☆ 牡丹といふといえども紅ほのか 高浜虚子
散歩の途中 もうあの家は 白木蓮が咲く頃であろうと少し回り道をした。
期待にそぐわず、美しく気品にみちた白い木蓮が咲いていた。
坂の下の家である。
ほんの二~三の枝は目交に手に取るように見ることができる。
上から見下ろして花の芯を覗くことができるのである。
近くから見ると、花びらの付け根はほのかに紅色をしている。
有名な虚子の 牡丹の句を思いだした。
虚子が詠んだのは 白牡丹 であった。
昔 アートフラワー を習っていたことがあった。
布を染めて、花を造る。
その時、先生が
「たとえば 赤い薔薇を作るときは葉ぱに、花びらと同じ赤を刷くように染めてください。
紫の菫を作るなら 葉ぱに菫色をさりげなく」
そうすると、同じ葉ぱでもより深い味わいのある葉に染めあがるのであった。
何気ない些細な言葉であったが、今こうやって花を観察していると甦ってくる。
一家をなしている方の鑑賞眼の素晴らしいこと。
私の修行はまだまだ足りない。
昨日のしりとり俳句から。
🍒 花韮や甘く酸つぱいドロップス
🍒 鳥雲に定期航路の笛の音