猫は猫舌である。
猫舌と書くが、猫の舌という意味ではない。
「舌が熱に感じやすく、熱い食べ物を冷ましてからでないと飲み食いできないこと(人)」とある。
猫の字が一字も出てこない。
猫舌と称して猫の名前を拝借しておきながら、当の猫に何の挨拶もないのだ。
動物は自分で煮炊きが出来ないから犬も(犬舌?)猫舌であり、馬の舌も猫舌、キリンの舌も猫舌、牛の舌は牛タンといってとても美味しいがやはり猫舌である。
日本人の20%は猫舌である、という説がある。
猫舌の反対の人、すなわち熱い物好きの人のほうが圧倒的に多いのではないか。
熱々の鍋焼きうどん
熱が冷めにくい鍋に、煮えたぎってフタがカタカタいってるのをお盆にのせて持ってこられると、思わず座りなおしてしまう。
仲居のオバさんは「お熱いうちにどうぞ」と言うが、この状態で口に入れるのは不可能なのに、「一刻も早く」と箸をかまえて息をはずませる。
手で持っていられないほど熱いモノを口に入れようとするのは正気の沙汰ではないように思うが、強引に正気の沙汰に傾けているのであった。