今回は「ラ・ラ・ランド(CS)」です。
「セッション」で一躍注目を集めたデイミアン・チャゼル監督が、ライアン・ゴズリング&エマ・ストーン主演で描いたミュージカル映画。売れない女優とジャズピアニストの恋を、往年の名作ミュージカル映画を彷彿させるゴージャスでロマンチックな歌とダンスで描く。「セッション」でアカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズも出演。第73回ベネチア国際映画祭でエマ・ストーンが最優秀女優賞、第74回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)ほか同賞の映画部門で史上最多の7部門を制した。第89回アカデミー賞では史上最多タイとなる14ノミネートを受け、チャゼル監督が史上最年少で監督賞を受賞したほか、エマ・ストーンの主演女優賞など計6部門でオスカー像を獲得した
主演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
共演:キャリー・ヘルナンデス、ジェシカ・ローゼンバーグ、ソノヤ・ミズノ、ローズマリー・デウィット、J・K・シモンズ、フィン・ウィットロック、ジョシュ・ペンス、ジョン・レジェンドなど
<ストーリー>
オーディションに落ちて意気消沈していた女優志望のミアは、ピアノの音色に誘われて入ったジャズバーで、ピアニストのセバスチャンと最悪な出会いをする。そして後日、ミアは、あるパーティ会場のプールサイドで不機嫌そうに80年代ポップスを演奏するセバスチャンと再会。初めての会話でぶつかりあう2人だったが、互いの才能と夢に惹かれ合ううちに恋に落ちていく。
2017年の作品である。
映画館で公開されたのは知っていたが、もともとミュージカルはあまり好きではなく、予告編を見てもあまり食指が動かなかったので見なかった作品だ。
とは言え、話題になっていた映画であり、CSでやっていたので見ることにしたのだが・・・
結論は、一言で言うと「これのいったいどこがアカデミー賞14部門でノミネートされ、6部門で受賞した作品なの?」ということに尽きる。
ただただ映画界ってミュージカルが好きだよなあ、としか思わなかった。
内容は、ジャズ専門の店のオーナーを夢見る男と女優を目指す女のラブストーリーである。
設定はベタであるのだが、売れない女優がいきなり大女優になろうが、二人の夢が最終的に叶うのであれば、それはそれでいい。
ただ、一番残念だったのは、耳に残るような曲・歌がまったくなかったことだ。
全編印象に残る歌ばかりだった「グレーテスト・ショーマン」や、70~80年代によく聞いた曲ばかりで構成された「ロック・オブ・エイジズ」「マンマミーア」、さらには圧倒的な感動劇でもある「レ・ミゼラブル」などと比べても、そのスケールの差は歴然としていた。
しかも、ミュージカルと言いながら、歌はほとんど出てこなくて、物語は普通に進んでいきながら、途中で突如歌になったりするので、かなり違和感がある。
冒頭のハイウェーで、いきなりミュージカルが始まるのがウソのような展開である。
さらに、主人公二人にまったくと言っていいほど感情移入できなかったこともある。
特に、ライアン・ゴズリング演じるセバスチャンは、ジャズの虜になっているのはいいとしても、ジャズ以外の音楽を見下しているところが垣間見えるのがイヤだった。
実際、劇中で次のようなやり取りがある。
ミア「私はジャズが嫌いなの」
セバスチャン「それはジャズの歴史を知らないからだ」
この言葉こそが私がジャズを好きではない理由である、と言ってもいい。
ジャズ好きは「ジャズには歴史がある」と必ず言う(あくまでもイメージです)
じゃあ逆に聞き返したいのだが、「歴史のない音楽って、例えば何?」である。
連中にとっての最大の難敵(?)であるクラシックに対しては「クラシック好きなんて安易だ」などと言って退けようとする(あくまでもイメージです)
さらに、ジャズは「ニューオリンズの貧しい黒人たちが始めた音楽」みたいなことを言い、貧困から生まれた「魂の叫びだ」的なことを言う(あくまでもイメージです)
じゃあ、レゲエは?
ジャマイカ人の「魂の叫び」なんて、アメリカの黒人に比べたらレベルは下なのか?
