はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

そこまでして巨人に行きたい理由は?

2011-10-31 | 日記
今年のプロ野球・ドラフト会議で、東海大の菅野が、日本ハムに指名された件。

おじである原監督率いる巨人との談合がすでに出来上がっていたにもかかわらず、事前に挨拶も何もなかった日本ハムが指名し、指名権を得たことで、賛否両論がにぎわっている。

「日本ハムよくやった!巨人ザマ~」とか「日本ハムは失礼だ」とかである。
一部には「菅野は巨人に行きたがっているのに、なぜ日本ハムは邪魔をするのか」というものもある。

そして、「ドラフトは人権侵害だ。個人の選択する権利を奪うものだ」というものが、毎年のように出てくる。

しかし、これに対しては、昔から違和感を持っていた。

サラリーマンに例えれば、プロ野球界そのものが企業である。
そして、各球団は、勤務地(各営業所・工場)であり、投手・野手などのポジションは、それぞれの勤務地における部署である。

サラリーマン(になろうとする者)は、まずその企業に入れるかどうか入社試験なり面接を受ける。
これが、プロ野球においてはドラフトにあたる。

ここで名前があがることは、すなわち「入社内定」である。
企業では、次に勤務地・配属先を決めるのだが、地方企業ならともかく、全国規模の企業であれば、営業所・工場が全国にあるので、本人の希望はいちおう聞くものの、全体のバランスを考えれば、必ずしもその通りにはならない。
(もちろん、最近の若者は、希望通りの配属先にならないと、その時点で辞めてしまう者もいるけれど、そんな人間はそもそもその企業でやっていけるはずがないので、特に大きな影響はない)

これは、そのままプロ野球にあてはまると思う。

本人には行きたい球団があるのだろうが、全体のバランス・キャパシティを考えたら、必ずしもその通りにはならないと考えるのが普通だ。

そういう意味では、今回の菅野クンに限らず、かつての江川といい元木といい、わがまますぎると思うのだけど・・・


もちろん、プロ野球界は「業界」である、という考え方も成り立つと思う。

たとえば「自動車業界」で言えば、巨人がトヨタで、阪神は日産、ソフトバンクが本田(?)、中日がスズキみたいな感じ。

だから、皆がトヨタに行きたがり、トヨタがそれを受け入れれば、それでいいじゃないか、という理屈もあると思う。

しかし、自動車業界は全体のキャパ(台数)は決まっているので、そのシェアが入れ替わるだけであって、たとえトヨタが一社独占となっても、消費者からすれば、「自分の好きな車」だけを選べばいいので、あまり大きな影響はない。
一方、プロ野球界では、あくまでも「対戦すること」が基本なので、全試合で巨人が勝つようなことになったら、そもそもスポーツとして成立しないし、少なくとも他チームのファンは、そのうち興味をなくしてしまう。
最終的に巨人だけになったとしたら、もはやそれはプロ野球ではない。

いずれにしても、ドラフト制度がなくなってしまうと、プロ野球は崩壊してしまうと思う。


そんなことより・・・

今回、大学側は「事前に挨拶もなかった」と言っているようだけど、確かにマナーに反することだとは思う。

とは言え、もっと根本的な問題として、大学側が本人を差し置いて、プロ野球に行くかどうか、だけではなく、どこの球団に行くのかまで牛耳っている、という点だと思う。

そして、当然のことながら、裏では金が動いている・・・といわれている。

だいたい、大学生の進路を決めるのに、どうして監督に許可を得なければならないのか。
卒業前にプロに行くのならともかく、普通に卒業をしてから就職するのなら、当然本人の意思が最優先だろうに。
「オレに挨拶がない」とか言っている時点で、何だか怪しい!

まあ、大学でも理系の学部では、教授の推薦状がなければ就職できない、というのはあるらしいけど、当然裏で金なんか動いていないだろうし・・・

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