Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

コピペ

2008-02-22 | 想い・雑感
最近 コピペ という言葉を知った
コピー アンド ペースト (copy & paste) の略らしい
コンピューター上で 文章などをコピーし そのまま他の場所に貼り付ける
というわけで文章作成の際に大いに利用して
時間と労力(書く労力とともに調べる労力 果ては考える労力)
を節約しようというわけである

別にそれが悪いなんて思っているわけではないし
私自身も書類作成などにはしょっちゅう利用している

でも新聞までそれでよいのでしょうかね
あまりにも同じ文章が違う新聞に並んでいると
これ 絶対に事実関係の確認なしに載せてるよな
と確信してしまう

医療関係の記事にしても
それが裁判という当事者にとってはとてつもないことであることなんかお構いなしに
同じような文章が並ぶ
ちょっとは違う切り口で記事を書き
当新聞は足で記事を書いてます
というところを見せてほしいですね

以下の共同通信社の記事は
それこそコピペですが
皆さん 「不眠不休は脳にダメージ 大阪市大」
で検索をかけてみてください
びっくりするほど同じ文章が出てきますよ

まあこの記事の内容は害はありませんが
絶対コピペだよね
段落分けまでほとんど同じなんですから
いくら共同が記事を配信してくれるからと言っても
ちょっとは文章を変えてくださいよ

********* 以下 コピペ **********

不眠不休は脳にダメージ 大阪市大、ラットで確認


記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2008年2月18日】
 ラットをほとんど眠らせないようにして5日間活動させると、脳内にあってホルモン分泌にかかわる下垂体の細胞の一部が死んでしまうことを、大阪市立大の木山博資(きやま・ひろし)教授らが16日までに実験で確かめた。
 強いストレスが過剰なホルモン分泌を呼び、細胞が働きすぎて死んでしまうらしい。木山教授は「人間にも同じホルモン分泌細胞がある」と指摘。「徹夜勤務が続くなど過労が原因で起きる病気に関係しているかもしれない」としている。
 木山教授らは、ラットが水を嫌うのに着目。浅い水を張った箱に入れて興奮状態にし、ほとんど眠れない状態で5日間放置した。すると脳下垂体の中央付近で特定のホルモンを分泌する組織のうち数%が細胞死を起こしていた。
 ただラットを2、3日休ませると、分泌細胞は元通り近くに再生。木山教授は「早めに休み、疲れをため込まないことが肝心だ」と話している。



死因

2008-02-21 | 想い・雑感
死因とは
何が死に至らしめたかということ
といえばはっきりと原因が特定できるような気がするが
ことはそれほど簡単ではない

戦時中に戦地に赴き
そこで死亡すれば戦死で決まり かというと
敵の銃弾 爆撃などで死亡したのであればそうかもしれないが
 栄養失調だったかもしれない
 日射病で倒れたのかもしれない
 味方の誤射だったかもしれない
 上等兵にひどく殴られたのかもしれない
 マラリアその他の感染症だったかもしれない
 沼にはまってしまって溺れたのかもしれない
 森の動物に襲われたのかもしれない
 橋から落ちたのかもしれない ・・・
なかなか難しい

一方病院でなくなればその原因がはっきりしているかといえば
これもなかなか難しいことがある
例えば死亡診断書の死因の欄に 胃癌 と書いてあっても
 急な大量出血でなくなったのかもしれない
 吐血をしたときに運悪く気管につまり窒息したのかもしれない
 抵抗力が落ちたところに肺炎となりそれで亡くなったのかもしれない
 肝転移から肝不全となったのかもしれない
 脳転移が原因かもしれない
 栄養障害が直接の原因かもしれない
 腎不全を起こしていたのかもしれない ・・・
やはりなかなか難しい

ひとは簡単に 「○●で死亡」
と言ったり書いたりするが
一つの生命が消滅するときには
様々な要因が絡まりあうもの

あまり決めてかかったような発想はしないほうがよい

リビングウィル

2008-02-20 | 医療・病気・いのち
リビングウィルという言葉を初めて聞いたとき、私は「生きる意志」を意味するのだと思った。でもこの場合のウィル(will)は主として遺言の意味で使われるらしい。生前に、「死期が迫ってきたとき、いたずらに死期を引き延ばす措置を拒否する」旨を表明する、という意味では尊厳死とも重なるものであろう。尊厳死と呼ばれても、やはりそこには、最後まで自分の意思で生きていたい、という思い、死ぬまで生きていたいという思いがあるわけで、死よりは生に重心をおいたものであろうと私は思っている。だから私のイメージでは、リビングウィルはやはり、生きる意志。

