近くでファミリーマートが新規オープンした。
新聞でも紹介されてたが、Aコープとの共同店舗
店内も他のコンビニに比べ広く、Aコープの得意とする野菜や魚肉も売られている。
コンビニと100円ショップが合体したような店舗は見かけたことあるが、Aコープとの共同店舗は全国で2例目だそうな。
オープンセールで賑わっております。
おにぎりや弁当類はオール50円引き、おでんや肉まんの類も安いので、おでんを買って帰った。
コンビニのおでんは例外なくレジの横にあり、いつだって弱々しい湯気をあげている。
大小2種類のプラスチック容器とお玉、トングが置いてあり、オジさんは大きい方の容器をとった。
左手に容器、右手にトングをかまえおでん鍋の前に立つ。
まず大根ね、と大根をトングでつかみポチャンと容器に入れる。
まるで金魚すくいだ。
レジに並んだ人が、オジさんのおでんの金魚すくいをチラチラ見る。
オジさんは恥ずかしい。
オジさんは巨大容器のほうを選んだにもかかわらず、結局大根たまご厚揚げにスジ肉一本しか取らなかった。
この容器はおそらく10品以上取る人のための容器として置かれていると思われる。
オジさんにはむろん理由がある。
おツユを狙っているのだ。
まずはお玉でおツユを一杯。
これは当然の権利である。
なんの後ろ指をさされることがあろうか。
続いて急に恐る恐るという感じになってもう一杯いれた。
世間一般常識として、おでん一品に対してどのくらいの量のおツユがつくのだろうか。
しかし、ファミリーマート当局は、この「おツユの常識」に関する見解はいっさい示していない。
おツユに関する表示はどこにもないのだ。
もし巨大容器にチクワを一本だけ入れ、容器のフチまでナミナミダブダブにおツユを入れて持ってきた客がいたならば、店側はどう対処するつもりなのだろうか。
直ちにセコムに通報、セコムがやってきておツユ没収ということになるのだろうか。
オジさんはレジのお姉さんをチラッと見て、もう半杯おツユを容器に入れた。
おでん4品はとっくにおツユの中に水没し、明らかに良識の域を超えているが、その容器をレジに差し出した。
レジのお姉さんは容器を受け取り、しばらくの間じっと見つめていた。
オジさんはドキリとした。
いよいよセコムか。
明日の新聞に「中年男、コンビニで店員を脅し、おでんのツユを大量に持ち去る」
というような記事が出るだろうか。
だがレジのお姉さんは、ただ単に容器の中の品数を数えてただけなのである。
「カラシつけますか?」、と何の疑いもなく聞いてきたので、オジさんはせめてもの罪滅ぼしに「いらない」と応じるのだった。
大量のツユ代から、せめてカラシ代を引いてもらおうと思ったのだ。
オジさんは新装開店のコンビニから、おでんのツユを大量に奪って逃走した逃亡犯のように、足早に家路へと急ぐのであった。
新聞でも紹介されてたが、Aコープとの共同店舗
店内も他のコンビニに比べ広く、Aコープの得意とする野菜や魚肉も売られている。
コンビニと100円ショップが合体したような店舗は見かけたことあるが、Aコープとの共同店舗は全国で2例目だそうな。
オープンセールで賑わっております。
おにぎりや弁当類はオール50円引き、おでんや肉まんの類も安いので、おでんを買って帰った。
コンビニのおでんは例外なくレジの横にあり、いつだって弱々しい湯気をあげている。
大小2種類のプラスチック容器とお玉、トングが置いてあり、オジさんは大きい方の容器をとった。
左手に容器、右手にトングをかまえおでん鍋の前に立つ。
まず大根ね、と大根をトングでつかみポチャンと容器に入れる。
まるで金魚すくいだ。
レジに並んだ人が、オジさんのおでんの金魚すくいをチラチラ見る。
オジさんは恥ずかしい。
オジさんは巨大容器のほうを選んだにもかかわらず、結局大根たまご厚揚げにスジ肉一本しか取らなかった。
この容器はおそらく10品以上取る人のための容器として置かれていると思われる。
オジさんにはむろん理由がある。
おツユを狙っているのだ。
まずはお玉でおツユを一杯。
これは当然の権利である。
なんの後ろ指をさされることがあろうか。
続いて急に恐る恐るという感じになってもう一杯いれた。
世間一般常識として、おでん一品に対してどのくらいの量のおツユがつくのだろうか。
しかし、ファミリーマート当局は、この「おツユの常識」に関する見解はいっさい示していない。
おツユに関する表示はどこにもないのだ。
もし巨大容器にチクワを一本だけ入れ、容器のフチまでナミナミダブダブにおツユを入れて持ってきた客がいたならば、店側はどう対処するつもりなのだろうか。
直ちにセコムに通報、セコムがやってきておツユ没収ということになるのだろうか。
オジさんはレジのお姉さんをチラッと見て、もう半杯おツユを容器に入れた。
おでん4品はとっくにおツユの中に水没し、明らかに良識の域を超えているが、その容器をレジに差し出した。
レジのお姉さんは容器を受け取り、しばらくの間じっと見つめていた。
オジさんはドキリとした。
いよいよセコムか。
明日の新聞に「中年男、コンビニで店員を脅し、おでんのツユを大量に持ち去る」
というような記事が出るだろうか。
だがレジのお姉さんは、ただ単に容器の中の品数を数えてただけなのである。
「カラシつけますか?」、と何の疑いもなく聞いてきたので、オジさんはせめてもの罪滅ぼしに「いらない」と応じるのだった。
大量のツユ代から、せめてカラシ代を引いてもらおうと思ったのだ。
オジさんは新装開店のコンビニから、おでんのツユを大量に奪って逃走した逃亡犯のように、足早に家路へと急ぐのであった。