野田首相が「消費税増税法案が成立しなければ解散する」と言っているらしい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120103/plc12010309230005-n1.htm
よっぽどこの政党は、「解散するぞ」がよく効く呪文だと思っているようだ。
彼にそんな度胸があるとも思えないし、どうせ後になって「そのくらいの気持ちで臨む、という意味で言ったのだ」と言うに違いない。
そんな野田氏を擁護するのがこの人。
今日の天声人語
『どじょうを飼う知人がいる。名前は「どーちゃん」。おとなしくて、台風が接近すると底砂に隠れてしまう。そのくせ、すきを見て水槽を飛び出す瞬発力を備えているそうだ。臆病だが機敏、というのが飼い主殿の観察である▼「どじょう演説」の野田首相にも似た味がある。いつもはのらりくらり、慎重を旨としながら、ここ一発の意地は侮れない。きのうの年頭記者会見も一点突破の趣だった▼抑揚を欠いた受け答えの中で、こと消費増税だけは「先送りできない」と重ねて力を込めた。ついには高校で教わったチャーチルの言葉を引いて、「ネバー、ネバー、ネバー、ネバーギブアップ」ときた。水槽を飛び出す覚悟とみえる▼党内基盤が万全でない首相が不退転を口にし、なにやらキナ臭い年明けである。小沢元代表は「決起」のタイミングを計っている風だし、自民党は「日本の存亡をかけた政治決戦の年」と大きく出るらしい。「維新」を叫ぶ大阪市長らも国政への参戦をにおわす▼世界も選挙の年。オバマ大統領が再選を目ざす米国では、共和党が挑戦者選びに入った。ロシアやフランス、韓国でも大統領選がある。国を過(あやま)つ者は必ず民意に反撃される。投票にせよ、蜂起にせよ▼中東のように命をかけず、為政者を選び直せる幸せを思う。リーダーならずとも、いつも以上に立派なことを言うのが年頭の常だが、その言葉が軽すぎ、何人もの首相が選挙を待たず去った。「ネバーギブアップ」の重さ、しかと見極めたい』
天声人語子が野田首相のことを何とか褒めようとしていることが、よく伝わってくる。
天声人語子は「どじょうは、台風が接近すると底砂に隠れてしまう。そのくせ、すきを見て水槽を飛び出す瞬発力を備えている」と紹介している。
どう読んでも、どじょうのことを褒めてはいない。
何せ、「災難が降りかかりそうになると、隠れてしまう。しかし、相手が油断していると、突如逃げようとする」と言っているのである。
こんな人間が首相をやっているというのに、これのどこが「味」なんだろうか。
「いつもはのらりくらり、慎重を旨としながら」は、ただ逃げ回っているだけとしか読めない。
少なくとも「のらりくらり」が褒め言葉とも思えないが。
そして「ここ一発の意地は侮れない」とは、思い切ったものである。
彼のいったいどこに「意地」を感じ取ることができるのか。
単に「消費税増税法案が否決されたら解散するぞ」と言っているだけ。
どう考えたって、今ここで解散して総選挙になったら、勝ち目などあるはずがないのに、解散なんかするはずがない。
しかも、すでに前首相である菅直人が同じことをやっている。
菅氏の場合は、「オレは解散するなんて一言も言っていない」という、卑怯だが「実際、その通り」だったのに対して、野田首相の場合、はっきりと「解散する」とは言っている。
しかし、何だかんだと言い訳をして「解散しない」というのも見えている。
わざわざチャーチルの言葉を引用したからと言って、「だから何なんだ」としか言いようがない。
しかも、「水槽を飛び出す覚悟」とまで言う。
これって、その前の文章では、「水槽から逃げる」という意味で、使っていたのではなかったのか?
だいたい、野田首相にとって「水槽」は何の例えなの?