持続的植物状態の21歳のカレンから、生命維持装置を取り外すことを認める判決がでて、もう30年くらい経つだろうか。その後制定されたカリフォルニア州自然死法(natural death act)が、リビングウィルを法的に確立させたものといわれている。

「末期状態になったときに、生命維持装置を中止するか取り外すようにと、18歳以上の者が知的精神的判断能力がある間に,医師に対して文書をもって指示する書面を作成しておく権利をカリフォルニア州民に認める。」

といった内容で、前もって作成した個人の自己決定権が、終末期まで持続していることを保証している。また、このような行為の実施に携わった者に対して、いかなる民事責任も刑事責任も科せられないことを法的に保証したものだった。

わたしは、この法律を表す英語、natural death act、という言葉に重いものを感じる。決して自ら命を絶つという意味ではない。ただ、自然な死を望む権利を保障しましょうという意味だと思っている。死が目前に迫り、何をしても救命できないような状態で、人工呼吸につながれているような不自然な死を望まない権利を保障しましょうという意味だと思っている。

後期高齢者医療制度の中で設けられる、後期高齢者終末期相談支援が意味すると思われるリビングウィルの中でも、この生きる意志を十分尊重するものであるようにしてもらいたいと思う。

ちなみに、生命維持装置を外してから,カレンは9年間生き続けた。

人智を超えた生の不可思議。

終末期相談支援?

2008-02-20 | 想い・雑感
この4月から導入される後期高齢者医療制度
どのような制度か私はまだ把握していないのだが
「後期高齢者終末期相談支援料」という項目が新設されるらしい

終末期相談とはまた妙な言葉を見つけてきたものだが
自分が終末期になったときどうしてほしいかの相談を
あらかじめしておけば保険点数がつきますよ ということみたいだ

後期高齢者医療制度が
姥捨て山法に決してならないようにするためにも
1:リビングウィルをきちっと定義する
2:その意思を尊重することを保証する
3:意思を尊重する際に行われたことに対して法的に擁護する
というようなことをきちっと決めていただかないとならない

厚労省は法務省ときちっとつめているのだろうか

あいまいな法令を出した上で
実際の判断を現場に押し付けるようなことは
してほしくない

それと
この支援が後期高齢者医療制度の中だけに存在するのはおかしい
終末期を迎える方は
75歳未満だってたくさん居られるのだ

医療全体にわたって導入しなければ
やはり 姥捨て山法案?
といわれても仕方が無い

飲んでます

2008-02-19 | 想い・雑感
胃切除後の70代の男性
診察室に入るとすぐに
「同窓会に出たら 友達から『そんなに飲んで大丈夫か』なんていわれましたよ」
と報告をしてくださった

手術後は養生していますよ
という報告を受けるならまだしも
飲めていることを報告受けるというのもなんだかなぁ と思うが
隠し立てをされるよりも
生活の状況が分かってよいかなとも思う

なにせお酒に関してあまりえらそうなことを言えない私としては
お酒もいいけどあまり強いお酒は ムニョムニョムニョ・・・
と歯切れが悪い

まあ飲めるときに 飲みましょう
食べられるときに 食べましょう
今日を楽しく生きましょう

直截的表現の方がよいのかな?

2008-02-19 | 想い・雑感
説明というのはなかなか難しいもので
自分で思い描いているものと
違うものが相手の頭の中には描かれているということがよくある

進行がんで治療を行う際には
さまざまな画像診断で明らかな転移巣がみられなくても
どこかに小さな転移巣が潜んでいる可能性をお話しする

そうこうするうちに
腫瘍マーカーが上昇してきたりすると
同時に行った画像検査であきらかな病変が指摘できなくても
まず再発(というか潜んでいたものが出てきた)と考える

血液データは隠しようがないので
そのまま結果をお話しするとともに
癌が潜んでいると思われることと
抗がん剤治療の必要性とを説明し
治療を開始することとなる
その治療の効果が不十分であれば
使用する薬剤を変更していく

