今回は「風と共に去りぬ(CS)」です。
マーガレット・ミッチェルの同名ベストセラーをビビアン・リーとクラーク・ゲーブルの共演で映画化し、1940年・第12回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞など10部門に輝いた不朽の名作。南北戦争前後のアメリカ南部を舞台に、炎のように激しく美しい女性スカーレット・オハラの激動の半生を壮大なスケールで描く。監督は「オズの魔法使」のビクター・フレミング。
主演:クラーク・ゲーブル、ビビアン・リー
共演:レスリー・ハワード、オリビア・デ・ハビランド、トーマス・ミッチェル、バーバラ・オニール、イブリン・キース、アン・ラザフォード、ハティ・マクダニエル、ランド・ブルックス、ハリー・ダベンポート、キャロル・ナイ、ウォード・ボンドなど
<ストーリー>
南北戦争直前のジョージア州。大地主を父に持つ勝ち気な娘スカーレット・オハラは、思いを寄せる幼なじみアシュリーが彼のいとこと婚約したことにいら立ちを募らせていた。そんな彼女の前に、素行の悪さを噂される男レット・バトラーが現れる。スカーレットはレットの不遜な態度に激しい憎しみを覚えながらも、なぜか彼に惹きつけられる。やがて南北戦争が勃発し、激動の時代の中でスカーレットの運命は大きく翻弄されていく。
1939年の作品である。
「不朽の名作」との呼び声が高い映画であるが、これまで見たことがなかったので、今回CSで放映していたことから、ようやく見ることができた。
という前置きはさておき・・・
これって、名作なのか?
確かに80年前の映画にしては、映像が綺麗だし、印象的なシーンもいくつかある。
しかし、とにかく主人公のスカーレット・オハラの性格が悪すぎて、確かに綺麗ではあるけれど、まったく感情移入できない女だった。
特に前半は、自分が好きだったアシュリーが従姉であるメラニーと結婚したことに嫉妬し、まったく恋愛感情もないメラニーの弟と腹いせに結婚するなど、とにかくわがまま放題で、「このままだと見ていられないけど、きっと後半で一気に変わるんだろうな」と思っていた。
ところが、南北戦争に負け、故郷のタラが焼け野原となった中で、妹たちのケツを蹴っ飛ばして奮起するあたりで、一瞬強い女として生き返るのかと思いきや、結局元々の性分が変わることもなく、最後の最後までまわりを翻弄し続ける。
製作当時の状況から考えたら、完全な男尊女卑の社会で「強く逞しい女」として男を翻弄するところが、特に女性にウケたのかも知れないけど、この女は実は回りの女性たちも翻弄しまくっている、というか迷惑ばかりかけている。
つまり、見た目はともかく、人間的にまったく魅力がないのである。
後半では、まず妹の婚約者であるフランクを騙して結婚する。
これも一家を養うため、という一応の大義名分はあるものの、非情というよりは薄情である。
だいたい、フランクもスカーレットから「妹は別の男性と結婚するのよ」と言われて、本人に確認することもなく即座にスカーレットとの結婚を承諾するなんて、アホなのかとしか思えない。
そして、その前後に登場してはスカーレットを逆に翻弄しているレット・バトラーから「危険だから行くな」と言われている村に一人で行き、案の定不逞の輩に襲われたところを、元召使の男に助けられたものの、そのことに激怒したフランクたちが報復のために村を襲いに行って逆襲され死んでしまう。
その直後に今度はレットと結婚する。
初めての子供(女の子)をもうけたものの、この女の子も不慮の事故で亡くなってしまう。
ここの描き方も淡泊と言えば淡泊だった。
スカーレットたちの父親が亡くなった時も、屋敷にやってきた元管理人の横柄な態度に激怒した父親が、馬に乗って後を追いかけていく途中、柵を飛び越え損ねてしまい、そのせいで死んでしまうのだが、それとまったく同じ状況で娘は亡くなる。
娘が馬に乗って「乗馬がうまくなったよ」と言って柵越えするところを見せようとするところで、スカーレートが「そう言えば父も・・・」みたいに思い出すのだが、その直後に・・・というシーンだったのだけど、どうにも陳腐な演出だったように思えた。
その後スカーレットはレットと「好きだ」「いや嫌いだ」を繰り返すのだが、彼女たちを献身的に見守ってきたメラニーが、彼女たちの娘が亡くなった直後に産褥でこれまた亡くなってしまう。
これによって、ようやくアシュリーを手に入れることができると喜んだスカーレットだが、アシュリーにはまたまた振られてしまい、ここでようやく実はレットを愛していることに気付き、レットにもう一度やり直そうと持ち掛ける(実はその直前に離婚している)のだが、すでにスカーレットに愛想を尽かしたレットは彼女の元を去る。
どうですか、こんな女のいったいどこがいいの?
