大網脂肪織炎、非常に珍しい病態で、症例報告もあまりない病態のようですが、大網の脂肪組織が炎症して腫脹する病態で、基本的には保存的治療で軽快し、外科的治療の対象になることは非常に稀です。大網とはそもそも組織にリンパ系細胞をたくさん含んでおり、これによって感染防御機構が働き、腹腔内の炎症を抑え込む機能があります。虫垂炎が穿孔した場合などに、そこを覆って治す機能があるため、感染には非常に強い組織と信じられています。この大網そのものが感染により炎症を引き起こすこと、まるで水が燃える、というようなありえない話を聞いている気が最初はしましたが、わずかな症例報告およびその画像、組織所見から、やはり本当に実在するようです。
筆者はこの珍しい大網脂肪織炎を大網充填された大網に発生した症例を経験したことがあります。CT所見で明らかに大網組織が炎症性に腫脹して、39度の発熱、皮膚の発赤、圧痛を伴い、血液培養からブドウ球菌が同定され、抗生剤治療で解熱、炎症所見の軽快とともにCT画像の大網の炎症性腫脹も軽快していく過程を観察しました。
大網充填後の大網脂肪織炎の症例報告はまだなく、世界で初の症例かもしれません。
筆者はこの珍しい大網脂肪織炎を大網充填された大網に発生した症例を経験したことがあります。CT所見で明らかに大網組織が炎症性に腫脹して、39度の発熱、皮膚の発赤、圧痛を伴い、血液培養からブドウ球菌が同定され、抗生剤治療で解熱、炎症所見の軽快とともにCT画像の大網の炎症性腫脹も軽快していく過程を観察しました。
大網充填後の大網脂肪織炎の症例報告はまだなく、世界で初の症例かもしれません。