大動脈瘤の手術を受ける患者さんのご家族の質問です。
「血管を縫うのは溶ける糸で縫うんですか?」
たいへんいい質問です!
血管吻合は、吻合した後に圧がかかる場所でもあるので、糸が解けた後に吻合が外れてしまっては困ります。よって、正解は解けない糸で縫います。実際にはポリプロピレンのモノフィラメント糸(一本の繊維でできた糸)、または複数の細いポリエステル糸を寄り糸にして出来たものなどを使います。これらの素材は生体内では変化しないので、何十年経過してもその吻合部にとどまります。これらの糸の素材は生体内で全く変化しないのが特徴で、外もありません。人工血管の場合は時間が経過すると自己組織が入り込んでいって一体化し、あとで吻合部が外れたりしないような構造になっていきます。
昔、刑事コロンボという映画で、冠動脈バイパス術の際に、故意に短期間で解けてしまう糸で吻合して術後に吻合部が外れて突然死させる、という殺人事件をテーマにしたものがありました。今から思うと、すごいストーリーです。
「じゃあ、抜糸はいらないんですね!」と言われ、「その通りです!」とお答えしましたが、一度人工血管を腹部大動脈に吻合し、その後しばらくして、吻合に使用した糸を抜糸するって頼まれても不可能です!!
一方、皮膚や腹壁を縫合する場合は、溶ける糸=吸収糸を使っています。ですので、手術創に関しても抜糸は必要ありません。最近は抗菌性のある吸収糸を使用することが多くなっています。
「血管を縫うのは溶ける糸で縫うんですか?」
たいへんいい質問です!
血管吻合は、吻合した後に圧がかかる場所でもあるので、糸が解けた後に吻合が外れてしまっては困ります。よって、正解は解けない糸で縫います。実際にはポリプロピレンのモノフィラメント糸(一本の繊維でできた糸)、または複数の細いポリエステル糸を寄り糸にして出来たものなどを使います。これらの素材は生体内では変化しないので、何十年経過してもその吻合部にとどまります。これらの糸の素材は生体内で全く変化しないのが特徴で、外もありません。人工血管の場合は時間が経過すると自己組織が入り込んでいって一体化し、あとで吻合部が外れたりしないような構造になっていきます。
昔、刑事コロンボという映画で、冠動脈バイパス術の際に、故意に短期間で解けてしまう糸で吻合して術後に吻合部が外れて突然死させる、という殺人事件をテーマにしたものがありました。今から思うと、すごいストーリーです。
「じゃあ、抜糸はいらないんですね!」と言われ、「その通りです!」とお答えしましたが、一度人工血管を腹部大動脈に吻合し、その後しばらくして、吻合に使用した糸を抜糸するって頼まれても不可能です!!
一方、皮膚や腹壁を縫合する場合は、溶ける糸=吸収糸を使っています。ですので、手術創に関しても抜糸は必要ありません。最近は抗菌性のある吸収糸を使用することが多くなっています。