内シャントチューブの特性について、冠動脈外科学会でセッションがありました。横須賀市立うわまち病院で担当したのは、ゲティンゲ社で取り扱う、フローコイルという内シャントチューブです。
内シャントチューブの特性について、冠動脈外科学会でセッションがありました。横須賀市立うわまち病院で担当したのは、ゲティンゲ社で取り扱う、フローコイルという内シャントチューブです。
冠動脈バイパス術に使用する下肢の皮下静脈である大伏在静脈を、静脈壁をさわることなく、周囲の脂肪組織ごと採取して、グラフトとして使用する方法を、近年、Non-Touch Techniqueと称し、長期開存が期待できるとして話題になっています。
しかし、皮膚の感染、創部離開などのトラブルが従来の方法の4倍以上ともいわれ、また、術後1年んも時点での確認造影で、有意差はないが、開存率が良好であるとのデータもあるようです。しかしながら、1年後の開存率が90%前後とすると、そもそも最初の手術が、質がいいとは言えないと思います。こうしたデータでは、Non-Touch Techniqueのほうが開存率がいいという証拠にはまだ不十分と思われます。5~10年の長期間において開存率が良好である事が証明されるのを待つ必要がありそうです。
しかし、皮膚の感染、創部離開などのトラブルが従来の方法の4倍以上ともいわれ、また、術後1年んも時点での確認造影で、有意差はないが、開存率が良好であるとのデータもあるようです。しかしながら、1年後の開存率が90%前後とすると、そもそも最初の手術が、質がいいとは言えないと思います。こうしたデータでは、Non-Touch Techniqueのほうが開存率がいいという証拠にはまだ不十分と思われます。5~10年の長期間において開存率が良好である事が証明されるのを待つ必要がありそうです。
左小開胸の冠動脈バイパス術、いわゆるMICS-CABGにおいて、大伏在静脈の中枢側吻合は、通常は上行大動脈に部分遮断鉗子をかけて、MICS用のMicro持針器、攝子などを使用して行います。第4~5肋間からでは、上行大動脈は斜めの視野になるので、ちょっと技術的には難しい吻合になります。左内胸動脈、静脈グラフトの組み合わせで行う場合、手技として最も難しい吻合は、この上行大動脈への中枢側吻合です。この中枢側吻合ではKnot Pusherを使用した縫合糸の結紮が必要になることも、また出血した場合の止血操作も非常に難しい場合があります。また、この斜めの視野である為、自動吻合器のPAS-PORTや、中枢吻合デバイスであるEnclose-IIなども使用できません。Puncherも長めの専用のものが必要です。PAS-PORTで中枢側吻合を行う場合は、下行大動脈になら、創部をやや大きくすれば可能です。大動脈に静脈を吻合する際に、小開胸の創部から表在エコー(Epi-aortic Ech)で大動脈の内膜のプラークなどの性状評価はできないため、事前に造影CTで精密に評価しておくことが必要です。
上行大動脈の性状が不良な場合は、部分遮断鉗子をかけることが脳梗塞などの危険性がある為、吻合操作ができません。この時の他の中枢側吻合の方法として、左腋窩動脈に静脈グラフトを吻合して、そこから肋間を通して胸腔内に誘導する方法があります。この場合は、冠動脈への距離があるため、通常よりも長めに静脈採取する必要があります。大腿全長よりも10cm近く長く採取することが必要です。
上行大動脈の性状が不良な場合は、部分遮断鉗子をかけることが脳梗塞などの危険性がある為、吻合操作ができません。この時の他の中枢側吻合の方法として、左腋窩動脈に静脈グラフトを吻合して、そこから肋間を通して胸腔内に誘導する方法があります。この場合は、冠動脈への距離があるため、通常よりも長めに静脈採取する必要があります。大腿全長よりも10cm近く長く採取することが必要です。