老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

地場の魚食堂

2015-07-21 10:59:56 | 俳句



     
    🐰  雲の峰強力楽器背負ひ行く   

 徳島県の鳴門から、香川県の東香川へ行く、国土11号線沿いの海岸線をドライブ中、車の中から、見事な入道雲が出ていたので、シャッターを押した。
我が家から見える瀬戸内海の海と、鳴門から見える燧灘の海、海の色と波の音が、少し違うといつも思う。どこがどうと違うとは、心の持ち方か? 老年だが心だけは若ぶっているのと、若くて元気な頃よく遊んだ疲れ知らずの心の、外から推し量かれない微妙な思いが、そう感じさせるのかも知れない。




 鳴門にある地場で水揚げされた、新鮮なとれとれの魚を食べさせてくれる食堂。もう一軒、美味しい店があるのだが、50人ほど並んで待っているので、こちらの食堂で。すでに3時が過ぎているのに、ここも10人くらい並んでいる。夏休みの初日と三連休の最後の日だから、こうなるなことは、充分 想像できた筈なのに、我々夫婦、危機管理?が甘かった。。。。
店の中は人が満員。外の葭簀張に机と椅子を並べた場所で食べる。
冷房が効いた部屋の中より、海からの風が吹きぬけて行くのが心地良い。




      ☆   影となりて茶屋のよしずの中にをる   山口誓子

      ☆   なつかしき影に憩へり葭簀張り   鷹羽狩り行

 なつかしき 影とは、弟子の狩行が 師の誓子の 影となり の句を踏まえて作ったと考えると少し穿ちすぎかな。 影 が良く働いている良い句だと思う。


      ☆   白牡丹よしずの影のあきらかに   長谷川櫂

      ☆   誰もゐぬ月の光の葭簀小屋    長谷川櫂

 葭簀がまるで生き物のように見えてくる。

       

     🍉   外通る人よく見える葭簀かな    
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暑い一日だった

2015-07-20 18:24:22 | 俳句

   🐢  風入れやぞろりと並ぶ木偶衣装


家にいても、いやなことが、あるもんだ。偶然に届いた宣伝のパンフレットを捨てようと思いつつ封を切った。 イヤーな名前が目に入った。
一晩、寝たけど、その名前と過去の記憶が、心の片隅を過る。

先日、祗園祭りの句会も、台風のせいで流れてしまった。憂さを発散するには、夫に頼んで、どこか ドライブにでも連れて行ってもらうしかない。

 今年は、まだ気のきいた、夏服を一枚も買っていない。趣味と実益を兼ねて、徳島へ行き 藍染めの生地を買うのと、海辺のドライブと、美味しいものを食べれば、嫌なことを束の間でも忘れることができると思った。

   🐢   青ふくべ彫り師に似たる木偶の顔   

 徳島県藍住町が、藍の染物が盛んなのと、八十八カ所の遍路寺があるから、吟行も兼ねることが出来ると欲を出し、そちらの方面に行くことに。
藍染めの生産と販売の店を見つけて入る。もう15~6年はお逢いしていないが、昔、俳句の仲間だった人の、事務所の看板が、同じ敷地内にあることに気づく。
今日はお休みだけど、元気ですよ、と藍の店の方が言う。まこと、偶然。ここに彼の事務所があるとは知らなかった。メモを残して置く。
藍染めの生地も気にいったのを見つけた。洋服を作る新しい楽しみが出来た。

    
       

 目指していたのは、藍の館 。 昔の藍の豪商の館が、今は資料館となり藍染めの歴史の説明や実演をやっている。
 が、なんと館に入ろうとすると、湘風先生の堂々とした阿波の青石の句碑が 門前に建っている。まさかここに先生の句碑があるとは。義理をかいていた、無精者の自分を叱ることになった。
   

  ☆   炎天となる静けさの藍を干す   豊川湘風

 館の中で、見学していると、今度は、近くの公民館で 橋本夢道 の展示会をやっておりますから、そちらの方もどうぞ、と教えてくれる。  夢道が、東京に出る 16才まではこの藍の館で働いていたという。そちらへ、廻りたかったが、夫が 服地を買う間も 藍の染めの見学も じっーと待っていてれ、昼の食事時間もだいぶ過ぎている。 夢道 はあきらめた。

 故郷 て何だろう。 いやな事も故郷がらみ。偶然に師の句碑にめぐり合う嬉しさや、句ともがらにまつわる楽しい発見も、故郷がらみ。

  🏡  草で切る傷あと朱夏をゆかしけり   




  













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昨夜の (しり取り俳句) 云々

2015-07-19 10:46:43 | 俳句


   ★   炎天の遠き帆やわがこころの帆  山口誓子


 私が好きで、朝に晩に散歩に行く 港の景。
薔薇の公園の向こうに、島へ行く連絡船が停泊している。


 昨夜のしり取り俳句。   一時間30分 思いつくまま、前の人の句の17音の中から、字を選んで、自分の俳句を作った。
次から次へと、出る、出る。
最後の方の時間に出句された句の中から、良し悪いを抜きにし、列記する。

