観・環・感

野鳥観察や旅行、映画などの趣味と日常生活や世の中の状況について、
感じる事を書いています。

トゥモロー・ワールド

2007年07月14日 | 映画・テレビ
台風の影響が免れないこの連休3日間のため、昨日仕事帰りにDVDを借りた。
今日見たこの映画は、人類に子供が生まれなくなった2027年の英国を舞台に、一人の男の視点からシリアスに描かれている。
ストーリーは、西暦2027年11月。世界中が内戦状態のような有様で、経済は恐慌状態に陥っており、人類は将来への希望をなくている状態。
理由は不明だが、人類は出産の能力が失われ、この18年間全く子供が生まれていない。イギリスのロンドンは、かろうじて秩序を保ってるいが、治安は日々悪化している。世界一若いブラジルの青年が刺殺されたという絶望的なニュースが流れているこの日も、市街地で爆破テロが発生していた。翌日、エネルギー省に勤めるセオは、出勤途中に元妻のグループに拉致され、元妻の指示で彼の従兄弟の政府高官から通行証を手に入れる。途中、妻は、グループの裏切りで殺されるが、セオは、子供を身ごもっている黒人女性をある謎のグループに渡すため、あらゆる困難を乗り越えるはめになる。
国家とテログループの双方に追われての逃亡中、彼女は出産する。しかし、かろうじて目的の場所までたどり着き、小舟で沖に出るが、彼は銃撃された怪我のため、ついに息を引き取る。やがて濃霧の向こうから謎のグループ(環境団体のグリーンピースのような団体に思えた)の漁船のような船があらわれる。
主人公セオ・ファロンの行動を中心にドキュメントのように作られているが、抑えた淡々とした作りは、むしろ現実観を伴う。しかし、人類全体の世界観や状況説明が希薄なので、映画の中身が十分頭に入らないといういらだち感が残る。
流行のSFアクション・エンターテインメントとは違い、少子化・人種問題・民族紛争・宗教対立・テロ・環境問題などを織り込んだ見応えのある映画だ。もしや現在の20年後は、考えさせられるショッキングな映画だが、真面目に丁寧に作られている。
一見地味な印象を与える抑制された演技だが、その方が現実感を感じさせる主人公を演じたのは、イギリス王立演劇学校出身で舞台経験の豊富なクライヴ・オーウェン。 マット・デイモンの「ボーン・アイデンティティ」の殺し屋役で注目され、「キング・アーサー」で主役を演じた。
ネタバレで恐縮だが、派手なアクションを見慣れている私としては高揚感には欠けが、お薦めの映画である。

生活保護打ち切られ,餓死

2007年07月12日 | 日記
古舘伊知郎がキャスターを務める報道ステーション、今日のニュースは、マリナーズのイチロウが米国のオールスター戦でMVPを獲得したニュースの後で、中年男性の餓死の話だった。
死亡しミイラ化して発見された男性は、生活保護を打ち切られそのまま餓死した模様だという。市役所は、働けると判断して生活保護を打ち切ったというが、若い人でも就職先に困っているのに、中年の男性にはそんなに簡単に仕事など見つからないのが現状だ。そんなことを承知で平然と生活保護を打ち切っているのは、北九州市。この市では、生活保護を打ち切られ餓死する人が続出しているようだ。
少し前の読売新聞に「弱者へのやさしさどこへ」という記事があった。
この記事に上野駅でホームレスに週1回炊き出しを12年間続けている韓国人の宣教師が以前は、大変ですねと声をかけてくれる人や1000円ほどのお金を置いてくれる人もいたが、6~7年前からいなくなったというのだ。
「他者への優しさ」という日本人の特性が消えかけているというのだ。
東洋大の中里名誉教授が以前から小学生にゲームをさせ、日本人の利他心の調査ををしている。これは、ゲームに勝った子がもらったチップをどう使うかで思いやりの度合いを測るというという実験である。1980年代半ばまでは、余ったチップを負けた子に分け与える子の割合は、約80%にのぼっていたが、80年代後半に突如40%台に下がったのだ。この現象は、「勝ち組、負け組」といういやな言葉が今の若い世代には違和感のないレベルとなっているのかとも想像される。背筋がぞっとする話である。特に小泉政権後、日本の格差は拡大しているので、経済的にも問題だが、社会規範的にも見直さなければ、どうしようもなく日本人の精神は、落ちていくのではないか。

