泥酔・暴行問題で横綱の品格を問われていた角界の暴れん坊・朝青龍があっけなく土俵を割ってしまった。2月4日引退を表明した。土俵で格闘していればおのずと品格・品位が現れてくるというものでもなく、品格を磨くことに心が向かえば、土俵での練習やタニマチと酒を飲むファン・サービスの時間が減る。
しかし、格闘競技の選手に殴られた相手が死ななくてよかった。どこかの相撲部屋では選手や監督が選手の一人を殴ったりして死なせたことがあり、また、大相撲で死者という事件なるところだった。
政界の暴れん坊こと豪腕小沢一郎は、検察のつめがあまかったのか、今場所はどうにか剣が峰でこらえきったようだ。付け人の国会議員と公設第一秘書ら3人が起訴されただけだった。
引退した朝青龍にはもう次の場所はない。小沢の次の場所は始まったばかりの国会だ。小沢の資金管理団体・陸山会(田中角栄の後援会・越山会と一字違い)は、新聞報道によると、2004年までの11年間に11億5千万円を投じて、東京都や岩手県などで12件の不動産を買った。 なんだか街の不動産屋のような政治団体だが、不動産取引をめぐる税金は一切払っていないそうだ。
個人が所有している不動産を売却し、利益が出た場合、所得税や住民税の課税対象になる。しかし、陸山会のように、政治団体が不動産買取に使った金には所得税がかかっていないし、政治団体が不動産を売却してもその金を政治団体が受け取っていれば原則として課税されない。政治家の死後、その子が世襲で政治団体を引き継いでも、相続税はかからない。さすがの政治家たちも2007年以降、政治団体による不動産取得を降禁止することにした。
総務省所轄の政治資金管理団体で不動産を持っているのは小沢の陸山会だけだそうだ。小沢は2003年に解党した自由党の党首だったが、2003年に公布された政党助成金15億円のかなりの部分が行方不明になっている。2004年ごろ小沢の関連政治団体・改革フォーラム21の口座に約15億円の帳簿外入金があったらしいと報道されている。国庫から出た政党助成金は陸山会の不動産と関係があるのか、ないのか。国会、検察とこれから夏の参院選にかけての土俵をもりあげてもらいたい。
海の向こうでは、消息が絶えていた暴れん坊オサマ・ビン・ラデンが、地球温暖化の元凶アメリカを懲らしめよう、という演説を例のアルジャジーラで流した。この1月末のことだった。前任者のブッシュと比べるとオバマはエコロジストだ。それに対応してオサマもエコロジーの領域でアメリカ攻撃をめざすことにしたのだろうか。
9.11以後これまでに、オサマのメッセージを収めたビデオやオーディオのテープといわれるものが40近く流されている。そのうちの多くが贋作との指摘もされている。一番興味深いコンスピラシー・セオリーは、オサマは2001年の暮れ、アフガニスタンのパキスタン国境近くの山岳地帯トラ・ボラで米軍の空爆によって死んだが、オサマの亡霊を徘徊させることで利益を得るその筋の組織が偽オサマ・テープをせっせと作っているというものだ。
この間は最近のオサマの似顔絵をつくるにあたってFBIが現存するスペイン人の顔を利用したとして、顔を無断借用された本人から抗議を受けた。CIAもオサマに似た人物やオサマの声を合成するなどの細工はお手のものだろう。これまたコタツで冬ごもりしている閑人にとって格好の話題提供である。そのうち、「調査の名目で鯨を殺す日本へ」なんてオサマのメッセージがシー・シェパードと連名で発表されたりするかも。
2月4日は凍えるような立春だった。
引退も居座りもまた浮世かな春は名のみの人の寒々 閑散人
(2010.2.4 花崎泰雄)
しかし、格闘競技の選手に殴られた相手が死ななくてよかった。どこかの相撲部屋では選手や監督が選手の一人を殴ったりして死なせたことがあり、また、大相撲で死者という事件なるところだった。
政界の暴れん坊こと豪腕小沢一郎は、検察のつめがあまかったのか、今場所はどうにか剣が峰でこらえきったようだ。付け人の国会議員と公設第一秘書ら3人が起訴されただけだった。
引退した朝青龍にはもう次の場所はない。小沢の次の場所は始まったばかりの国会だ。小沢の資金管理団体・陸山会(田中角栄の後援会・越山会と一字違い)は、新聞報道によると、2004年までの11年間に11億5千万円を投じて、東京都や岩手県などで12件の不動産を買った。 なんだか街の不動産屋のような政治団体だが、不動産取引をめぐる税金は一切払っていないそうだ。
個人が所有している不動産を売却し、利益が出た場合、所得税や住民税の課税対象になる。しかし、陸山会のように、政治団体が不動産買取に使った金には所得税がかかっていないし、政治団体が不動産を売却してもその金を政治団体が受け取っていれば原則として課税されない。政治家の死後、その子が世襲で政治団体を引き継いでも、相続税はかからない。さすがの政治家たちも2007年以降、政治団体による不動産取得を降禁止することにした。
総務省所轄の政治資金管理団体で不動産を持っているのは小沢の陸山会だけだそうだ。小沢は2003年に解党した自由党の党首だったが、2003年に公布された政党助成金15億円のかなりの部分が行方不明になっている。2004年ごろ小沢の関連政治団体・改革フォーラム21の口座に約15億円の帳簿外入金があったらしいと報道されている。国庫から出た政党助成金は陸山会の不動産と関係があるのか、ないのか。国会、検察とこれから夏の参院選にかけての土俵をもりあげてもらいたい。
海の向こうでは、消息が絶えていた暴れん坊オサマ・ビン・ラデンが、地球温暖化の元凶アメリカを懲らしめよう、という演説を例のアルジャジーラで流した。この1月末のことだった。前任者のブッシュと比べるとオバマはエコロジストだ。それに対応してオサマもエコロジーの領域でアメリカ攻撃をめざすことにしたのだろうか。
9.11以後これまでに、オサマのメッセージを収めたビデオやオーディオのテープといわれるものが40近く流されている。そのうちの多くが贋作との指摘もされている。一番興味深いコンスピラシー・セオリーは、オサマは2001年の暮れ、アフガニスタンのパキスタン国境近くの山岳地帯トラ・ボラで米軍の空爆によって死んだが、オサマの亡霊を徘徊させることで利益を得るその筋の組織が偽オサマ・テープをせっせと作っているというものだ。
この間は最近のオサマの似顔絵をつくるにあたってFBIが現存するスペイン人の顔を利用したとして、顔を無断借用された本人から抗議を受けた。CIAもオサマに似た人物やオサマの声を合成するなどの細工はお手のものだろう。これまたコタツで冬ごもりしている閑人にとって格好の話題提供である。そのうち、「調査の名目で鯨を殺す日本へ」なんてオサマのメッセージがシー・シェパードと連名で発表されたりするかも。
2月4日は凍えるような立春だった。
引退も居座りもまた浮世かな春は名のみの人の寒々 閑散人
(2010.2.4 花崎泰雄)