横須賀うわまち病院心臓血管外科

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手術室入室から退室までの流れ・時間経過

2019-04-22 18:38:11 | 心臓病の治療
 心臓血管外科の手術は様々なモニターを装着したりするため、麻酔導入、手術のセッティング、準備に時間がかかります。おそらく手術室入室から執刀開始まで最も時間がかかる診療科ではないでしょうか。
 予定の手術時間が5時間として、朝9時に入室した場合、14時に手術室から出てくる、ということはまずありません。動脈ラインを挿入し、麻酔を導入し、人工高級官吏を開始し、中心静脈ラインやスワンガンツカテーテルを留置、経食道超音波装置をセットしたり、といろいろと装着したりセッティングするものがあるため、手術前に全身を消毒しはじめるまで、施設にもよりますが、1時間前後かかります。MICS=低侵襲心臓手術の場合は、それに加えて内視鏡のモニターや光源の装置のセッティングなどもかかりますので、もっと準備に時間がかかります。・人工心肺のセッティングも同時に準備をはじめたりします。
 こうした多くの装置を駆使して行う心臓手術は、外科医、麻酔科医、スクラブナース、人工心肺技師、外回りナースなど多くのスタッフが関わっています。

 入室が9時で執刀開始が10時半とすると、5時間の手術の場合は、15時半ということになります。手術が終了しても、気管チューブの交換やレントゲン写真の確認、点滴類の整理などがあるため、そこから集中治療室に向けて退室するのは、さらに1時間近くの時間がかかります。

 手順が多くて時間がかかるようにも見えますが、一つ一つの手技や手順を安全確認しながら進めてくため、急ぐよりも確実・安全を最重視していることの証拠でもあります。
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