自分が書いていることの意味がわかっていない人たち

ロシア国営テレビ「チャンネル1」の生放送中に、ウクライナ侵攻に反対するプラカードを掲げた女性が罰金刑になったそうだ。

ロシア国内でも、プーチンによるウクライナ侵略に対して怒りを露わにする人がいるだろうとは思っていたが、テレビ放送中に堂々とやるとは、たいしたものだと思う。

これに対して、世界中から賞賛の声が挙がるのは当然としても、このことを記事にした日刊ゲンダイの記事が、的外れすぎていて実に面白かった！？

https://news.yahoo.co.jp/articles/aedb59032e19be1e55022ccab893f117cc0b9ace

まず、日本国内でも取り上げられたことに触れた後、こう続けている。

「日本の放送局が一斉にこの女性スタッフの行動を称賛する姿勢に、鼻白んでしまう視聴者も少なくないのではないか」

当然のことながら「ん？」となった。

その後の文章は、はっきり言ってよくわからないのだが、一言で言うと、「以前、元官僚の古賀茂明が報道番組内で　『I am not ABE』というプラカードを掲げた時、日本のテレビ局はこれをたいして取り上げなかったくせに、どうして今回この女性のことを大きく取り上げたのか」ということになる。

記事に署名がないので、どこの誰が書いたのかがわからないが、こいつによると、その頃すでに頭がおかしくなったと思われていた古賀茂明の行為は、「当時の政権に対して、堂々と異を唱えた勇気ある行動」だということになる。

当時の古賀の行動については、以前に一度触れたことがあるのだが、安倍氏がイスラム国による人質殺害事件に対して「テロに屈してはならない」という前向きの発言であり、何らおかしいことは言っていない。

https://blog.goo.ne.jp/habutemushi/e/47b38bdeb032ebb8f23db5d88d5262cb

しかも、今回はプーチンによるウクライナへの侵略である。

当然のことながら、これに異を唱えたロシア人女性の行為は賞賛に値するのだが、安倍氏の発言は、このプーチンのような過激な連中に対する発言なのだから、むしろロシア人女性の行動に近い。

これに異を唱えたというとは、古賀の行動はむしろプーチンに近い、というとになってしまう！？

ただ、それ以前に古賀茂明の「I AM NOT ABE」といプラカードは、ロシア人女性の掲げた「NO WAR」と違って、まったく意味がわからない。

古賀本人は「安倍政治にNO」というつもりで掲げたのかも知れないが、普通に解釈したら、単に「私は安倍ではありません」と言っているだけで、「そんなことくらい知ってるよ、だから何?」という以上の言葉は浮かんでこないのである。

元々は、フランスの風刺専門新聞である「シャルリー・エブド」紙がイスムラ教を揶揄する風刺画を載せたことから、これに激怒したイスラム過激派によって同紙の編集長などが殺害されたことに抗議するため「私はシャルリー」という意味のプラカードを掲げたことにヒントを得たものと思われるが、発想があまりにも陳腐な上に、当時もネットなどでかなり批判を浴びていた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%96%E3%83%89%E8%A5%B2%E6%92%83%E4%BA%8B%E4%BB%B6

こんなくだらないプラカードが話題になるわけがなく、いくら「アベガー」のメディアでさえも、取り上げなかったくらいアホ丸出しの行動だったわけだけど、これと今回のロシア女性を比較して「日本のメディアは情けない」と主張している、ということは、この記事を書いたヤツは・・・

バカなの？