【目的】横須賀市立うわまち病院では2017年からMICS-CABGを標準術式とし、その後のCABG症例数、適応、術式の変遷、臨床的利益について検討した内容を、昨年12月の第37回日本冠疾患学会学術集会でのシンポジウムで発表しました。内容は、当施設で2017年10月から2024年7月までの単独CABG164例のうち、MICS−CABG84例と正中アプローチ80例を比較検討しました。
【MICS―CABGの適応と変遷】正中アプローチと同じデザインで血行再建できる依頼症例。低左心機能、末梢吻合部の性状不良は除外する。導入当初1/3の適応率が、2024年は92%にMICSアプローチを適応。グラフトはLIT
Aのみから静脈グラフトを経て動脈グラフト利用率が上昇しています。導入当初は1枝再建が多かったのが、2024年は8割で多枝再建となりました。再建枝数は正中アプローチ平均3.2に対しMICSでは2.6と少ないのは1枝再建症例が多いからと考えられます。標準退院日は正中を術後14日に対し、MI
CSでは8日と設定しています。安全確保のためIABPを積極利用している。
Aのみから静脈グラフトを経て動脈グラフト利用率が上昇しています。導入当初は1枝再建が多かったのが、2024年は8割で多枝再建となりました。再建枝数は正中アプローチ平均3.2に対しMICSでは2.6と少ないのは1枝再建症例が多いからと考えられます。標準退院日は正中を術後14日に対し、MI
CSでは8日と設定しています。安全確保のためIABPを積極利用している。
MICSでは再建枝数が有意に少ないために手術時間は正中340分に比較しMICS255分と有意に短く、術後在院日数は正中17日に比較しMICS13日と有意に短縮していました。グラフト開存率、死亡率に有意差はありませんが、胸骨を切開しないMICSには縦郭炎の発生は見られませんでした。
MICSはより軽症例でより選択される傾向にあるため術後成績が際立って良好に見え、循環器内科からのCABG依頼が増加傾向の好循環になると考えられました。