さてこの時点で
私とすると癌の再発であることを説明済みのつもりなのだが
癌が潜んでいる = 癌がいるわけではない
と思われる方もおられるようで
お話の中で再発の自覚がないことに驚くことがある

人は信じたいように信じる
なかなか難しい
こちらも相手の反応を見ながら控えめな表現を使うのがよくないのだろうか
「再発です」
とはっきり言葉に出すべきなのだろうか
人によって望むものがちがうのでまた悩む

しびれ 取れませんねぇ

2008-02-18 | 医療・病気・いのち
癌が骨に転移したとき
特に背骨や骨盤の骨に転移したとき
脊髄から出てくる神経に障り
痛みやしびれ そして麻痺症状が出てくることがある

これに対する対応はなかなか難しい

鎮痛剤を使用しつつ
有効と思われる抗がん剤を投与し
転移巣に放射線を当ててもらい
骨の破壊を少しでも抑える薬を試してみたりする

それらで効果が現れることも少なくないのだが
治療が進んでもしびれや痛みが取れないことも多い
時には症状が進んだりする事だってある

「とれませんねぇ」
と患者さんに見つめられる
私だって何とかしたい
でもその手段が・・・

そんな時
なんとお答えすればよいのか

福島大野病院事件

2008-02-18 | 想い・雑感
身近な人を喪うことはとても悲しいことです
生きていればそんな悲しみを経験しないわけにはいきません
私は医師として
できることならそんな悲しみに寄り添いたいと考えています
私だけでなく
死にゆく人に接することの多い医師の多数はそうであろうと思います

でもそこに司法が絡んでくると
医師と 患者及びその家族との間に溝ができます
裁判となると そこはどこまでも争いの場
決して寄り添い 語り合う場ではありません

明らかな悪意や
認められないような杜撰な診療から
患者さんを傷つけたなら
当然それは罰を受けるべきだと思います

でも少なからざる医療裁判の中では
医学的に判断して罰に値するものか否かと
原告の心情への配慮がごちゃ混ぜになっているように感じます

医学的にどう見ても不可抗力であろうと思われるものに対し
なぜ刑事罰を受けなければならないのでしょうか
なぜ善意の医療者が葬り去られるような扱いをされないといけないのでしょうか

日々の診療をこつこつとやってきた
全国の多くの医師が
この福島大野病院事件を契機として
徐々にその問題の大きさに気付いてきました

2年前の今日 2月18日は
福島大野病院事件で
地方の中核病院の産婦人科をたった一人で支えていた医師が
いきなり逮捕された日です
その前日も診療を行っており
逃亡や証拠隠滅の危険などまるでない医師の自由をいきなり奪う
明らかに不当逮捕だと思います

もしこの事件でこの医師に有罪判決が出るようになれば
さらに多くの勤務医が
現場を離れていくことになるでしょうし
去らない場合でも
危険な医療行為を避けるようになると思います

それは現在の日本の医療レベルをぐっと下げることを意味します

医師の利益を守るためではありません
医療の質を守るために
この裁判の行方を
皆さんにもしっかり注目して頂きたいと思っています



KY

2008-02-17 | 想い・雑感
「あの人暗い!」
といって暗い雰囲気であることを
否定的に捉える風潮が一時期見られた

人間 生きていれば
明るくできるときがあれば 暗くなることもある
いつも明るいなんてなかなか難しいものなのに
暗い面を捉えて攻撃するなんて
最低だと思っていた

暗くなってしまうときに
そっと見守ってあげたり 支えてあげたりするのが
友であろうと思うのだが
逆に攻撃するなんてなんてことだと思っていた

最近否定的な意味で使われている言葉として
空気が読めないという意味でKYが使われているという

TPOをわきまえるという意味では
その場の雰囲気を捉えることは大切なのでしょうが

KYという言葉は
その場の雰囲気を読んでその場の意見に同調することを
求めているような気がして 好きになれない

その場の意見に流されて
自分の頭で考えた意見を表出できない方が
一人の大人として余程恥ずかしいことだと思うのだが
そして物言わぬ人が増えれば
為政者の思うままに進んで行ってしまうとおもうのだが
どうだろうか

でも 誰が空気なんか読むものか!
というのも また 大人げないか

低いのに高い?