熱帯夜に思う

2007年07月09日 | 自然・環境
7月2日の国立環境研究所の発表によると、極端な高温・低温の発生頻度に注目して、コンピュータシミュレーションモデルを用い、2030年までの近未来地球温暖化予測を行った。その結果、1951年~1970年の期間に比べて、2011年~2030年の期間では、暑い昼・夜の増加と寒い昼・夜の減少が予測された。(自然のゆらぎを考慮して計算)
以前は、「温暖化現象などない。気候システムには数十年規模の自然の揺らぎがあるのだ。」と言われたりしていたが、今回、スーパーコンピューターで分析した結果、将来、温暖化による極端な高温の増加は、世界各地で顕在化する可能性が高いことが明らかになったのだ。
ということは、単に寝苦しい熱帯夜が続出というだけでなく、様々な環境問題を引き起こすことが、いよいよ確定したということだ。
食糧にしている生物や植物、水資源等にも影響は及ぶが、さらに、温暖化以外に乱開発による自然破壊も加わり、悪化の拍車がかかる。農業では、これまでその土地に適していた作物が恒常的な不作となり、食糧不足や飢饉を招く。欧米資本の品種改良作物に頼ると次第に土地は荒れ、適さなくなった耕作地の放棄、新たな開墾による自然破壊をもたらす。狩猟や漁業も同様である。このことは、温暖化は100年後の遠い将来の問題ではなく、現在存在する人々の多くが人生の中で影響を受けるようになることを示唆している。
これらのことは、まだまだ先のことと思っていたが、すでに足元にまで来ているらしい。
発酵を行う微生物は、気温や湿度などの微妙な生息環境に左右される。すでに、ヨーロッパではワイン産地の移動が始まっている。
チベット、ヒマラヤ、ロッキー山脈などで降雪量の減少、氷河融解が見られる。「グリーンピース」によると、赤道付近にありながら氷雪の見られるキリマンジャロでも温暖化の影響により、2015年までにこの山にある氷がすべて消失してしまうおそれがあるとしている。









私と陶芸の世界

2007年07月07日 | 日記
勉強会の6月例会は、本日、徳島県立文学書道館で開かれた”「芸術・文化を語る」第3回「私と陶芸の世界」 井戸川豊”の講座を聞くことだった。
講師の井戸川豊氏については、現代陶芸作家論に書いた人で、彼の作品を数多く持っているH氏の人物評よりさらに好青年といった感じだった。
氏は、現在42才の広島大学の準教授だが、本人を見ると年齢よりずっと若くて、気さくな近所のお兄さんという感じだ。外見などからは、将来人間国宝と呼ばれる巨匠になるようには全く見えないところがまたいい。
陶芸の世界は、1伝統工芸、2美術工芸、3民芸、4クラフトのジャンルに分かれているようだ。互いに相手の批判もするが、現在は、は以前ほど明確な区別はないようだ。
氏は、伝統工芸に所属しているが、作陶に当たっては、1表現、2技法、3現代性伝統といっても昔の真似だけであってはいけない)、4地域性(日本の中の徳島であったり、世界の中の日本であったりとのことらしい。)を大切にしている。
プロジェクターを使って、氏が師事した浅野陽氏と三浦小平二氏の作品と自分の作品の説明をしてくれた。
浅野先生の思い出話で印象深かったのは、大学(東京芸大)で教え子が自分の作品を説明するとき「、作品のコンセプトは…………」と言い出すと江戸弁で「そんな物は食ったことがないから分からない」と言うのと、「鰯をのせる皿は、鰯に聞け」である。ちなみにこの浅野先生の先祖は、広島浅野家の殿様である。食通でも有名な人で平成9年に亡くなっている。人間国宝にはなっていない。


講座の準備中、向かって右側が井戸川氏
スクリーンに映っているのは、浅野氏の作品 (富士山が描かれている)



真ん中右よりの直径40cm位の鉢は、第34回新作陶芸展で日本工芸会賞となった「銀泥彩磁かいわれ文鉢 」でないかと思われる。
左から4分の2のところにあるのが浅野氏の作品、井戸川氏や奥さん(やはり東京芸大で浅野氏の教え子)がもらったものもある。
後はすべて井戸川氏の作品(金色っぽく写っている。)
スクリーンの絵は、三浦氏のアフガニスタンでのスケッチ



