マツタケの土瓶蒸しはおじさんに大人気だが、茶碗蒸しのほうはあまり好まれない。
茶碗蒸しをメニューに載せている店はほとんどない。
ところが旅館などの宴会メニューには、必ずといっていいほど茶碗蒸しが参加している。
おじさんは宴会メニューを見渡す。
右上方に茶碗蒸し発見。
茶碗蒸しは温かいうちが美味しいのだが、おじさん、茶碗蒸し後回し。
すなわち温存。
あれこれあっておじさん、ようやく茶碗蒸しに取りかからんとする。
とりあえずフタを取って眺める。
どんな具が入っているのか定かでない。
ここでスプーンを取り上げる。
茶碗蒸しはスプーンも専用のもので、木製の小じゃれたものだ。
軽く固まっている卵は崩したくないので軽くスプーンで一口、すすりこむ。
ダシはどうか、卵のトロトロ加減はどうか、わからないけど軽くうなずく。
ギンナンや百合根グループを早めに食べておく、というのが正して食べ方だ。
冷めているのをいいことに、フタを取ったらいきなり顔をあげていっぺんにズルズルすすりこむ、ということだけはやめよう。
茶碗蒸しっていうけど、これって茶碗か
スーパーで売っているのが主流の茶碗蒸し、なのでした。
しかし宴会も遠ざかってから久しい。
今ではお花見、歓送迎会、あんまり目的の無いただの宴会などをしてた頃が懐かしい。
そんな宴会の無い日々にも慣れてきた、この頃であります。