そしてラストなのだが、これが実に笑えるシーンとなっている。
レットに去られたスカーレットは、「どうしていいかわからない」と涙に打ちひしがれるものの、すぐに「まあいいわ、明日考えよ」っと、気を取り直して部屋に戻ろうとするのだが、その途中で「お前にはタラしかない」という父親の声が聞こえてきたので「そうだ、タラに帰ろう」と一瞬にして立ち直る。
これって「感動的なラストシーン」なのか?
私としては、コメディなのかと思ったくらいふざけた展開だった。
とにかく自分勝手でわがままし放題だし、まわりの人たちの気持ちも無視して突き進む、というまったく感情移入しようという気にもならない女が主人公なので、最後まで感動することもなく見終えた。
世の女性たちが「こんな風に自分勝手に生きたい」とか「男たちを翻弄してやりたい(そのせいでまわりの女たちがどうなろうと、知ったこっちゃない)」という生き方に憧れるのであれば、この主人公は理想的なんだろうけど、そうでない人にとっては、この映画の何がいいのか理解できないと思うのだが、どうなんでしょう。
どう考えたって、スカーレットはこの後も同じようなことを繰り返していくぞ。
ということで、「不朽の名作」も私には向いていないようなので、評価は「C」にしておきます。
マーガレット・ミッチェルの同名ベストセラーをビビアン・リーとクラーク・ゲーブルの共演で映画化し、1940年・第12回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞など10部門に輝いた不朽の名作。南北戦争前後のアメリカ南部を舞台に、炎のように激しく美しい女性スカーレット・オハラの激動の半生を壮大なスケールで描く。監督は「オズの魔法使」のビクター・フレミング。
主演:クラーク・ゲーブル、ビビアン・リー
共演:レスリー・ハワード、オリビア・デ・ハビランド、トーマス・ミッチェル、バーバラ・オニール、イブリン・キース、アン・ラザフォード、ハティ・マクダニエル、ランド・ブルックス、ハリー・ダベンポート、キャロル・ナイ、ウォード・ボンドなど
<ストーリー>
南北戦争直前のジョージア州。大地主を父に持つ勝ち気な娘スカーレット・オハラは、思いを寄せる幼なじみアシュリーが彼のいとこと婚約したことにいら立ちを募らせていた。そんな彼女の前に、素行の悪さを噂される男レット・バトラーが現れる。スカーレットはレットの不遜な態度に激しい憎しみを覚えながらも、なぜか彼に惹きつけられる。やがて南北戦争が勃発し、激動の時代の中でスカーレットの運命は大きく翻弄されていく。
1939年の作品である。
「不朽の名作」との呼び声が高い映画であるが、これまで見たことがなかったので、今回CSで放映していたことから、ようやく見ることができた。
という前置きはさておき・・・
これって、名作なのか?