賞をもらった器の内側をみると、かいわれ大根が書かれているのが分かる。(いずれもコンパクトカメラを使用)
井戸川氏の作品に「かいわれ大根」がよく出てくるのは、師匠の浅野氏の影響だろうか。


サンコウチョウ2

2007年07月07日 | 野鳥
明日も明後日もどうやら雨模様のようだ。
水不足の徳島では豪雨でなければ歓迎だが、休みの日だけは天気の方がよい。
そんな訳で、このサンコウチョウの写真のリベンジも当分おあづけだ。


しかし、鮮明な写真が撮れない。(相当トリミングしている)
サンコウチョウのとさかの変化も面白い。


胴体の方は完全に枝がかぶっている。
どんな所に棲んでいるのかは分かる。

ダムを過信して

2007年07月04日 | 日記
6月30日の読売新聞 「逆流 岐路の河川行政5」から
2004年は台風が史上最多の10個も上陸し、その年の7月の新潟豪雨は死者15人を出した。(温暖化が進めば、さらに台風の上陸が増えるという予測がある)
24時間で400mmを超えた新潟県の刈谷田川と五十嵐川では、市街地に面した堤防が一気に決壊。多くの住民が激流から逃げ遅れた。避難勧告が遅れたり、高齢者の被災など、水害に対する社会の脆弱性を露呈したりした。
「住民も行政も、ダムが出来て安心しきっていたのではないか。」県の担当者は、今にしてそう語る。   
「ダムができたら安心」「河川行政を担う国土交通省などはそう説明してきた。」
米国は、カトリーナ級のハリケーンがいつきてもおかしくない。その時は、人命だけは何としても守る。水はあふれることを前提として堤防の強化やダムを造るという政策を見直し、防災から減災へと発想の転換をしたようだ。
日本の国土交通省も上記の2004年の豪雨被害を教訓に「輪中堤の建設」や「危険な川の近くに新しく家を建てることを制限する制度の立法化」を目指したが、内閣法制局や国会議員から突き返されたらしい。
新聞は、「住民参加の流れに背を向けたままでは、河川行政は大水害の危機に対応できず、後退するばかりではないか。」と結んでいた。
徳島の第十堰も同じである。堰を可動堰化すれば、水害がなくなるのでは決してないのである。那賀川上流のダムについては、ダムを1つ作れば、水害がなくなるというのではないということが、地元住民の長い闘いの中で周知の事実となったので、建設計画はなくなった。しかし、第十堰はこの先まだどうなるか分からない。


カイツブリの子育て2

2007年07月03日 | 野鳥

「お父さんもお母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんもいなくなった。どこへ、行ったのだろう。」といった風情。



今度の餌は、どうやらイトトンボのようだ。しかし、子どもたちは、魚やオタマジャクシのほうが良いのか、「トンボかよ」といった様子で巣の中に
潜り込んでいってるように見える。
「餌については、トンボのヤゴは知っていたが、成虫を見たのは初めてだ。

カイツブリの子育て1

2007年07月02日 | 野鳥
カイツブリは、現在子育ての真っ最中だ。
雛に給餌しているのは、パパの方かな(オス、メス交代で餌を獲りにいくようだ。)




2枚とも大きくトリミングしている。

サンコウチョウ

2007年07月01日 | 野鳥
さえずりの「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」が、月、日、星と聞えることから三光鳥と名付けられた。日本では4月下旬~9月下旬の間に繁殖、子育てをし、
その多くは中国南部からスマトラへ渡り越冬するそうだ。
暗い林を好むので、私の手持ちレンズでは写真を撮るのは難しい。仕方なく20年前の500mmレンズを三脚に据え付けることしたが、機動力が全くない。
先客の2人が追ってるのを尻目に鳥と関係ないものを撮っていたが、先客の2人が帰ると同時にサンコウチョウの方からやって来た。
この写真を撮った後、サンコウチョウがもう一度やって来るのを待ったが、すぐに雨が降り出した。
これが証拠写真




英名はBlack Paradise Flycatcher。 同じヒタキ仲間のオオルリやキビタキと体長はあまり変わらないが、オスの尾羽は、30cmもあり、全長45cm。
静岡県の鳥に指定されているこの鳥は、ジュビロ磐田がJIに昇格したときからチームのシンボルとなっている。
メスもオスに似た声でさえずる。オス、メスともに双眼鏡で確認できたがメスの写真は撮れなかった。メスの尾は短く全長18cm。