けて賃貸人(物件オーナー)は賃借人に対して任意の退去を求めて来ます。

ここで注意したいのが、例えば賃貸借契約書に「月額賃料3か月以上滞納した場合には、賃借人は本物件から退去しなければならない」といった強行規定記載されていても、法的には何ら効力がなく、賃借人が自らの意思で、賃貸借契約書の合意解除に同意させるための規定に過ぎません。ですので、ご自身の事情を賃貸人(物件オーナー)に説明し、支払い見込みがあれば分割での支払い等について相談してみましょう。

又、賃貸人(物件オーナー)が強行規定を根拠に賃借人の部屋の鍵をマスターキーで開けて荷物を運び出したら、住居侵入罪(刑法130条)等に問われる行為であり、そのような状況になった場合には、110番通報するか、最寄りの警察署へ相談する事をお勧めします。ちなみに、家賃債務保証会社が上記の行為を行った場合も同様の対応をしましょう。

強制退去には裁判所の判決が必要

様々な事情により、賃料を3ヵ月以上滞納した場合には、賃貸人(物件オーナー)は賃貸借契約書の解除、建物明渡請求、滞納賃料、遅延損害金の支払いを求める申立を裁判所に行う事が出来ます。裁判所で判決が下され、その後も退去明渡しに応じない場合には、裁判所の執行官による強制執行が行われ、室内の荷物は運び出され、売れる物は売却され、その他の物は一定期間保存後に処分されます。退去明渡し等に要した費用は勿論、滞納賃料、賃料相当損害金(契約解除後に発生した賃料)、遅延損害金と合わせて請求されます。

このような事態になる前に、家族に相談したり、市町村の窓口で相談される事をお勧めします。

2018.6.5    障害者ドットコムニュース