普通なら「狭い日本」ということなのかも知れないが、これと消費税とは関係ないし。
無理やり解釈すれば「民主党という囲いの中」ということになるけど、そんなものに隠れている時点で首相として失格だろうし、今さら「飛び出した」ところで、何の意味があるんだろうか。
何とか野田首相を擁護したいのはわかるけれど、引用の仕方が稚拙だろう。
そもそも「どじょう」って、意志が強いとか、たくましいとかいうイメージがまったくない生き物なのに、こんなものに例えて悦に入るなんて、野田さんも頭が悪い。
天声人語子も、何とか褒めようとかんばっているけど、ちょっとかわいそうになってきた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120103/plc12010309230005-n1.htm
よっぽどこの政党は、「解散するぞ」がよく効く呪文だと思っているようだ。
彼にそんな度胸があるとも思えないし、どうせ後になって「そのくらいの気持ちで臨む、という意味で言ったのだ」と言うに違いない。
そんな野田氏を擁護するのがこの人。
今日の天声人語
『どじょうを飼う知人がいる。名前は「どーちゃん」。おとなしくて、台風が接近すると底砂に隠れてしまう。そのくせ、すきを見て水槽を飛び出す瞬発力を備えているそうだ。臆病だが機敏、というのが飼い主殿の観察である▼「どじょう演説」の野田首相にも似た味がある。いつもはのらりくらり、慎重を旨としながら、ここ一発の意地は侮れない。きのうの年頭記者会見も一点突破の趣だった▼抑揚を欠いた受け答えの中で、こと消費増税だけは「先送りできない」と重ねて力を込めた。ついには高校で教わったチャーチルの言葉を引いて、「ネバー、ネバー、ネバー、ネバーギブアップ」ときた。水槽を飛び出す覚悟とみえる▼党内基盤が万全でない首相が不退転を口にし、なにやらキナ臭い年明けである。小沢元代表は「決起」のタイミングを計っている風だし、自民党は「日本の存亡をかけた政治決戦の年」と大きく出るらしい。「維新」を叫ぶ大阪市長らも国政への参戦をにおわす▼世界も選挙の年。オバマ大統領が再選を目ざす米国では、共和党が挑戦者選びに入った。ロシアやフランス、韓国でも大統領選がある。国を過(あやま)つ者は必ず民意に反撃される。投票にせよ、蜂起にせよ▼中東のように命をかけず、為政者を選び直せる幸せを思う。リーダーならずとも、いつも以上に立派なことを言うのが年頭の常だが、その言葉が軽すぎ、何人もの首相が選挙を待たず去った。「ネバーギブアップ」の重さ、しかと見極めたい』
天声人語子が野田首相のことを何とか褒めようとしていることが、よく伝わってくる。
天声人語子は「どじょうは、台風が接近すると底砂に隠れてしまう。そのくせ、すきを見て水槽を飛び出す瞬発力を備えている」と紹介している。
どう読んでも、どじょうのことを褒めてはいない。
何せ、「災難が降りかかりそうになると、隠れてしまう。しかし、相手が油断していると、突如逃げようとする」と言っているのである。
こんな人間が首相をやっているというのに、これのどこが「味」なんだろうか。
「いつもはのらりくらり、慎重を旨としながら」は、ただ逃げ回っているだけとしか読めない。
少なくとも「のらりくらり」が褒め言葉とも思えないが。
そして「ここ一発の意地は侮れない」とは、思い切ったものである。
彼のいったいどこに「意地」を感じ取ることができるのか。
単に「消費税増税法案が否決されたら解散するぞ」と言っているだけ。
どう考えたって、今ここで解散して総選挙になったら、勝ち目などあるはずがないのに、解散なんかするはずがない。
しかも、すでに前首相である菅直人が同じことをやっている。
菅氏の場合は、「オレは解散するなんて一言も言っていない」という、卑怯だが「実際、その通り」だったのに対して、野田首相の場合、はっきりと「解散する」とは言っている。
しかし、何だかんだと言い訳をして「解散しない」というのも見えている。
わざわざチャーチルの言葉を引用したからと言って、「だから何なんだ」としか言いようがない。
しかも、「水槽を飛び出す覚悟」とまで言う。
これって、その前の文章では、「水槽から逃げる」という意味で、使っていたのではなかったのか?
だいたい、野田首相にとって「水槽」は何の例えなの?
普通なら「狭い日本」ということなのかも知れないが、これと消費税とは関係ないし。
無理やり解釈すれば「民主党という囲いの中」ということになるけど、そんなものに隠れている時点で首相として失格だろうし、今さら「飛び出した」ところで、何の意味があるんだろうか。
何とか野田首相を擁護したいのはわかるけれど、引用の仕方が稚拙だろう。
そもそも「どじょう」って、意志が強いとか、たくましいとかいうイメージがまったくない生き物なのに、こんなものに例えて悦に入るなんて、野田さんも頭が悪い。
天声人語子も、何とか褒めようとかんばっているけど、ちょっとかわいそうになってきた。
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