2008-02-17 | 医療・病気・いのち
医療費が高いと政府は主張しますし
それに乗っかって メディアでもそんな論調をよく見かけます
でも高い医療費の大半は
薬屋さんや器械屋さんその他に渡っているわけで
病院に残るのはわずかです
そうでなければ今のように多くの病院がつぶれることは無いでしょうし
今ほど地域の病院が疲弊するわけないのです
もちろんそれ以外の要因もありますが
病院にお金が残りにくい あるいは持ち出しのほうが多くなる
という状況は危機的であろうと思います

ところで日本の医療費が高いということ自体は本当のことなのでしょうか
医療費をGDPとの比較で見るとそんなに高いわけではなさそうですね



一方国民が医療を受けたときに支払う金額はどうでしょうか



おやおや
かえって他の国よりも多くのお金を払っていますね
それも随分高く払っているようです

諸外国と比べて
医療費自体はそれほど高いわけではないのに
患者さんは随分高いお金を払っている
どうしてなのでしょうか
経済のことはよくわかりませんが
実に不思議なことであります

国はさらに医療費を削るとともに
個人負担を増やそうとしているようです
負担が増えるのがいやなら少々では病院にかかるな
といわんばかりです
4月から導入される後期高齢者医療制度に
そのことが端的に表されているように思います

病理解剖

2008-02-16 | 想い・雑感
   医療関係者を震撼させ、産婦人科医の前線離脱を加速させた事件。  ↑
興味をもたれた方は、wikiへ ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E9%87%8E%E7%97%85%E9%99%A2%E7%94%A3%E7%A7%91%E5%8C%BB%E9%80%AE%E6%8D%95%E4%BA%8B%E4%BB%B6

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死因がはっきりしないとき
死後に解剖をすることがある
解剖によってすべての疑問が解けるわけではないが
解剖によって新たに分かることもある

でも日本の解剖率は数パーセント
諸外国と比べ随分少ない

要因は
1.病理解剖できる人が非常に少ない
2.死後その遺体にメスを入れることに対する拒否反応が多い
ということがあげられる

解剖が必要だと思っても
解剖できる医師が常勤していない病院がほとんどだし
大学でもその要望に答えられるほどのマンパワーが無い

解剖が必要だと思い
その必要性を遺族にお話しても
「もう苦しめたくない」
という反応が多い
当然医療者は
それを自然な感情として納得するから
そこを押して勧めたりもしない

3.そして何よりも費用が無い

死後のことなどで保険は使用できない
御遺族にも当然支払いの義務を負わせるわけにも行かない
ということで多くの場合病院の持ち出しになる
でもそれようの費用など準備しているわけではないし
近年の医療費きりつめ政策でそんな余裕も無い

医療や医学の進歩
死因のより詳しい究明
などのために
解剖率を上げることに利点があるのだから
諸外国と同様
行政がその費用を拠出するというのがすじだと思うのだが
行政側は解剖の必要性を唱えるにも関わらず
その費用については口をつぐんだまま

死因究明の一手段として
解剖を促進するのであれば
解剖の適応を明確化する
手続きを単純にする
解剖医の育成を行う
国民の理解を得る
そして費用を行政が負担する
ということが必要だと思う

つらい チョコ

2008-02-16 | 医療・病気・いのち
進行癌で療養している方の中には
比較的若いお父さんだっている

小さな可愛い子供がいたりする

それが女の子だと
お母さんと一緒にチョコレートを作って
持ってきてくれたりする

「いつもお父さんの治療をしてくれてありがとう」

多発性骨転移があり
鎮痛目的の放射線治療中
根治は望めない

…つらい…

治外法権

2008-02-15 | 想い・雑感
沖縄でまた
在日米軍兵による暴行事件が起きたそうです
繰り返される同様の事件を前に
吐き気すら感じます
恐らくこの事件が
岩国市長選の前に起きていれば
結果は逆転したのではと思えるほど
国民への衝撃は強いのではないでしょうか

一部の人から
少女が深夜に外出している点に対する
問題指摘がなされているようですが
深夜に外出している少女は全国にいるわけで
基地の町の住人にのみそのような規制を求める論調には同意できませんし
そこがこの問題の本質ではないと考えます

