Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

重要な裁判記録などは、一部の所有物ではない

2023-05-26 15:32:22 | 社会・経済
昨日、長野市東郊の中野市内にて生じた発砲殺人及び致死事件が極めて遺憾は当然だろう。犠牲の現職警官・女性民間人各位への弔意と、確保され 今後罪状複数で逮捕されるだろう容疑者への厳しい追及と処分を 厳に願いたい。

それとも関わるのだが、過去の我国内にて生じた 極めて深刻度・重要度の高かった裁判記録などの文書相当数が 通常の保管期間規定により廃棄処分されていた事への大いなる不適切は既報だろう。

最高裁判所もこの事実を認め、国民向けに正式謝罪と相成った様だ。全国民で共有されるべき歴史的資料ともいえる重要文書が 不注意で失われたという事で、犯罪被害者遺族の感情からは 到底受け入れられない所大だろう。以下 昨日の共同通信ネット記事を引用して、みて参ろうと思う。

「記録廃棄 最高裁が認め謝罪、調査報告書公表」

1997=平成 9年の 神戸連続児童殺傷事件など重大少年事件の記録が事実上の永久保存に当たる「特別保存」とされず廃棄されていた問題で、最高裁判所は 5/25、東京都内で記者会見し 調査報告書を公表した。

小野寺真也・総務局長は「最高裁による不適切な対応に起因する」と責任を認め「後世に引き継ぐべき記録を多数失わせてしまった。深く反省し、国民の皆さまにおわびする」と謝罪した。

最高裁は 1992=平成 4年の通達で 特別保存の対象を「社会の耳目を集めた事件」などと示した。その一方 記録保管のスペースが問題になっていたことを受け、1991=同 3年には「特別保存記録の膨大化の防止策」を周知していた。

調査報告書は廃棄を求めるような こうした「強いメッセージ」を各裁判所に発したことで保存への消極的な姿勢が強まり、その後も適正化を図る指導はなかったとした。

(前述の) 神戸事件の記録については、廃棄当時の神戸家裁所長は、自身が特別保存にするかどうか検討する立場との認識を持っていなかった。最高裁は 特別保存に当たって、常設の第三者委員会を設置すると明らかにした。(引用ここまで)

ざっと見すると、最高裁には 司法の最高機関との自意識へのこだわりの割には下位にある各裁判所への強い指導や通達の姿勢に欠けていた事が分かる。全国民で共有すべき重要記録を「一部の組織で占有する物」との勘違いでもしていたのか。

各所裁判記録が膨大な数に上り、標準たる 5年での破棄か 永らくの特別保存か判断がそれぞれに難しい事は分かるが、それなら最高裁が主導して ビジネスの常識とされる「報告、連絡、相談」を各裁判所に対し徹底させるべきだったろう。重要な記録保存措置は「一度言えば分かる」様な軽いものではないはずだ。

最高裁ー下級審という典型的な縦割り組織からくる、風通しの悪さも感じる。つまり 日頃から最高裁と各裁判所が、一度重要記録が生じたら 迷う所は躊躇わず相談して、措置を取ったら記録毎に逐一最高裁に報告する様な態勢を徹底させておれば、事態は変わっていたのではないか。

最高裁は、今回の大問題に鑑み 重用記録保存の遺漏なきを図って点検の為の第三者機関を立ち上げるは良いが、同時に各裁判所が必要の都度 相談できる機能を備えるべきだ。そうする事で 各裁判所と第三者機関、最高裁の相互の意思疎通を密にして高め、同じ不良事態の再発を強い意思で防ぐ態勢を示すべき。

政治の側の関心も不足していたのではないか。先の主要先進国首脳会合 G7の負の総括や 岸田総理の家族でもある秘書官による総理公邸施設の不適切利用の指弾も一面で必要だろうが、今回の様な 重要な裁判資料の一種不注意からの喪失問題などは、むしろ野党側が問題視すべきとも思うがどうか。

この問題については、少なくとも拙者には 与野党共に問題視する姿勢は弱かった様に見える。特に、日頃人権云々と騒ぐ 左派野党からの目立った動きがなかったのは意外な程だ。「人権ガ―、人道ガー」と騒ぎ立てるなら、最高裁の不適切が主因の こうした事態をこそ国会でも問題視すべき所だろうが、そうした姿勢は見られない。不可解だ。

それはさておき 最高裁判所を初め 我国司法の重要記録との永い真摯な向き合いを、強く求める者であります。 今回画像も振り返り恐縮。先年目撃、岐阜・長野県境近くの JR中央本線を長野方面へと向かう 特急「しなの」の様子を。以下に 関連記事をリンク致します。「TBS NEWS DIG 5/25付」

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