Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

国連安保理、12回目の非常任理事国選出を喜べるか

2022-06-10 22:08:11 | 国際・政治

国際連合・安全保障理事会の非常任理事国改選において、我国が 12回目の非常任理事国に選ばれた報に接し 何か単純に喜べないものを感じたのは思い過ごしか。臨席の我国側担当者達の「万歳!」三唱せぬばかりのはしゃぎ様は、そのまま受け入れる訳には参らぬ感情を抱く者だ。

ご存知の様に、ロシア国による対ウクライナ国侵略なる蛮行をきっかけに 世界の安保情勢は険しさを増している。それはとりも直さず、これまでの国連安保理・非常任理事国の立場そのままとは参らない事を意味する。つまり我国は、形はどうあれ 自衛隊の対外派遣を更に進めて深化させ、もっと世界の安全保障への貢献をせよとの強い求めのサインではないのか。更に我国周辺の安保情勢も、同様に峻険の度を増している。具体的な一つを、今日の FNNプライム・オンライン記事を引用して、みて参ろうと思う。

「北海道沖にロシア艦艇 ミサイル発射演習の一環か」

北海道沖で 6/9にロシア海軍の艦艇 5隻を確認したことを、岸防衛相が明らかにした。ロシア国防省が公表しているミサイル発射演習の一環とみられる。

同相は 6/10の閣議後会見で、海上自衛隊が 6/9に「北海道東方の太平洋で活動するロシア艦艇 5隻を確認した」と発表した。

同相によると、ロシア国防省は「ロシア軍大平洋艦隊の艦艇 40隻以上、航空機約 20機が参加する大規模演習を 6/3以降、太平洋で実施する」と公表していて、今回確認された艦艇 5隻について この演習の一環との見方を示した。

また 防衛省によると、千島列島周辺の海域や日本の EEZ (排他的経済水域) を含む三陸沖の海域で 6/6から 6/15の間、海上保安庁がミサイル発射等への航行警報を出している。

岸防衛相は、今回のロシア軍の動きについて「ウクライナ侵略を行う中、ロシア軍が極東でも同時に活動しうる能力を誇示する狙いがある」との認識を示した上で、「重大な懸念を持って情報収集、警戒監視を継続する」と述べた。(引用ここまで)

前後するが、ロシア国はこれまで我国と結んでいた 占拠中の北方領土周辺海域にての、我国漁船向けの安全操業に関する協定を一方的に停止する旨を表している。表向きは 我国側がサハリン地区開発向け資金供与を止めている為などとするが、これは前述侵略行為に伴なう正当な制裁の一環であり、前述協定停止共々 露側による我国への脅しや嫌がらせの意も含めた出方とみる事もできそうだ。何しろロシア国の出方は我国だけに留まらず、すべからく「報復無罪」的な臭いが強くする所があると感じるのは拙者だけではあるまいて。

これ以外にも 北鮮による度々の日本海向け弾道ミサイル発射(最早連射と言うべきか) や又もの核実験の可能性も懸念材料だし、その為の警戒も重くみられるべき。更に 中国大陸による沖縄・尖閣諸島辺りへの強い圧力も続く。南シナ海にあっては フィリピン国の近海まで中国大陸船籍の民間船多数が進出滞留し、一部は領海侵犯も疑われる様だ。考えたくはないが、もしも尖閣辺りへの中国大陸勢力による侵犯あらば 似た様な戦術が用いられる可能性も大きくあろう。人員面でも大変な海保、海自の立場も分かりはするが、どうか気を抜く事のない様 警戒継続を願いたい。

更に留意しなければならないのが、少し前にも触れた 前述諸国の事案が短期間に重なって、或いは前後して生じる「複合事態」の発生だ。中露両国の不穏な動きに重なる形で、北鮮の核実験や我国向けの弾道ミサイル発射の可能性もゼロではないのだ。小野寺元防衛相の表された懸念は、決して大袈裟な幻想ではなく 現実に生じる可能性を織り込んだものである事を、我々国民も忘れてはならないという事だ。

話を国連安保理・非常任理事国選出に戻す。「自らの祖国は、自らで守る」今回の我国選出は、これまでとは比べ物にならぬレベルで この責任を負い、果たす事を国際社会から厳しく求められている証左ではないのか。岸田総理がバイデン米大統領に向けて明かした、防衛力強化に向けた姿勢も 勿論一つの回答ではあろう。しかし同時に 日米同盟の信頼性が傍目にも向上している事を示す為にも、これまで以上にその努力が世界から求められているという事ではないのか。そう考えると「次は常任理事国入りを!」などと叫ぶ連中の思考が いかにも呑気で能天気なものに映るのは拙者だけか。

現状 米・英・仏・露・中の 5カ国で構成の常任理事国の変更には 国際連合憲章の改正が必須であり、その為には前述全常任理事国の同意を要する。我国の常任理事国入りは、どの途 中露両国の反対又は拒否権行使で容易な実現はないだろう。本意ではないかもだが むしろ独、ブラジル両国の方に可能性があろう。両国共十分な自衛力を持ち、北大西洋条約機構 NATOへの円滑な軍事協力にも可能性があるからだ。我国は日本国憲法第 9条による自衛力の大幅制約から、そうした対 NATO軍事協力などは極めて困難だからだ。

それにしても、史上最多となる 12回目の国連安保理・非常任理事国選出を これまでの延長と捉えていてはいけない。緊迫の度を増す我国の周辺情勢に合わせた自衛力の整備保持と やむを得ない最低限度の対外貢献位は可能な様、三自衛隊の人事面を含めた「必要な」メンテナンスを欠かす事のない様 関連省庁に対応を願いたいし、我々国民もそれを理解する必要があるのだろう。今回画像は、先月訪れた岩手・釜石の中心部近くの様子を。通る線路は 三陸鉄道線。列車の向こうに釜石港が控えます。

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