ゴエモンのつぶやき

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自立の現場 揺れる障害者福祉<7完>就労 発想の転換が機会生む

2008年11月28日 00時46分41秒 | 障害者の自立
 「おはようございます」。知的障害のある清永政利(33)と荒津孝志(22)が車両基地・JR九州南福岡電車区(福岡市博多区)で働き始めて2カ月。元気の良いあいさつは職場ですっかり有名だ。「『あいさつが大事』っていつも言われていますから」と口をそろえる。

 2人は「ジェイアール九州メンテナンス」に3カ月の試行雇用で採用され、ゴミの分別などを担当している。「2人とも元気が良いし、まじめで素直」と職場の評価も上々で、同社は試行雇用期間後も契約社員として採用する予定という。

 2人が通うNPO法人「福岡ジョブサポート」(同市東区)は「ジョブコーチ(職場適応援助者)付き就労」を事業の柱に据えている。就労意欲の強い障害者が職員(ジョブコーチ)とともに連携先の菓子店で一般の従業員と一緒に軽作業を行い、終業後にコーチから助言を受ける。2人もこのプログラムを経て、試行雇用に出た。

 理事長の松本玲子(61)は「必要なのは作業の技術よりもあいさつとかまじめさなど基本的なこと。施設ではそれがなかなか身に付きにくい」と語る。これまでに26人を一般企業に送り出し、うち21人が離職せずに定着している。

 1999年に作業所として始まった福岡ジョブサポートは昨年2月、障害者自立支援法の新体系に移行した。就労支援策強化を掲げる同法について松本は「当事者も私たちも『就職する』という目的意識がより明確になり、トレーニングに臨む姿勢も積極的になった」と好影響を指摘する。

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 落ち着いた照明がおしゃれなカフェ「オリジナルスマイル」(同市東区若宮)は、社会福祉法人「福岡たちばな福祉会」が運営する知的障害者が働くための「就労移行支援」の事業所だ。

 同福祉会は障害者自立支援法施行後、少しずつ事業を広げてきた。法施行で賃貸物件でも施設運営が可能になったことを受け、菓子工房を賃貸ビルに移転し拡大、カフェも料亭だった建物を借りて改装した。

 事業拡大により利用者数は増え、補助金も年約4000万円から約7000万円に増えた。職員数は12人から倍増。収益も上がり、利用者の平均工賃も約1万円から約2万円にアップした。同会管理者の末松忠弘(36)は、「応益負担を除けば」という前提ならば、支援法を評価するという。

 「法律を活用すれば就労や工賃増につなげることもできる。補助金に頼るだけの施設運営から、就労支援の事業経営に転換できるか。それが問われている」

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 今秋、福岡市であった県中小企業経営者フォーラムで、末松は企業経営者たちを前に講演した。「福祉の人間に『商売』は難しい。企業にはボランティアではなく、ビジネス(仕事)として(障害者福祉に)かかわっていただきたい」。対して、経営者からは「欲しい人材を施設側は安定的にそろえられるのか」といった質問が上がった。

 末松は講演後、「企業や地域の協力は不可欠。接点はあるはず。議論を重ねたい」と表情を引き締めた。施設から地域へ。支援法の理念は、福祉施設側の努力だけでは実現できない。 (敬称略)
 =おわり
(この連載は江藤俊哉が担当しました。読者の声を踏まえた記者ノートを後日掲載します)

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 ●障害者自立支援法メモ

 ▼就労と工賃 障害者雇用促進法は民間企業(従業員56人以上)に障害者雇用を義務付けている。2008年6月現在、民間企業に雇用されている障害者は前年比7.6%増の約32万6000人で、雇用率は1.59%。法定雇用率1.8%を達成している企業は44.9%だった。障害者自立支援法の就労移行支援事業を経て一般就労に移行した障害者は同年4月現在、利用者の14.4%にすぎず、移行者が1人もいない事業所が全体の4割を占めている。

 一方、07年度の全国の施設の月平均工賃は就労継続支援(雇用型)8万5000円▽同(非雇用型)1万3000円▽福祉工場12万8000円▽入所・通所授産1万3000円▽小規模通所授産9000円。

