老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

白木蓮

2017-03-25 10:09:53 | 俳句
       

    ☆   牡丹といふといえども紅ほのか    高浜虚子


散歩の途中 もうあの家は 白木蓮が咲く頃であろうと少し回り道をした。
期待にそぐわず、美しく気品にみちた白い木蓮が咲いていた。
坂の下の家である。
ほんの二~三の枝は目交に手に取るように見ることができる。
上から見下ろして花の芯を覗くことができるのである。

近くから見ると、花びらの付け根はほのかに紅色をしている。

有名な虚子の 牡丹の句を思いだした。
虚子が詠んだのは 白牡丹 であった。

昔 アートフラワー を習っていたことがあった。
布を染めて、花を造る。
その時、先生が
「たとえば 赤い薔薇を作るときは葉ぱに、花びらと同じ赤を刷くように染めてください。
紫の菫を作るなら 葉ぱに菫色をさりげなく」
そうすると、同じ葉ぱでもより深い味わいのある葉に染めあがるのであった。
何気ない些細な言葉であったが、今こうやって花を観察していると甦ってくる。
一家をなしている方の鑑賞眼の素晴らしいこと。
私の修行はまだまだ足りない。



昨日のしりとり俳句から。

     

     🍒    花韮や甘く酸つぱいドロップス

     🍒    鳥雲に定期航路の笛の音
コメント
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