監督の資質

昨日の巨人との直接対決初戦は、５－８で敗れたが、監督の資質の差が出た試合だったと思う。

先発のモンティージャは、初登場でもあり、期待よりも心配の方が大きかったけど、味方のエラーもあり、案の定打たれてしまった。

そして、後に続いたアドゥワ・中村恭平も打たれ、６回を終えて１－７とリードされて、相手の先発・山口俊の調子も良かっただけに、ほぼ負けを覚悟した試合だった。

しかし、８回表に西川（ソロ）と松山（３ラン）のホームランで一気に2点差まで詰め寄った。

当然、流れはカープに傾きかけているので、ここは一気に勝負を賭けるべき場面だ。

巨人も山口に代えて、抑えの左腕・中川を送り込む。

カープの打順が、安部・坂倉・小園と左打者が続くので、当然の起用である。

ここで緒方監督は、当然安倍に代えて三好か会澤を出すものだと思っていた。

しかし、安部をそのまま打席に送り出したので、ここで一回目の「はあ？」が来る。

その日好調なのであれば、そのまま打たせる手もあるが、３打席で１つ四球があるものの、後は凡退している。

にもかかわらず、そのまま打たせたわけだ。

当然結果は、予想通りの三振！

坂倉の場合は、残る捕手があと会澤しかいなくなるので、そのまま打たせる選択肢も当然あるわけだけど、安部の代わりとして、まさに三好がいるわけで、この緒方采配にはいささかがっかりした。

とは言え、まだ２点差のまま９回に繋げるためには、その裏はある程度の抑え投手を持ってくるべきだ、と思っていた。

ところが、７回にたまたまゼロに抑えた島内をそのまま投げさせる。

これが、２度目の「はあ？」

これまた予想通り１点を取られてしまった。

この回（８回裏）の巨人の攻撃は、先頭打者・亀井のセカンドゴロを、何と１塁手のバティスタが取りにいってしまう、というお笑いプレーによって出塁すると、続く岡本にもヒットを打たれ、無死１・２塁。

続くゲレーロのところで、原監督は、代打に重信を送った。

この日のゲレーロは、２度の満塁のチャンスでタイムリーヒットと犠牲フライで、３打点をあげている。

普通であれば代えないところだけど、もともとチャンスには弱いバッターである。

そこを見越してか、原監督は勝負に出た。

結局、島内の暴投で無死２・３塁となった後、きっちりと犠牲フライを打ち上げ、とどめの１点を取った。

なおも続く１死３塁のチャンスで、原監督は代打に大城を送るのだけど、カウントが２ボール２ストライクとなった時点で、３塁ランナーの岡本を増田に代える。

解説をしていたノムケンによれば、「これはゴロゴーという指示を出して、さらにもう１点とる作戦でしょう」と言っていたが、そうまでしてダメ押しをしようと考えているわけだ。

しかも、次のバッターとして阿部を待機させ、「おらおら、もっといくぞ」という姿勢を前面に出していた。

結局、大城が三振に倒れたことから、代打は阿部ではなく、田中俊太にしたのだけど、これも当然の対応だろう。

阿部だったら、間違いなく歩かされていただろうから、ここは田中にチャンスを与えた形となった。

結果はダメだったが、原監督の意図はわかる。

しかし、依然として理解できないのが緒方監督の采配。

３つ目の「はあ？」は、最終回の攻撃である。

マウンドには抑えのデラロサが上がったが、一度打ち崩していることもあり、まだまだ可能性はあった。

そして先頭の小園が打ち取られた後、次は投手ということで、当然代打の場面で、誰もがあの人とあの人を予想していた（はず）

しかし、告げられた名前は、何と田中だった！

少し前に、代打で野間が告げられた時以上に、カープファンからは「え？え？え？え？」という言葉（文字？）が浮かんだはず。

おそらく、ゼッタイに予想できない代打だろう。

ここで緒方監督は、試合を投げたのかとさえ思った。

打率は１割９分台ということで、単純に言えば「５回に１回」程度はヒットを打つ確率にはなるのだが、とにかく大量リードの場面（勝っていても、負けていても）でしか打っているイメージがないので、このような場面でヒットが出る確率はほぼゼロに近い。

誰もが「それはないだろう」という気持ちとともに、「たぶん三振だろうな」と思っていたと思うが、結果はその通り３球きれいにブンブン振り回しただけで、絵に描いたような三振だった。

せっかく、その後西川が出塁しただけに、もしも代打で三好か会澤あたりが出てきて、塁に出ていたら・・・・と思うと、ホント残念でならない。

緒方監督って、ホントに素質がないと思う。

というか、ピンチの場面で冷静な判断ができないのだと思う。

そして、結果的にいつも通りの何の工夫もない采配をすることになってしまうわけだ。

野間を殴った（？）という話も、たぶんそのあたりで我慢ができなかったのだろう。

もちろん、あの時の野間の怠慢プレーは、殴られてもおかしくはないものであったが・・・

もっと思い切ったことができるようにならないと、たとえセリーグを制したとしても、とてもパリーグ相手には勝てないと思う。