働いて生きる:障害者自立支援法、完全施行から2年/中 就労移行支援制度 /山梨

2008年11月28日 00時43分30秒 | 障害者の自立
◇「子の行く末」に不安持つ親たち
 甲府市に住む公務員の男性(47)の小学4年生になる長女(10)は、3歳の時「知的障害を伴う自閉症」と診断された。

 地域の人に長女の存在を知ってもらうことも必要と思い、市立小の特別支援学級に入れた。同級生たちも「おはよう」「遊ぼう」とよく声をかけてくれ、着替えも手伝ってくれる。だが、「このままでいいのか」という思いは尽きないという。

 周囲の子たちはやがて思春期にさしかかり、人間関係に悩み始める。娘はそういう世界に入っていけるだろうか。むしろ「自立」を掲げる支援学校で、障害者として生きていく手段を身につけさせたほうがいいのではないか--男性は、長女が5年生になったら支援学校へ転校させることも考えている。

   ◇  ◇

 障害を持つ子供を取り巻く環境は、07年4月の改正学校教育法施行で「特殊教育」から「特別支援教育」へ大きく転換した。盲・ろう・養護の各学校は特別支援学校に統合され特殊学級は特別支援学級と名を変えた。

 文部科学省は特別支援教育を「児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援する」(07年4月の通知)と定義する。

 文科省は進路指導の充実を求めており、各支援学校では職業の体験学習や就職情報の提供などを始めている。

 その後についても、新たな試みが始まる。障害者自立支援法に基づき、一般企業への就職希望者に2年間、仕事に必要な知識や能力を身につけてもらう「就労移行支援」だ。企業実習などで、技術や知識だけでなく、接客マナー、あいさつ、服装など社会生活に必要なイロハも学ぶ。

 だが、甲斐市の身体障害者通所施設「ぎんが工房」の内藤和恵施設長(45)は「未知数の部分が大きい」と言う。ぎんが工房は来年度から就労移行支援プログラムを導入する予定だ。

 各施設の職員から選ばれる「就労支援員」が実習先の企業を探し、さらに各通所者の適性を判断して就職先との橋渡しをする仕組みだが、内藤施設長はこう話す。「企業などと交渉して職場を開拓するノウハウがこちらにはないのです」

 また、同プログラムの導入で、障害者1人あたり国から施設に支払われる報酬が、従来の授産施設より安くなることも施設側に二の足を踏ませており、導入が決まっている施設は県内でまだ7カ所にとどまっている。

   ◇  ◇

 特別支援教育を希望する保護者は増え続けている。08年5月1日現在、県内の特別支援学校に在籍する児童生徒は792人で、10年前の盲・ろう・養護各学校の児童生徒数556人に比べて3割増えた。だが、卒業後の受け皿はいまだに不安定なままだ。

 「何で自分だけ不幸なのか」。冒頭の公務員男性は長女の障害を告知された時、そう思い詰めたという。「これまで障害児は、学校を出たら何の準備もなしに社会に放り込まれていた。それに比べれば仕組みは整いつつある。自分が死んでもこの子が生きていけるよう、内容の伴った仕組みにしてほしい」


筑波技術大学がロゴスウェアと共同開発の聴覚障害者支援ソフト「UDPConnector」を無償配布

2008年11月28日 00時38分48秒 | 障害者の自立
筑波技術大学は2008年11月27日、ロゴスウェアと共同で開発した聴覚障害者のための遠隔支援用ソフトウェア「UDPConnector」の無償配布を行うと発表した。

「聴覚障害者のための遠隔支援システム」とは、教室の音声と映像をインターネット経由で遠隔地にいる字幕作成グループ(PC 要約筆記団体)に送り、そこで字幕化されたデータを元の教室の聴覚障害者に提示するシステムだ。

今回、研究過程で開発したソフトウェアを営利、非営利を問わず聴覚障害者支援を行っている団体に対して無償配布する。

同大学では、聴覚障害者に対する情報保障に関する研究活動を組織的に実施してきた。

発表によると、従来、PC 要約筆記者を聴覚障害者のいる教室に派遣し字幕を提示していたところを、本システムによって、遠隔地からの支援も可能となるそうだ。

同システムでは、要約筆記者が従来から使用していたソフトウェアや連携手法を比較的そのままインターネット環境でも使用できる。そのため、簡単に遠隔支援体制を構築できるという利点がある。

第14回障害者政策研究全国集会(12/13-14・東京)に集まろう!