確かに80年前の映画にしては、映像が綺麗だし、印象的なシーンもいくつかある。
しかし、とにかく主人公のスカーレット・オハラの性格が悪すぎて、確かに綺麗ではあるけれど、まったく感情移入できない女だった。
特に前半は、自分が好きだったアシュリーが従姉であるメラニーと結婚したことに嫉妬し、まったく恋愛感情もないメラニーの弟と腹いせに結婚するなど、とにかくわがまま放題で、「このままだと見ていられないけど、きっと後半で一気に変わるんだろうな」と思っていた。
ところが、南北戦争に負け、故郷のタラが焼け野原となった中で、妹たちのケツを蹴っ飛ばして奮起するあたりで、一瞬強い女として生き返るのかと思いきや、結局元々の性分が変わることもなく、最後の最後までまわりを翻弄し続ける。
製作当時の状況から考えたら、完全な男尊女卑の社会で「強く逞しい女」として男を翻弄するところが、特に女性にウケたのかも知れないけど、この女は実は回りの女性たちも翻弄しまくっている、というか迷惑ばかりかけている。
つまり、見た目はともかく、人間的にまったく魅力がないのである。
後半では、まず妹の婚約者であるフランクを騙して結婚する。
これも一家を養うため、という一応の大義名分はあるものの、非情というよりは薄情である。
だいたい、フランクもスカーレットから「妹は別の男性と結婚するのよ」と言われて、本人に確認することもなく即座にスカーレットとの結婚を承諾するなんて、アホなのかとしか思えない。
そして、その前後に登場してはスカーレットを逆に翻弄しているレット・バトラーから「危険だから行くな」と言われている村に一人で行き、案の定不逞の輩に襲われたところを、元召使の男に助けられたものの、そのことに激怒したフランクたちが報復のために村を襲いに行って逆襲され死んでしまう。
その直後に今度はレットと結婚する。
初めての子供(女の子)をもうけたものの、この女の子も不慮の事故で亡くなってしまう。
ここの描き方も淡泊と言えば淡泊だった。
スカーレットたちの父親が亡くなった時も、屋敷にやってきた元管理人の横柄な態度に激怒した父親が、馬に乗って後を追いかけていく途中、柵を飛び越え損ねてしまい、そのせいで死んでしまうのだが、それとまったく同じ状況で娘は亡くなる。
娘が馬に乗って「乗馬がうまくなったよ」と言って柵越えするところを見せようとするところで、スカーレートが「そう言えば父も・・・」みたいに思い出すのだが、その直後に・・・というシーンだったのだけど、どうにも陳腐な演出だったように思えた。
その後スカーレットはレットと「好きだ」「いや嫌いだ」を繰り返すのだが、彼女たちを献身的に見守ってきたメラニーが、彼女たちの娘が亡くなった直後に産褥でこれまた亡くなってしまう。
これによって、ようやくアシュリーを手に入れることができると喜んだスカーレットだが、アシュリーにはまたまた振られてしまい、ここでようやく実はレットを愛していることに気付き、レットにもう一度やり直そうと持ち掛ける(実はその直前に離婚している)のだが、すでにスカーレットに愛想を尽かしたレットは彼女の元を去る。
どうですか、こんな女のいったいどこがいいの?
そしてラストなのだが、これが実に笑えるシーンとなっている。
レットに去られたスカーレットは、「どうしていいかわからない」と涙に打ちひしがれるものの、すぐに「まあいいわ、明日考えよ」っと、気を取り直して部屋に戻ろうとするのだが、その途中で「お前にはタラしかない」という父親の声が聞こえてきたので「そうだ、タラに帰ろう」と一瞬にして立ち直る。
これって「感動的なラストシーン」なのか?
私としては、コメディなのかと思ったくらいふざけた展開だった。
とにかく自分勝手でわがままし放題だし、まわりの人たちの気持ちも無視して突き進む、というまったく感情移入しようという気にもならない女が主人公なので、最後まで感動することもなく見終えた。
世の女性たちが「こんな風に自分勝手に生きたい」とか「男たちを翻弄してやりたい(そのせいでまわりの女たちがどうなろうと、知ったこっちゃない)」という生き方に憧れるのであれば、この主人公は理想的なんだろうけど、そうでない人にとっては、この映画の何がいいのか理解できないと思うのだが、どうなんでしょう。
どう考えたって、スカーレットはこの後も同じようなことを繰り返していくぞ。
ということで、「不朽の名作」も私には向いていないようなので、評価は「C」にしておきます。
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