公共施設や店舗などにある障害者らの専用駐車場を正しく利用してもらおうと、県は利用証を掲示する車だけを止めさせる「パーキングパーミット(PP)制度」の二〇一九年度中の導入を目指す。二十二日は岐阜市内で、障害者団体と大型店舗関係者、学識者らによる「県福祉のまちづくり推進会議」があり、内容について話し合われた。
車いす使用者、妊産婦ら向けの駐車場を健常者が使ってしまっていることから、〇六年に佐賀県が初めてPP制度を導入。現在は三重、静岡、滋賀など三十六府県に広がっている。
県内ではこれまで、三十台以上の駐車場がある施設で車いす用を一台分以上確保するよう条例で定めていたほか、妊婦と乳幼児連れの人向けの駐車場の整備も推進。県内には計五千台分以上あるとされるが、不正な利用も目立つ。県は「性善説にのっとりながら専用駐車場を増やすことに重点を置いてきたが、ルールの徹底を求める要望が増えた」とPP制度の検討を始めた。
素案では「ぎふ清流おもいやり駐車場制度」として、車いす使用者用の駐車場(幅三・五メートル以上)と、それ以外の歩行困難者向けの「ゆずりあい駐車場(おおむね二・五メートル以上)」を設定。県や市町村などが利用証を発行する。
二十二日の会議では、障害者団体が利用者の範囲拡大を求めたほか、利用証を発行する窓口の判断が難しくならないかや、店舗などが利用証の確認にどこまで責任を負うべきかなどを懸念する声も上がった。制度について「名称が分かりにくい」という指摘も。県は秋までに具体的な実施案をつくり、再びこの会議で意見を聞く。
県庁にある車いす使用者用駐車場(手前の三つ)と妊婦・乳幼児連れ駐車場。利用証を発行する制度の検討が始まった
2018年6月25日 中日新聞