2008年11月27日 09時41分06秒 | 障害者の自立
●第14回障害者政策研究全国集会(12/13-14・東京)に集まろう!

申込用紙などは、ブログからダウンロードできます。
http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/2008/11/141213-14-3ec2.html

テーマ:「障害者権利条約で変えよう社会を!法律を!」


・日時:2008年12月13日(土)全体会 午後1時~午後4時45分 
  (受付:12時より)
  14日(日)各分科会 午前10時~午後4時30分
 (受付:9時より)
・会場:13日(土)戸山サンライズ 大研修室
     14日(日)戸山サンライズ
          新宿区立障害者福祉センター(2階会議室)

・参加費:3,000円(1日目から参加の方は戸山サンライズ2階、
2日目から参加の方は、各会場の受付でお支払いをお願いします)
* お弁当(別途1,000円)をご希望の方は、申し込み用紙にて
お申し込み下さい。

・参加申し込み:申し込み用紙に必要事項を記入の上、FAXまたは
郵便で事務局まで送付してください。

・情報アクセス:手話通訳、文字筆記、点字資料をご希望の方は、
申し込み用紙の記入欄にご記入下さい。
・申し込み締め切り日:12月1日(月)

・事務局:障害者政策研究集会実行委員会・事務局  
  担当:上薗、福島
    〒101-0054東京都千代田区神田錦町3-11-8 
     武蔵野ビル5階 DPI日本会議内(点字印刷ビギン) 
    TEL 03-5282-0015 FAX 03-5282-0017 
    Email fukushima@dpi-japan.org


<プログラム(概要)> 
13日(土) 【全体会】13時00分~16時45分
  戸山サンライズ 大研修室
◆開会あいさつ
  報告:障害者自立支援法の「3年後の見直し」をめぐる現状と
課題  
  報告:精神障害者の施策に関する検討会の概要を含めて    

   
◆シンポジウム
  テーマ「障害者権利条約の批准と障害者差別禁止法制定の課題」

  
  「障害者市民案」(通称)の報告(要旨) 

14日(日) 【分科会】(午前:10:00~12:30 
           午後:13:30~16:30)
【自立支援分科会】
【権利擁護分科会】
【所得保障分科会】
【交通・まちづくり分科会】
【精神障害を持つ人々の分科会】
【教育分科会】
【労働分科会】
     

・主催:障害者政策研究集会実行委員会
構成団体:(順不同)
全国自立生活センター協議会(JIL)
全国公的介護保障要求者組合/差別とたたかう共同体連合
全国「精神病」者集団/全国ピアサポートネットワーク
障害児を普通学校へ・ 全国連絡会
障害者の政治参加を進めるネットワーク
日本脳性マヒ者協会・全国青い芝の会
全国障害者介護保障協議会
自治労障害労働者全国連絡会
市民がつくる政策調査会
DPI日本会議
・共催:新宿区障害者団体連絡協議会

JDFセミナー「障害者権利条約で変わる 私たちの暮らし」

2008年11月27日 09時38分05秒 | 障害者の自立
まだ間に合います! ぜひご参加ください。

 12の障害者団体・関係団体で構成される「日本障害フォーラム
(JDF)」は、その設立以来、障害者権利条約の推進に民間の
立場から取り組んでいます。2006年12月に条約が採択されてからは、
国内での批准と実施に向けて、政府との定期的な意見交換や、
各地域でのフォーラム開催を通じた啓発・キャンペーン活動などを
行っています。
 権利条約では、職場や学校を含む日々の暮らしの中で、
障害のある一人一人のニーズに応じた「合理的配慮」(適切な
変更や調整など)が求められるとし、これを行わないことは
差別であると定めています。
 本セミナーでは、この「合理的配慮」をテーマに取り上げ、
私たちの暮らしを変えていくために、「合理的配慮」の考え方を
どう活かせるのか、共に議論していきます。

・日時: 2008年11月29日(土)10:00~16:00
・場所: 全社協・灘尾ホール
(東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル)

・参加費:1,000円(資料代)
※手話通訳、点字資料、要約筆記あり
(当日受付にてお支払いください。資料を必要としない
介助者等は無料です)

・お問い合せ  JDF事務局  原田、松田
   FAX: 03-5292-7630
E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp
162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
TEL: 03-5292-7628