そういうジャズ好きの「根拠のない優越感」「他者を卑下する選民意識」がイヤなのだ。
「ジャズの特長はね、アドリブにあるんだよ」などと言うが、だから何だと言うしかない。
ついでに言うと、ライアン・ゴズリング。
映画「ドライブ」で、犯罪者の逃亡を手助けするクールな男を演じていたのを見た時には「おっ、いい役者さんが出てきたじゃん」と思ったものだが、その後の彼が出演している映画を見て感じていたもの・・・
それは、「こいつ、目が死んでいる」だった。
クールな男を演じている時にはあまり違和感がなかったのだが、こういうラブストーリーを見ていると、笑顔の時でも叫んでいる時でも、彼の目はいつも死んでいる。
つまり、目だけ見ていたら、今の感情がまったく読めない、というほどなのだ。
少なくとも、感情を爆発させるような作品ではキツいと思う。
ネットでは賛否が真っ二つに分かれていて、「最高!!!」という意見もたくさんある一方、「つまらなかった」と酷評する人も結構いた。
ミュージカルというだけで感動する、という人がいても別に構わないが、私には馴染まなかった、ただそれだけ。
ということで、評価は「C」にしておきます。
「セッション」で一躍注目を集めたデイミアン・チャゼル監督が、ライアン・ゴズリング&エマ・ストーン主演で描いたミュージカル映画。売れない女優とジャズピアニストの恋を、往年の名作ミュージカル映画を彷彿させるゴージャスでロマンチックな歌とダンスで描く。「セッション」でアカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズも出演。第73回ベネチア国際映画祭でエマ・ストーンが最優秀女優賞、第74回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)ほか同賞の映画部門で史上最多の7部門を制した。第89回アカデミー賞では史上最多タイとなる14ノミネートを受け、チャゼル監督が史上最年少で監督賞を受賞したほか、エマ・ストーンの主演女優賞など計6部門でオスカー像を獲得した
主演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
共演:キャリー・ヘルナンデス、ジェシカ・ローゼンバーグ、ソノヤ・ミズノ、ローズマリー・デウィット、J・K・シモンズ、フィン・ウィットロック、ジョシュ・ペンス、ジョン・レジェンドなど
<ストーリー>
オーディションに落ちて意気消沈していた女優志望のミアは、ピアノの音色に誘われて入ったジャズバーで、ピアニストのセバスチャンと最悪な出会いをする。そして後日、ミアは、あるパーティ会場のプールサイドで不機嫌そうに80年代ポップスを演奏するセバスチャンと再会。初めての会話でぶつかりあう2人だったが、互いの才能と夢に惹かれ合ううちに恋に落ちていく。
2017年の作品である。
映画館で公開されたのは知っていたが、もともとミュージカルはあまり好きではなく、予告編を見てもあまり食指が動かなかったので見なかった作品だ。
とは言え、話題になっていた映画であり、CSでやっていたので見ることにしたのだが・・・
結論は、一言で言うと「これのいったいどこがアカデミー賞14部門でノミネートされ、6部門で受賞した作品なの?」ということに尽きる。
ただただ映画界ってミュージカルが好きだよなあ、としか思わなかった。
内容は、ジャズ専門の店のオーナーを夢見る男と女優を目指す女のラブストーリーである。
設定はベタであるのだが、売れない女優がいきなり大女優になろうが、二人の夢が最終的に叶うのであれば、それはそれでいい。
ただ、一番残念だったのは、耳に残るような曲・歌がまったくなかったことだ。
全編印象に残る歌ばかりだった「グレーテスト・ショーマン」や、70~80年代によく聞いた曲ばかりで構成された「ロック・オブ・エイジズ」「マンマミーア」、さらには圧倒的な感動劇でもある「レ・ミゼラブル」などと比べても、そのスケールの差は歴然としていた。
しかも、ミュージカルと言いながら、歌はほとんど出てこなくて、物語は普通に進んでいきながら、途中で突如歌になったりするので、かなり違和感がある。
冒頭のハイウェーで、いきなりミュージカルが始まるのがウソのような展開である。
さらに、主人公二人にまったくと言っていいほど感情移入できなかったこともある。
特に、ライアン・ゴズリング演じるセバスチャンは、ジャズの虜になっているのはいいとしても、ジャズ以外の音楽を見下しているところが垣間見えるのがイヤだった。
実際、劇中で次のようなやり取りがある。
ミア「私はジャズが嫌いなの」
セバスチャン「それはジャズの歴史を知らないからだ」
この言葉こそが私がジャズを好きではない理由である、と言ってもいい。
ジャズ好きは「ジャズには歴史がある」と必ず言う(あくまでもイメージです)
じゃあ逆に聞き返したいのだが、「歴史のない音楽って、例えば何?」である。
連中にとっての最大の難敵(?)であるクラシックに対しては「クラシック好きなんて安易だ」などと言って退けようとする(あくまでもイメージです)
さらに、ジャズは「ニューオリンズの貧しい黒人たちが始めた音楽」みたいなことを言い、貧困から生まれた「魂の叫びだ」的なことを言う(あくまでもイメージです)
じゃあ、レゲエは?
ジャマイカ人の「魂の叫び」なんて、アメリカの黒人に比べたらレベルは下なのか?
そういうジャズ好きの「根拠のない優越感」「他者を卑下する選民意識」がイヤなのだ。
「ジャズの特長はね、アドリブにあるんだよ」などと言うが、だから何だと言うしかない。
ついでに言うと、ライアン・ゴズリング。
映画「ドライブ」で、犯罪者の逃亡を手助けするクールな男を演じていたのを見た時には「おっ、いい役者さんが出てきたじゃん」と思ったものだが、その後の彼が出演している映画を見て感じていたもの・・・
それは、「こいつ、目が死んでいる」だった。
クールな男を演じている時にはあまり違和感がなかったのだが、こういうラブストーリーを見ていると、笑顔の時でも叫んでいる時でも、彼の目はいつも死んでいる。
つまり、目だけ見ていたら、今の感情がまったく読めない、というほどなのだ。
少なくとも、感情を爆発させるような作品ではキツいと思う。
ネットでは賛否が真っ二つに分かれていて、「最高!!!」という意見もたくさんある一方、「つまらなかった」と酷評する人も結構いた。
ミュージカルというだけで感動する、という人がいても別に構わないが、私には馴染まなかった、ただそれだけ。
ということで、評価は「C」にしておきます。
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