老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

   故郷失くした エトランジェ

2018-05-14 17:23:23 | 俳句
   

 用事があって徳島市へ行った。
さあ何年ぶりだろう。

香川から来て、吉野川に架る橋を渡る時に一番美しく見える眉山。
この山を見ると、徳島だと感じる。

今日は徳島は夏日。28度もあった。

 この街に持っていたマンションも手放したのだ。
これで徳島との関係は全て無くなった。
夫が役所で用事を済ませる間、徳島の名刹「瑞巌寺」で車を降ろしてもらう。

ここは、徳島を離れて、20年も来ていない。
昔のままの風情で少しも変っていない。いつもの友人の声がしそう。

        

板鼓を打てば、眉山の谺となって返ってくる。そんな思いがする。

                          

 
眉山からの伏流水が流れ出ていて、お水が大変に美味しく、お茶会がいつも催されている古刹である。
よく吟行に来ていた場所でもある。

夏の鶯が啼いていた。

     

このお家は瀬戸内寂聴さんの徳島のお屋敷である。
表札の「寂聴」という文字が消え、黒ずんだ古い表札になっていた。
以前は「寂聴」という文字が藍色ががった墨の文字で、なめらかに力強く元気があって踊っているような感じであった。
以前は開いていた門も閉じられている。

       

故郷は少しづつ様変わりをしていた。
寂聴さんの家の前を通り瑞巌寺へ行くこの路。
徳島では一番の高級住宅地である。
今もそうであるらしいが、古い家は建て替えられて、徳島で一番の料亭が無くなり高級マンションになっていた。

徳島にいる時は機会があれば仲間とグルメな店に行っていた。大きなホテルでは、ある結社の俳句大会があったり、想い出の深い場所が、そんな懐かしい場所が集まっているのがこの周辺であった。

初めて訪れた旅先の町、まるで浦島太郎になったみたいであった。

最後は用事を済ませた夫が
「どこか行きたいか?」
「それじゃ、服の生地屋さんに連れて行って」

いつものパターンで、徳島観光を終えた。


      🍒      齢七十生き方模索する五月

      🍒      故郷の緑美し溺れけり 

      🍒      巌清水翔鳳と名をいただきて

      🍒      異邦人たる吾に優し風の香よ 

   




コメント
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