散歩径に桑の実があった。
懐かしい。
熟して、黒みががった紫色にはまだ少し時間がかかる。
しかし、綺麗な色だ。
プツプツと月並に例えるなら、金平糖を大きくしたような実である。
🍒 桑の実を見つけて童ごとうれし
🍒 桑の実を食べただらうと母の言う
(類想いっぱい)
🍒 はからずも母の忌なりぬ桑苺
子供の頃が思い出される。
桑の実を食べるとお腹をこわすと、母に言われていた。
隠れて食べたつもりでも、みんなお見通し。
舌や唇が黒くなっているから。
桑の葉に蝸牛がしがみついている。
なかなか蝸牛も、最近は見れない。
探すと、あっちこっち、沢山いる。
まだ桑の実の青い、日の当たらない裏側に集まっているようだ。
🍒 桑の葉がまさか好きかよ蝸牛
🍒 ででむしよ吾足と杖もて歩く
(理屈?)
辺りの草むらに蛇いちごがある。
🍒 へび苺伏流水の音のして
🍒 蛇苺に心残して足早に
田舎の散歩径。
季語の宝庫であるのに、句は出来ぬ。