    ヨーグルトの上澄み掬ふ朝曇
    この夢の続き見たいな大昼寝
    七夕笹楽譜を切って吊るしたり
    その先は断崖絶壁夏の蝶
    七夕竹担げば風の立ちにけり
    夏休みはじまる朝のヨーグルト
    怪獣とキスする行列夏休み
    楽しげな夢見てるらし昼寝の子
    子犬の名ワンか殿下と夕涼み 

 昨夜は9名が出席していた。句はここに列記した14~5倍、もっと出ていたか?
自分のこと棚に上げてほんと、誠に失礼だが、マンネリのオンパレード

ちなみに、私が選者だとしたら、良いなと思う句が、9句列記するうち気付いたのがあった。

    ☆   七夕竹担げば風の立ちにけり



  夫に、海の見えるホテルへ食事に行ったのは、いつだったかと聞くと、(彼は何十年も日記を付けている)後で見ると言った。まてよ、私が写した写真から、ヒントが出る。ブログを見たら思い出せる。今日あたり、ホテルへ食事に行こうと、意見が一致した、今朝の会話。ブログは便利だ。


  昨日のしりとり俳句  
            
   💌   風鈴や瑞巌寺さまがまなうらに 

   💌   美しく薄衣捌き廊を来る        

   💌   冷房の地下街に時間潰しけり 
  

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5年後が思いやられる競技場

2015-07-18 11:43:52 | 俳句


 今朝の新聞の、一面記事。
支持率低下が囁かれる総理が、先輩の 元森総理に、気兼ねして言い出せなかった、2020年のオリンピックに向けて建設しようとしている国立競技場が、高コストの批判を受けての決断をした記事だ。今までの新国立は「白紙に」し、新しい計画を立てると言う。

   ★   5年後が思いやられる競技場    田岡弘

 今朝の川柳欄に、早々と句にまとめて載っている。いわゆる、時事川柳だ。
他に彼の時事川柳句、たくさんあり、列挙すれば遑がない。

   ★   新聞社批判の句だが載るのかな

 昨年の、朝日新聞の慰安婦に関する記事。吉田調書 に材を採った句。

   ★   中韓に比べパラオの温かさ

 最近の、天皇さまの、パラオ参拝の折の、パラオ大統領 始め国民のあたたかい歓迎を句に詠んでいる。

 時事川柳 は、時間が経過すると、インパクトが少なからずも薄れがちになると、私は思っている。しかし、彼が本物の、川柳作家である証しは、これら、いつの時代にも普遍の句の数々である。

    ★   夢の中だって主役に成りきれず   田岡弘

    ★   首輪より野良の自由を選びます

    ★   敗北を酢味噌で和えている夕べ

    ★   憧れたキス寸前で目が覚める

    ★   直線を生きてる男で芸がない 




 今朝の庭。グラジオラスが咲いている。 姫 がかっ歩している。



   昨日のしりとり俳句
   🎐   見はるかすイムジンガンや夏の月

   🎐   熱帯夜猫寝まりゐる風の筋
 
   🎐   蓮の香聴かんと風を待ちてをり

   
                
            






  
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台風 なんのその

2015-07-17 14:22:57 | 俳句

 昨日からの、大型台風12号で、京都での句会はキャンセルをした。
祇園祭は、京都東山 八坂神社の祭礼。
何度か 見物には行っている。祇園の老舗旅館 ぎおん畑中 で泊まったのが想い出に残る。


 今年の12号台風は、去年と同じく徳島県が大変だったらしい。
夜中、つけっぱなしのラジオから、川田川、園瀬川、勝浦川と聞き知った、川が危険水域を越えましたと、アナウンサーの緊迫した声が告げる。
今朝は、まだ雨は少し残っているが、危険水域に達した支流の川の水も、大事には至らなかったので安心した。


     ★   颱風の心支ふべき灯を点ず    加藤楸邨

 色々、例句を読んでいても、楸邨の句に叶う句は探せない。説明するとこの句が小さくなるから、鑑賞者にまかす。

     ★   台風の来ぬ間の早き夕支度    岡安仁義

 昨日の夕飯。なかなかに、間食をしてお腹が空かぬと言う、夫のお尻を叩いて、停電にならぬとも限らないからと早目に食事を終わらせた。我が家の、そのまんまの景色。台所俳句を男性が詠んだ。



     ★   よぎりたる月鉾みえし小路かな   長谷川櫂

     ★   人をさがして鉾の町鉾の辻    小川三補子

 私は偶然、テレビのチャンネル を回していて、祇園祭の中継を観た。雨でも祇園祭は行われている。多くの人々の期待もあろうことだし、無事、滞りなく終わって欲しい。
私は、祇園祭吟行句会に行けなっかったのは、すごく残念だが、交通機関のこともあるし、次の機会があればいいと思っている。
句会は午後から。どんな句を詠むのでしょうか。


古い都の町衆の 何百年も伝統を守ってきた、心意気に敬意をささげる。



     ★   鉾にのる人のきほいも都かな     其角

     ★   東山回して鉾を回しけり   後藤比奈夫

     ★   熱き夜の街埋めまつ鉾の数   堀口星眠


       昨日のしりとり俳句
          波退きてあわてふためく海月かな
          紅い薔薇言葉たくみな女の子
          伝説に夏目雅子の水着かな
          草いきれジャングルジムに赤い錆
          まといつく猫けふの暑さおもひやる


            オソマツ



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