在日米軍基地および公務中の構成員や軍属は
在日米軍地位協定により日本の裁判権の管轄外とされているそうです

つまり治外法権

米軍兵の処罰に日本の法律が適応しにくいのはそのせいなのでしょう

しかし日本の司法が手出しできないのは
基地内での事件か
基地外なら公務に携わっている場合に限られるはずです

ところが明らかに公務外と考えられる場合も
公務であると米軍が主張すると
日本側も押し切れないようなことが多いらしいのです
ならば米兵などが基地外に出るときには
どのような公務で外出するのか
きちっと書類に記入することを義務化すればよいのではないでしょうか

公務でもなく
基地外で働いた違法行為に対し
きちっと国が動き国民を守っていただきたいものです
国民もこのような事件にこそ怒り
声を上げていかなければならないのではないでしょうか

国民の命を守る意識の低い国は 政府は
危うすぎます
国民全員に
火の玉になることを求めるような国に
戻ってはいけないと思います

俺は やってない!

2008-02-14 | 想い・雑感
昔 交番といえば
市民を守る砦のようなものであり
そこを覗いて巡査さんがいたりすると
子供心にもほっとした記憶がある

いまでも交番はそういうところなのかもしれないが
警察が
時には無辜の市民に牙を向くことがありうるというこわさを
感じることもある

鹿児島県志布志市から県議選に立候補し当選した議員が
突然逮捕され1年以上拘留された事件があった
警察のでっち上げた事件 つまりもともと存在しない事件
の罪を問おうとしたわけだから
当然無罪判決となった

通常逮捕であったはずだから
その逮捕 拘留には
警察のみならず 検察 さらには裁判所という
国家権力を背景に
正義(とおもわれるもの)を守る組織が
徒党を組んで関わっていたと感じる

とても怖い

罪なき者が
でっち上げられた事件の罪をきせられたわけで
警察あるいは警察に影響を与える人の何らかの意図無くしては
起こりえない出来事である

何も法を犯していない者が
デマを根拠に 逮捕され 長期間にわたり監禁される
同じことを一般市民が行えば
当然重い罪である
にも関わらず
この事件に関与したものが何の罪にも問われない

今の世の中
医者だって何の前触れも無く
警察の都合で逮捕 拘留される
私のような根性なしは
強盗殺人犯の相手をしている警察官につめよられれば
罪は犯していなくたって
やりました と手を差し出してしまう公算が高い

だからこの事件は人事ではない

と思っていたら
やっと法務省トップの大臣からこの件に関するコメントが出た
「これは冤罪ではないと思っています」

「えっ?」

確かにもともと存在しない事件なのだから
真犯人はいない 
だから冤罪ではないかもしれない
でもそれで幕引き?

大臣は反省が必要というようなことも言っていたが

何を どのように反省し 
何を どのように改善していくのか
またこの事件に関わった検察官や裁判官に
実際にどのような指導がなされたのか
はっきりと国民に述べていただきたい

でないと
「それでも 私はやっていない」
と叫ばなければならない人が
これからも出続ける

ハリーコール

2008-02-14 | 医療・病気・いのち
当院にはハリーコールと呼ばれる緊急放送がある

病院内で急に状態が悪くなった人が出て
心肺蘇生が必要となるようなケースがあれば
院内一斉放送がかかるのだ

「ハリー先生 ハリー先生 ○△□まで」

放送が流れるや否や
とりあえず駆けつけることのできる医師は
呼び出しのあった場所めがけて
どどどっ どどー
と集まることになる

「ルート確保!」
「VT! 除細動器!」
「挿管準備!」
「なんやかんや!」「わいのわいのわい!」

とよってたかって救命を目指す

今日もそんな院内放送が流れた

私もすぐに駆けつけたつもりだが
往時の素早さはなくなり
若者たちに抜かれながら 走りこんだときには
すでに20人以上の医師が居た
間を掻き分け 治療に参加

院内の自動販売機前で急に倒れたらしい

なにかあればすぐに駆けつける
この当たり前の姿勢がしっかりこの病院にあることに少し安心

懸命に救命を目指してベストを尽くしても
救命できなかった場合
今では訴えられて 裁判になることすらある
自分の専門分野以外では
うかつに手出しできない世の中になってきているのだから
このハリーコールに反応しない医師が増えても
不思議は無い
悲しいけれど